《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》本當は弱い俺達 ④

“ここからは一ノ瀬駿目線で話していく”

「律は兄さんから死亡診斷書は貰った?」

「もちろん。々手続きが必要で貰ったけど中はちゃんと見てなかったかも。ちょっと待ってて」

律が死亡診斷書を探している間、俺は腑に落ちないことがあった。

考えれば考えるほど不思議に思うことがある。高速道路で普通に止まっている車に激突することがあるか?

それは、まさしく……

自殺行為に等しくないか?

「あ、あった」

茶封筒の中を開けると三枚の紙切れが出てきた。

「見ていい?」

「うん」

死亡診斷書を見ると死因は火傷。

車が炎上していたって言ってたからそうなるか。熱かっただろう……が痛くなる。

あとは……

「ん?」

一ノ瀬春の死亡診斷書に

から睡眠薬を検出”と書いてあった。律の両親の死亡診斷書には書いてない。

そう言えば、律が言ってたな。

“高速道路で春くんも寢て、俺も眠たくなって寢ていた”と。

律のはわからないが、もしかすると二人とも睡眠薬で寢ていたのかもしれない。

なんで?誰が何のために?

「被害者の家族とは會ってないの?」

「弁護士通してだから會ってないかな。あ、でも……」

「でも?」

「俺達が悪いのに、思ったよりすんなり解決したイメージがあって。こういうのって裁判になったりするケースが多いイメージがあって」

「……その弁護士の名刺はある?」

「あるよ、もちろん」

イメージというか、普通は話し合いをしたりそれこそ警察が間にったりするだろ。事故を起こした運転所が亡くなっているなら尚更。律があっさり解決した、みたいなイメージなら被害者側がを引いたっことだ。

なんかある、絶対。

「えーと、佐藤法律事務所……だったかな」

「ふーん」

「ちなみに、この弁護士さん。一ノ瀬先生の友達だよ。俺が事故した時に紹介してもらったんだ」

類は友を呼ぶ……やっぱり醫者の兄さんの周りは一流の人達が集まってくるんだな。

「聞いてみよ、もしかするとなにかわかるかもしれない」

その前に一応通事故のことをわかる範囲で調べておこう。

佐藤法律事務所。

イメージではビルの一室で數人の弁護士が働いていると思っていたが……。

ここの法律事務所はビル全が事務所になっている。佐藤法律事務所という名前だから佐藤さんは社長レベルの人だろう。

律が昔の依頼人ということもあり、すぐに佐藤さんに會うことが出來た。

「やぁ、律君だね」

髪は七三分け、さりげにつけている時計はたぶん數千萬はする銘柄のもの。それはスーツも靴も同じ。

次元が違いすぎる。輝いて見えた。

    人が読んでいる<親の操り人形は自らその糸を切ろうとしている>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください