《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達が知る事故の詳細 ⑦

落ち著いてからよく考えた。

一度思い出してみると、フッと軽くなったようなじもする。

駿と事故と向き合い、話を進めていくと記憶の中で疑問に思うことがいくつかあった。

記憶だから曖昧な部分がある。

だからこそ曖昧を確信に変えることが必要なのかもしれない。

「駿、起きてる?」

夜、暗闇の中、聲だけで駿を辿っていく。

「なに。起きてるよ」

「あのさ、明日図書館に行きたい。調べたいことがあるんだ」

忘れないうちに早めに調べたいことがある。

正解がそこにあるかはわからないが、調べる価値はあると思う。

「行っていいよ。ただ小まめにメールはしいかな」

一緒に居すぎてかわからないが、聲がわかるようになってきた。駿にも葛藤はあるみたいだ。どういう葛藤か、なにを言いたいのかそれは俺にはわからない。

「心配かけてごめんな。必ずメールはするから」

いつになったら駿に普通の高校生活を送らせることができるのだろうか。

巻き込んでいることを申し訳なく思った。

俺は布団を頭まで被り眠りについた。

すごく疲れても、しんどくても朝日は昇り次の日はやってくる。カーテンを開けると眩しいに包まれた。今日もいい天気だ。

高校に行く準備をしながら、駿はし心配そうに俺を見ていた。

靴紐を結び、俺の顔を見て

「なんかあったら、必ず連絡してね」

「心配することはなんもないよ。大丈夫」

“なんもない”……本當に?いや、なにもなく俺が注意して行するべきなんだ。

駿にこれ以上心配かけたくない。

駿を見送り、一時間後俺も出発した。

昨日図書館に行って、家でも事故のことを思い出して何かが吹っ切れた様な気がする。

それは強がりで、寫真を見たらまた蘇るかもしれないが……

朝の図書館は小さい子供と保護者が多く、可い聲が飛びっていた。

その中で俺は一直線に新聞のエリアに行った。

「あの……」

後ろからの聲が聞こえた。

振り返ると昨日の図書館司書のが立っていた。

「白咲さん、調どうですか?昨日は顔が真っ青でしたが」

「……大丈夫です。昨日はご迷おかけしました」

俺はに近づき、改めて一禮をした。

「あ、私の名前は夏焼恵と申します。“なつやき”と読みます。珍しい名前なので覚えやすいかと」

「覚えておきます」

夏焼さんはニコッと笑った。その顔はお客様に見せる想笑いだろうか。噓でも笑えるその能力は素晴らしいものだと思ってしまう。

「今日はお連れ様はいないのですか?」

「學校があるので」

「……そうですか。ところで、資料や本は高いところにもあります。車椅子だと高いところは取りにくいですよね。私が取りましょうか?」

「お言葉に甘えます。そこのを取ってください」

俺は昨日も見た新聞のファイルを取って貰った。

「なにかお調べですか?」

「まぁ……」

「カードを作れば新聞もお借りできるので、もし宜しければどうぞ」

「ありがとうございます」

「屆かない場合は付に來てくださいね。この図書館は二十年以上前の新聞もあるのでご興味いただければどうぞ」

新聞を機の上に置いて、夏焼さんは深々一禮をしてどこかへ去って行った。

あの人……

俺のこと“白咲さん”って言ったよな。

俺、あの人に名前名乗ったことあったっけ?

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