《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達は探す、死んだ男の正

寫真に寫るもうひとりの男は山下さんの同期で亡くなったと言う。

山下さんの兄……即ち、俺のお父さんが殺したと言っていた。俺のお父さんが人殺しをするわけがない。でも……やっぱり山下さんが噓をついてるようには見えない。

「もうひとりの人が亡くなったって言うなら、もう行く當ては駿のお父さんしかいないじゃん」

「……」

「駿?」

「え?」

「いや、だから。聞く人いないから駿のお父さんに聞くしかないかなぁて思って」

「あー……あいつは異常だから聞いても意味ないよ。俺達で地道に探した方が効率いいと思うよ」

さっき上の空だったよな。

だってそうだよな。山下さんに會ってから今まで、駿は寫真にが開くくらい見つめていたからだ。そんなに見つめてなにかわかるのかなと疑問に思うくらい。

「とりあえず、一回帰ろうか。今日も疲れちゃった。駿は明日學校だよな」

俺は慣れた手つきで車椅子のタイヤを回して前に進んだ。とりあえず気を落ち著かせたい、頭の中を整理したい。そればかり思っていた。帰りたい気持ちが強くなり、漕ぐタイヤも速くなる。

いつもなら後ろで駿の歩く音が聞こえてくるのだが、その音が聞こえてこない。そして、後ろにいる気配もない。

「駿?」

車椅子を止め、後ろを振り向くと駿はさっきいた場所からいておらず、駿も後ろを振り返っていた。

駿の後ろには……確かに人は數名いてるが変わった様子はない。

俺は駿のもとに近づき腰を軽く叩いた。

「どうした?」

顔を覗き込むと驚いたような顔で俺を見た。いや、驚いてるというか恐怖に満ちた目だ。

「……顔真っ青だけど……」

その駿の顔に俺も驚いてしまった。

「あ、いや。……大丈夫。疲れたみたい」

駿は口元に手を抑え、早歩きで俺の橫を通り過ぎた。あの顔は絶対なんかあったはずだ。でもなにも言ってこない。こういう大事な時になにも言ってくれないのは悲しいものがある。

駿は駿なりに々考えてるとは思うけど。

駿はいきなり止まり、俺が橫に行くと今度は俺の車椅子の速度に合わせて歩いてくれた。

「なぁ、律。明日どっかに出かける?」

「いや、明日は仕事に専念するかなぁ。なんで?」

「どっか出かけるならちゃんと連絡してね」

「……」

「お願いだから」

いつも言われる過保護な発言。その発言は珍しいモノではないことは、俺が一番よくわかっている。いつもならわかった、わかったと俺は軽く流すのだが今回は違う。

なにか重みのあるような言い方。

「ちゃんと連絡するよ」

俺が駿の目を見て頷くと、駿は先ほどと違ってらかい顔をして同じように頷いた。

    人が読んでいる<親の操り人形は自らその糸を切ろうとしている>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください