《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の好きな人 ①

「駿は一度もおじいちゃんに會ってないの?」

「會ってないな。兄さんがなんでおじいちゃんのことを知っていたのかも知らないけど」

俺は今までおじいちゃん、おばあちゃんの存在なんてなかった。學校で家族の話になることはあるが、友達に合わせるため架空の人を挙げ話してた。今更なら、本當におじいちゃんがいたんだな。

そんなことを考えていたらスマホが鳴り出した。兄さんから電話がかかってきた。

「はい」

『今時間あるか?白咲さんもいるんだろ?』

「いるけど」

『家に來てしい』

それだけ言われて、電話は切られた。

よくわからない電話だったが、律に説明して兄さんの自宅へ向かった。

兄さんはし険しい顔をしていた。

通事故の件で調べてるらしいな」

なんの躊躇なくいきなり聞いてきた。

「佐藤さんから?」

「あぁ、お前らも不思議に思ってたのか?」

思ってた?兄さんは初めからこの事故をただの事故だと思わなかったってことか?

「おじいちゃんは俺達の親父を待で訴えるために準備をしていたんだ。小さい頃に一度會ったんだけどその時に言われたんだ。

“困ったことがあったらここに來なさい”て。

だから家を飛び出しておじいちゃん家に行った。でもな、訴えると言っても証拠はないし、俺の証言だけでは弱い。佐藤と組んでしずつ証拠集めをしてたんだけど……」

「あの通事故が起こったってことか」

「そうだ。偶然にしては気持ち悪い事故だとは思った」

おじいちゃんが摑んでた証拠があいつに取ってやばい証拠だったんだろうな。

だけど……

通事故ってそう簡単に起こせるものじゃないよな?しかもおじいちゃんと律の家族には接點ないし」

「佐藤から聞いたとは思うが、被害者家族が訴えない方向で示談を言ってきたんだ。示談金だな。それですぐ解決して詳しい調査はあまりされなかったよ」

それは佐藤さんも言ってた。

律は車に乗っていたとは言え、運転してた當事者じゃないし寢ていたから証言としては不十分だ。

となれば、証拠と言えば防犯カメラと事故の近くにいてた目撃者のみとなる。

「あとな……」

腕を組み、なにか言いたげだったが言葉が吃っている。

「なに?」

「実は事故當時、おじいちゃんとあと白咲家の子供達に睡眠薬が検出されたんだ。俺の病院で処置を々したから覚えている」

やっぱり律は眠らされていたんだ。

おじいちゃんは眠っていたからハンドルに頭を乗せた狀態で亡くなったんだな。

てことは同一犯ってことなのか?

「防犯カメラを佐藤と見たんだ。高速道路の脇に車を停めてハザードランプが點滅してたんだ。その30分後に車が衝突した。まるで停めていたおじいちゃんの車めがけて突進してるようだった」

「律の両親は睡眠薬の反応はなかったの?」

「睡眠薬、薬ともに反応はなかった」

ということは、正常な頭で車を運転してたってことか……。なんのために突撃したんだ?

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