《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達は探す、死んだ男の正 ②
“ここからは一ノ瀬駿目線で話を進める”
山下さんと話をした後、俺はあることを思った。
この寫真に寫る名前がわからない男と山下さんは同期で時期はわからないが亡くなっていた。
山下さんは律のお父さんを恨んでいる。
その男が亡くなった原因を作ったのが、律のお父さんだったら……
……
いやいや、三流ドラマでももっとまともな設定を立てるはずだ。
寫真を見て頭をし橫に振った。
さっき立てた仮説を律に伝えても、きっと律はお父さんが好きだからそのような結びつけをしたくないはずだし、出來ないと思う。
でも俺は第三者として冷靜に考察することはまだ可能だ。でも考えれば考えるほどこのまま、興味本位で捜索して大丈夫か?と思ってしまう。何故か今俺達は闇の沼にハマる一歩手前まできてないか?
もしかするとこのまま真実がわかってきた時……俺達、いや、律はけ止めることができるのだろうか。
今までの律を間近で見てきたが、大事な人のことは一番大切に思い、一番に考えるそんな優しい人だ。
家族の黒い部分が出したら、け止められずに崩れるだろう。目に見えてわかる。
〈あぁ……いたいた。車椅子に乗った人。
あいつよ、あいつ……殺したい……憎い……〉
「!?」
耳元で小さな聲がした。
憎しみのこもった聲。その聲が聞こえると同時に急に悪寒がした。
背筋が凍るような悪寒。
そう言えば律が
「図書館で悪寒がして……」
て言っていた。
その時は律の勘違いか……いや、俺の中で深く考えないようにしていた。でも、律の言ってたことは勘違いではない。明らかに俺達を見てる目がある。
後ろを振り返るが俺達を見てる人はいない。
でも確かに誰かに見られてる。の気が引いていくのがわかった。
やつらがき出したのか。いや落ち著け。やつらならそんな地味た行はしないはずだ。もし行するならすぐ実行に移して行くだろう。
ここからは俺の勘だが、これはやつらの目ではなくもっと恨みの籠った目にじる。
どちらにせよ、狙われてるのは律だ。
律を束縛しないように俺なりに頑張っていたのに、こういうことがあると心配でたまらない。正直、律の家族の誰かが昔悪事を働いていてそれを恨むならまだわかるが、縁関係があるだけで律をそこまで狙う理由はなんだ?
今まで大人しくしていたが、今回のことに首を突っ込んだから誰かがき出したってことか……。
これ以上突っ込んではいけない、そう誰かが警告してるのだろうか。
危険を選ぶか、真実を見つけるか
究極の選択だな……
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