《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の知らない家族の裏の顔 ①

“律、俺の言うとおりにして”

“必ずなにかあったら助けに行くから”

その駿の言葉を信じて、俺は山下さんに會いに行った。

前回會った、とあるビル。

今回はまた違う気持ちで行くことになる。

大丈夫、俺には駿がついてる。

一人じゃない、心強い。

ビルに著くと、ドアを開けた。

いつもより重い……?

それに、靜まり返っている。

え……まさか

誰もいない……?

今日は平日だよな……。

しかも中は薄暗い。

「やぁ、律君」

周りを見渡していると、聞いたことがある聲が聞こえた。

俺はビクッと肩を振るわせた。

恐る恐る振り返ると、ニヤニヤ笑っている山下さんが近づいてきた。

今は逃げたい気持ちより、何故かここから逃げてはいけない、、その気持ちの方が勝っていた。今はその気持ちの方が強いが、山下さんの聲とこの雰囲気はその気持ちを崩すくらいの恐怖があった。

「こ……こんにちは」

だんだんと近づいてくる山下さんに俺は車椅子のタイヤを逆に回し、後ろに下がった。

「そんな、怖がらなくてもいいじゃないか」

ドン……

車椅子が壁にぶつかりそれ以上後ろに下がることが出來なくなった。

山下さんが俺の目の前で立ち、人を馬鹿にしたような笑い方をしていた。笑っているが、その目はどこか冷たく、表がない人形のような目だった。

「なぁ、律君。これ知ってるかい?」

俺の目の前で、手のひらサイズより一回り小さい袋をひらひらさせた。

中には白い

こんなものドラマでよく見る。

でも実際見るのは初めてだ。

「これをね、吸うと気持ち良くなるんだよ。SEXするともっともっと気持ち良くなるんだ」

「ま……待って!俺、貴方に聞きたいこと聞いたら帰ります!」

俺は顔を近づけてくる山下さんの顔を両手で押しのけていた。

「君、綺麗な顔してるから男とは言え一回犯してみたかったんだよね……」

今山下さんがその薬を使用しているか定かではないが、正気がないのは手にとってわかる。その白いがなにか……。知識がなくてもある程度はわかる。

山下さんは俺の抵抗が意外に強かったため、をポケットにれ、一度立ち上がった。

「律君は家族が俺しかいてないし、切っても切れない関係なんだよ。ずーと一緒にいようよ」

「俺、貴方のこと家族だなんて思っていません!特に今の貴方は……」

ちょっと前まではのいない俺にとっては家族だと思っていたよ。

でもこんな裏切りあり得ない。

俺の恐怖に赴くその睨んだ目を見て

「あー……やばい。興するねー」

といい、甲高い聲で下品に笑っていた。

「あー……今まで々我慢してたのになぁ」

笑い終わると一度大きなため息をつき、腰を剃りながら俺の方を見た。

怖い、その目。

が震える。

近づかないでしい……。

「もうこの際だからなーんでも話しちゃおうかなぁ?律君。俺の本當の名を教えてあげようか?俺はな、山下誠一郎ではない」

「え?」

「俺の名はな……

白咲誠一郎だ」

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