《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達が守るよ ④

「駿、それに今のお前には白咲さんは守れない。顔が疲れて死んでいる。」

俺の両頬を片手で摑んできた。ひょっとこみたいな顔になった俺は何も言えずにいた。

「大丈夫だよ、駿。なにかあったら必ず連絡するし。たまにはゆっくりしておいでよ」

俺はわかっていた。律が“行ったらダメ”なんて言うはずはないと。見てわかる、俺の兄さんを信頼している。

もしかすると、俺よりも信頼を寄せているかもしれない。俺は子供だし、頼りないから。こうやってネガティブに考えてしまう。

「駿がそんな苦しそうな顔をしていたら、俺まで辛くなっちゃうし」

「え……?」

そういえば、俺は毎秒毎分気を張り詰めて毎日過ごしていた。

自分は疲れてないって思っていたけど、周りからしたら顔に出るくらい疲れていたのか。

きっと誰かにこの辛い思いを言えば、楽になるのではないかと思う。

正直、一人でこの出來事を抱え込むのは重すぎる。このままいけば、俺が壊れるかもしれない。

「……家族の時間は生きているときにこそ深く関わっていかないといけない。そうだよね、律」

律をチラッと見ると、ゆっくり頷いていた。

気のせいかし微笑んでいたように思った。

「仕事終わったら、病院の下で合流して家に行こうか」

兄さんに肩をポンポンと軽く叩かれた。

「俺達は遅くに出會った兄弟なんだから、今からでも本當の兄弟のように絆を深めて行こうな」

は繋がっているかいないかわからない兄弟が一つ屋の下に暮らしていた。まるで赤の他人のように。

兄さんが言った“本當の兄弟”。その言葉がどれだけ嬉しかったか。味わったことがない暖かい気持ちになった。

律を一人病室に殘し、兄さんから聞いた待ち合わせ場所に向かった。

出て行く時一瞬だったが、葛藤があった。やっぱり兄さんに斷って律のそばに居ようか。

でもこの苦しい思いを吐き出したいのも事実で、こうやって時間を作ってくれた兄さんに謝をしなくてはいけない。

「お待たせ」

數分待っていると兄さんが現れた。

し距離を置き俺達はなにも言わず歩き出した。

兄さんの自宅までは全く話さず、俺は下を向いたままだった。兄さんも俺のし前を歩き、なにも言わず歩いていた。

15分くらい歩くと、兄さんが立ち止まった。俺はふと前を見ると、奧にあるマンションに目がった。

そのマンションは空に突き抜けそうな高級マンションだった。

「やば」

上を見ていると思わず聲がれた。

「一応、醫者だからね」

醫者……ね。俺は開いた口が塞がらず、中までそのままついていった。

改めて読んでいただき本當にありがとうございます!

謝しています。

PVを見てるとすごく嬉しい気分になります。

もしよければ次に繋げれるよう、想、レビュー、いいねを頂けると嬉しいです。

我儘ではありますがよろしくお願いします

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