《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》166話 カインとオスカー

まさか、貴方達のイチャイチャぶりを見せつけられるのに耐えられないからです、とは言えない。

イザベラが言葉に詰まっているときだった。

「おいおい、イザベラ嬢。またアリシア達に絡んでいるのかよ?」

「褒められたことではありませんね。流石にどうかと思いますよ」

カインとオスカーがやって來た。

ここ最近、イザベラはアリシアをよくめている。

しかし、タイミングを見計らったかのようにエドワード王子、カイン、オスカー達がやって來るため、なかなか決定的な嫌がらせを出來ないでいた。

そして、めが見する度に彼らはアリシアと友好を深め、イザベラへの悪を募らせていく。

「あら、ごきげんよう。何か用ですか? 私はエドワード王子とお話をしたいのですけれど」

イザベラは半年前の事件で、闇の瘴気に侵されてしまった。

記憶や知識が失われたわけではない。

ただ、闇の瘴気の影響で自分のに忠実になり、そして他者への思いやりを失ってしまったのだ。

今の彼は、自分が一番可いとしか思っていない。

他人を蹴落としてでも自分が幸せになりたいと思っている。

そんな彼が、なかなか手にれられないものがある。

それが、エドワード王子の心だ。

かつてバッドエンドを回避するために自制していたイザベラの方がエドワード王子にとって魅力的だったという事実は、皮としか言えない。

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