《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の知らない過去 ①

朝起きると、俺は急いで鞄に寫真を何枚かれた。

「俺、先に病院に行くよ」

別に急ぐことはないが、兄さんは俺を見て

「行ってらっしゃい」

となにも言わず見送ってくれた。

昨日の夜はよく寢れた。

今日は朝起きるとあの寫真の畫像が目に浮かぶ。そしていつもの悪い癖だ。考えてしまう。

あいつと律のお父さんが知り合いだったら?

俺達はもしかすると……

いや、深く考えるな。

妄想はさらに妄想を生む。よくないことだ。

病室の前に行くと、俺はもう一度考えた。

“昨日は楽しかったよ。”

“ありがとう。律のおかげで家族の時間が持てたよ。”

そういえるような雰囲気を作ろう。

一度頷き、ドアを開けた。

ふと見えた、律の顔。

下を向いていた。

あれ?珍しく俺に気づいていない……。

いや、なんか顔が強張ってないか?

「律?」

俺が中にり聲をかけると、律はビクッと肩を振るわせた。

そして、さっきは見えなかったが下を向いてなにを見ていたか分かった。

スマホだ。

スマホの畫面を下に向けて俺の方を見た。

「あ、おかえり」

がわからないぶん、何故そんなに焦って畫面を隠す必要があるのかわからなかった。

しもどかしい気持ちにはなったが、俺は笑顔で律に近づき椅子に座った。

「久々に兄弟で話をして楽しかったよ」

「よかった」

どういうきっかけで話を進めようか……

「どんな話したの?」

「思い出したくはなかったんだけど、、両親の話。昔山岳部の顧問してたんだって」

「へー」

「律の両親はなんの仕事してたの?」

我ながらいい流れで聞き出すことができた。

律も疑問に思うことなく、話に頷き上を向いて考えていた。

「お母さんは管理栄養士でお父さん外資系で働いていたかな……」

「へぇ。よくさ、出産したら職業変えたりするっていうけどずっとその仕事してたの?」

「俺が知る限りでは」

それが本當ならやっぱりあの寫真に寫る男の人は似た人なのか?

律が噓つくようにも見えないし、まず噓をつくメリットがない。

やっぱり律に寫真を見せた方がすっきりするか……。

「あ、そういえばさ」

俺が寫真を取り出そうとした時、律が思い出したかのように話しかけた。

「明日俺退院になった」

「え?」

「経過がいいみたいだから、早めに許可貰った」

俺はびっくりして、寫真を取り出さずしまってしまった。退院か、、嬉しいような

怖いような……そんな気持ちだった。

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