《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の知らない過去 ③

「あの……」

『あ?律君じゃねぇのかよ』

電話越しで聲が吃ってて聞きづらいが、呂律が回ってないような気がする。

こんな晝間からお酒を飲んでるのか。

「俺、律の友達で。今席を外しているんです。すみません、勝手に出てしまって」

『あー……。あのさ、律君に言っておいて。また大金になるような雑誌の記事載せてやるからさ、その代わりにお酒の席で一緒に飲もうって』

お酒を一緒に飲もう……は大人のコミュニケーションで大事なことだからってくることはわかる。

でも言い方がまず気にらない。それにこのテンションと呂律が回ってないじ……。

こいつやばくないか?

「あの、律とどういう関係なんですか?」

『律君の親父と友達だよ』

俺はその時、頭の中で寫真の殘像が蘇ってた。まさか……

「あの……」

相手が反応がないことがわかり、スマホの畫面を見ると初めて電話が切られていることに気づいた。

スマホを下に下ろすと、額から暑くもないのに汗が落ちてきた。

「駿……」

俺が振り返ると、律は覗きこむようにみつめている。

「山下さんは律の知り合い?」

俺は律に近づき、スマホを差し出し返した。

「お父さんの友達。前にアクセサリーを雑誌に載せてくれた人」

「なぁ、律……」

「待って!駿」

俺が、言いたかったことを阻止するように律がし聲を荒げて止めてきた。

「駿が言いたいことはわかる。ちょっと、、ちょっとおかしいって。でも昔はこんな人じゃなかったんだ。それに山下さんは家族やがいない俺にとって大事な人なんだ」

「……」

スマホを握りしめ、戸いと苦しさがり混じった顔をしていた。

俺は握りしめる律の手を上からそっと手を重ねた。

「律、退院したら話したいことがある。大事な話……。」

「大事な話……?」

「たぶん律にとって辛い話にはなると思う。これ以上辛い目や合わせたくないって俺は思って隠そうと思った。でも今のままじゃダメだ。今の電話で俺は確信した。やっぱり、律にきちんと伝えなくてはいけないって」

律の潤んだ目と俺の目が重なった。

し間があったが、律はゆっくりと頷いた。

本當は寫真を破って捨てて、隠し通して墓場まで持っていこうと思っていた。

でも結局この話をしないといけない。

もし、律がけ止め切れないなら俺が全部け止めるように頑張るから。

俺達は今現実を知らなければならない。

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