《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達が辿り著いた通事故の真実

律には申し訳なかったが、どうしても一人で行きたかった。律がいるとどうしても気になって言いたいことも言えなくなる。

一人だと気兼ねなく言える。

これが、最後だ。

聞くことは一つだけ。

面會所で待っていると、し痩せた山下さんが俺の顔を見てニヤッと笑った。

「お前もモノ好きだな」

フラフラと俺に近づき椅子を引いた。足をがっつり開き、態度を大きくして座った。

「一つだけ聞きたいことがあります」

「なんだ?」

「一つだけなんで、正直に答えてください」

俺はを乗り出し、真剣な眼差しで山下さんを見つめた。

「白咲律は律のお父さんと夏焼さんの奧さんとの間の子供だとわかりました。何故律は白咲家として育てられたか……知ってますか?特に律が赤ちゃんの時、どうやって律のお父さんは律のお母さんを説得をしたのか」

し間はあったが、山下さんもを乗り出し俺を見つめた。

「そりゃ、隠していたからさ」

「なにを?」

「不倫相手に赤ちゃんが出來たこと……だ。あいつに本當のことなんて言えるはずがねぇ。いいか!!」

山下さんは機を力強く叩いた。

「あいつはあきらが死んだ後、自分とあきらの嫁の間に赤ちゃんが出來たと知ったんだ。産まれたあとはあきらが死んだショックで赤ちゃんが育てられないから代わりに育てようって自分の嫁に噓を言ったんだ。クソ野郎だよ」

実際、図書館司書も自分の子供をせないから殺してくれって律のお父さんに頼んでいたな。律のお父さんもさすがにの繋がった赤ちゃんを殺すなんて出來なかったのだろう。

噓に噓を重ねて自分の妻を數十年騙してたってことか。

律のお母さんは律のお父さんを信じ、同じ気持ちで赤ちゃんが不憫だからと思って育てていた。でもその赤ちゃんが実は不倫相手の子供だった。

「それはいつ気づいたんですか?不倫相手との子供って」

「しらねぇよ。でも気づいて夏焼の嫁のとこに行ったんだろ?謝料を請求するって。お前を死ぬまで恨んでやるって言ってたみたいだぜ」

「……わかりました、ありがとうございます」

俺は席を立ちあがり、帰ろうとドアに手をかけたとこで山下さんに呼び止められた。

「あのさ、律君が不倫相手の子供って知ってたのは両親だけじゃないぜ?」

「え?」

「弟の春君も知ってたはずだぜ。どうやって俺の電話番號を知ったかは知らないが俺に電話をしてきたから。“お父さんを軽蔑します。なんとかしてください”って」

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