《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達は探す、死んだ男の正

あれから一週間が経った。

俺達はあれから事故のことを積極的に調べることをしなくなっていた。それと並行して不思議に幸せで普通の生活が戻っていった。あの恐怖に満ちた視線もなくなった。

今日もまた高校生活が始まる。

朝の支度をし、口にパンをれネクタイを締めた。ふと見えた棚、そこには四人が寫った寫真を無くさないように寫真立てに飾られていた。白咲家の寫真と共に。

ただ、俺は正直気になっていた。やっぱりあの殺意のある視線。そして山下さんの言っていた、律のお父さんに対しての恨み。聞きたいことは山程あるのに頼みの山下さんはあれから面會拒否をしてきた。

たぶん俺のせいだと思うが。

この四人目の男が誰なのか……

律が幸せなら危険な目をしてまで調べなくてもいいか……とまで思ってしまうようになった。違う、それはただ逃げてるようにしか思わない。

律が仕事をしている間、俺は自分でも何を思ったのか、四人が寫っている寫真を寫真立てから抜き取った。そしてふと寫真の裏を見た。

“最後の四人の寫真。あの事件より汚れた子供にこれを託すことにする。あきらの命はこの手の中に”

あきら……

四人目の男の名前……か?

あきらさんは子供がいたのか。でもなんだこの“汚れた”って。

「駿、學校に行く時間だよ」

「あ、うん」

いきなり聲をかけられ、焦った俺は律に緒で通學鞄の中に寫真をれた。

「今日は遅くなる?」

「いや、いつも通り」

「えー……彼でも作って遊びなよ」

「……最近、告白はされたけど」

「え!?マジ!?」

靴を履き終わった俺は振り返り、びっくりした顔の律を指差した。

「びっくりした顔。表一個増えたね」

「……」

「じゃ、行ってきます」

俺は手を振り、びっくりした顔の律を笑いながら外に出た。

まぁまぁ驚いてたな、俺も一応年頃の男の子なんだけど。

それよりも……

昔の寫真は撮った年月日が印刷されている。

さっき寫真の裏を見た時気づいた。

今から二十三年前。

律が産まれた年だ。それに気づいた時俺の心臓は鼓が早くなっていた。

偶然が重なりすぎている。

もし俺が早めに事故の真実を知ってそれが律を傷つける事実なら、食い止めることができるかもしれない。

幸い、律は事故のことを言ってこないし、これはチャンスだと思った。

今日は午前中で學校は終わる。

律には緒にしていたけど、學校の帰りに図書館に寄って調べてみよう。

全ては律が産まれた二十三年前にあるはずだ。

あと、あの図書館司書にも會わないといけないしな……

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