《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の知らない家族の裏の顔 ②
目を見開いた俺は、なにも言えなかった。
「聞こえた?律君。俺の名は、しろさきせいいちろう。君のお父さんの弟だ」
お父さんに弟がいるのは知っていた。
でも、それが誰かは知らなかった。
お父さんは自分の家族のことを全く俺達には話さなかった。
弟とは縁を切った。
それだけは知っていた。
「兄貴が死んで言書もないから、産は手にって楽して生活はできてたわけ。律君が生きているって聞いた時は一目見ようと探したんだけど。まぁ綺麗な顔をしてるなぁて思って」
「なんで赤の他人として俺に近づいたんですか?」
「そりゃ、俺が昔から薬をして兄貴から縁切られたから家族として會いに行ったら律君が警戒するの目に見えてるし」
山下さんは機の端に腰をかけて、右手を握りその手の爪を見ている。
逃げることができる距離。
でも俺は走れないから絶対に捕まる……。
「貴方が、お父さんを恨んで事故に見せかけて殺したんですか?」
「は?」
俺が唐突なことを言うから俺を見て、睨みつけてきた。
一瞬、をこまらせてしまったが山下さんが親族である以上聞いてみたかった。
「事故に見せかけ、殺した……とか」
「あー……やめてくれ。やめてくれ。ありえねぇから。そんなめんどくさいことはしないし」
「お父さん達の死をめんどくさいとか言わないでください!」
右手を仰ぎ、不快そうなじで言った。
「あー辛気臭くなったじゃん。なぁ、律君。そんな話よりさ」
腰掛けていたおを浮かし、足を地につけた。
その足で今度は俺の方へ向かってきた。
「さっきの続きをしよう」
俺に近づくと、顎を持ち顔を上に上げた。
「君も薬を吸って一緒に気持ち良くなろう」
「……ゃ……」
山下さんのそのマジな目に戦慄が走った。
逃げることが出來ない現実。
恐怖のあまり、が固まってしまった。
「可いね……おじちゃんがいっぱい教えてあげるね……」
目をギュッと瞑り、顔を橫に逸らした。
……
……
「なぁ、おっさん……」
薄く目を開けると、山下さんの後ろに人影が見えた。
「俺にも教えて、気持ちいいこと」
「いってぇな!!お前なんだ!!」
山下さんの怒號の聲が響き渡った。
「駿……」
よく見ると、あの格のいい山下さんを羽締めにしてけないようにしていた。
「おめーぶっ殺すぞ!」
「あらら、イケメン顔がブサイクになりますよ……。それに、悪い言い方ばっかりしてると
警察に通報しますよ」
羽締めにされたまま、山下さんは後ろの駿を睨みつけていた。
そして、俺を見た山下さんは目を見開いた。
「今までのこと録音してました」
「そんな哀れな目で見んじゃねぇ!!」
俺は録音機を山下さんに見せつけた。
録音機は震えていて、震える手首をもう片方の手で押さえた。
「ちなみに、俺ずーと貴方達の話聞いてたんだよ。この小型無線機で」
俺も律も耳にイヤホンよりし小さい無線機をつけていた。
駿は俺に指示を出したり、怒鳴られたりすると落ち著かせてたりしてくれた。
“大丈夫、律。俺がついてる。必ず助けに行くから”
と。
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