《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》失いそうな俺達の友 ⑦
律の一言で時が止まったように俺の思考回路は停止した。そして考えた。
何故あいつが律の家を知っていたのか。
何故俺のいない時間帯を知っていたのか。
あいつは律になにを吹き込んだのか。
何故……何故……
頭の中が。気持ち悪くなるくらいぐるぐると回った。
「ねぇ、答えて!!駿はまだあの事故のこと調べてるんだよね?」
初めて聞く、律の怒鳴り聲。
俺を見上げる目は冷淡で、俺のことを疑っていた。
「駿のお父さんが家にってきたんだ。そしたらなんて言ったと思う?
『人殺しの息子さんはどこですかー?』って」
「は?」
「駿のお父さんが俺に言ったんだ。全部駿から聞いたって。亡くなった夏焼さんの奧さんとも駿が接してるって!!ねぇ、駿は一何を嗅ぎ回ってるの!?」
全部俺から聞いた?どっからそんな噓を吐けるのかゾッとした。俺はあいつと一生接しないと決めていたんだ。
夏焼さんの奧さん……。あぁ、あの図書館司書は夏焼あきらさんの奧さんだったのか……
「今日、家族の寫真を見たら隣にあった寫真立てにお父さん達の寫真がないことに気づいた。あれも駿が勝手に持って行ったっことだよね!?俺はこれ以上調べたらダメだと思って、忘れようと思って今までなにもしてこなかったのに、駿はなにがしたいの?俺達家族を悪者にしたいの?」
律は俺のズボンを引っ張って、揺らして涙を流していた。
俺はそんな律を見ても何故か冷靜だった。
何故、冷靜なのか……。それはあいつが噓をついて自分が優位に立てれるという魂膽が見え見えだったこと。皮すぎて笑える。
ただ、俺が許せないのは、人の事に土足でズカズカってくる……その神だ。
「律……」
「ねぇ、駿!答えてよ……」
俺は律の頬をで止まらない涙を優しく拭った。綺麗な涙が俺の指を伝う。
「なんで調べてるって言ってくれなかったの?俺に言うとダメなことがあったの?俺、駿をどこまで信じたらいいかわからないよ……」
「俺のことを信じなくていいよ。コソコソ隠れて調べてたのは事実だから」
俺は立ち上がり、鞄の中にっていた新聞のコピーや寫真を雑に出した。
機の上にはバラバラに出せれた紙が散らばった。
「これが俺の調べていたの全部。俺は律のお父さんが山岳部の事故に絡んでるって思ってる。もしかすると……加害者かもしれないって」
新聞のコピーを握りしめた。紙が皺になる音が響く。握りしめる手を見つめた。
でももうこれ以上隠してもなにもならない。
嫌われても自分の思いをぶつけるしかない。
「あいつの言う通り、俺は図書館司書に一人で會いに行った。話を聞こうと思ったけど、図書館司書は律をすげぇ恨んでいて話し合いにもならなかった。そんな姿を見たら俺は律がなんか隠してるって思ってしまう」
「俺なんも隠してない……」
何故自分がそれほど恨まれてるのかわからないという顔をしていた。心當たりがないようだ。
「俺だって信じたかったよ。でも調べれば調べるほど信じられなくなって……。なんていうか……」
「離れたいってこと?」
「はな……」
「家族でも友達でも人でも信頼関係がなくなればそれはもう一緒にいちゃいけないと思うよ。一度失った信頼は取り戻せない……そうじゃない?」
その時
“白咲さんから離れて獨立したらどうだ?”
兄さんの言葉が頭をよぎった。
お読みいただきありがとうございます!
11月中に10萬字いけそうです!
初めはpvも10くらいしなくて、今でやっと10倍になりました。評価やブックマークもありがとうございます!
本當に勵みになります。これからもよろしくお願いします。
正直、短編にしようかと思っていたので、ここまで書けたことは本當に皆様のおかげだと思います。
これからも進していきます。
長くなりましたが、もしよければ評価、ブックマーク、想などもし足跡を殘していただければ嬉しいです。
頑張ったねーと褒めていただければ、私は喜びます。
本當にありがとうございました。
※明日から更新が16時のみになります。
もし忙しくて無理であれば21時になります。
よろしくお願いします
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