《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達は本當の兄弟 ③

目を見開いた。その寫真に寫る男は明らかに見たことがある人だった。俺は寫真に寫る一人の男を見続けた。

「どうした?」

俺の顔が強張っていたのだろう。

空気を察した兄さんが、俺の隣に座った。

「この人、律のお父さんだ」

震える指先で一人の男を指差した。

若いが、面影ははっきり殘っている。

「白咲さんのお父さんに會っとことあるのか?」

「ない。律の家で泊まってた時に寫真で見たんだ」

二人の間で沈黙が続いた。

「白咲さんのお父さん、確か職業は教師じゃなかったぞ」

「え?」

「亡くなった時に家族構を書く欄があるけど、教師じゃなかったと思う。うろ覚えだけど」

俺は律の家族のことをなにも知らない。一緒にいてる中、律の家族の話題にならなかったし、正直プライバシーの問題もあるからどこまで踏み込んだらいいかわからなかった。

「寫真何枚か借りていい?確かめたいんだ」

「白咲さんに聞くのか?」

「いや……確実なものがなければ見せないつもり」

律が知らないと過程してこの寫真を見せた時、目に見えて律が揺することがわかる。

寫真を見せる以前に、律に確認しなくてはいけないことがあるような気がする。

あと一つ気になることがあって……。

「なんで、兄さんがこんなアルバム持ってるの?」

「家出る時に、もし兄弟の誰かが困った時に顔を忘れないように適當にアルバムを持って行ったんだ。そしたらたまたま両親の若い時がってて……。でも、俺は両親を忘れたかったからあまり使わないここに保管しておいたんだよ」

二人ともなんとも言えない重たい空気になった。

その空気を変えるように兄さんが寢ようかと聲をかけてくれた。

俺は頷き、兄さんが部屋を出た後考え込むようにベッドに潛り込んだ。

暗い中もう一度寫真を見た。

この寫真はなにを語っているんだ。この人達はどんな気持ちで寫真を撮っ他たのだろうか。

……考えても寫真は語ってくれない。

とりあえず今日は寢よう。

目を瞑り、俺は深い眠りについた。

改めて読んでいただき本當にありがとうございます!

謝しています。

PVを見てるとすごく嬉しい気分になります。

もしよければ次に繋げれるよう、想、レビュー、いいねを頂けると嬉しいです。

我儘ではありますがよろしくお願いします

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