取り敢えず、この特設新鋭軍には悪ノリが好きなやつが多いことが分かった。

々と手を回さなければ、あらぬ噂が蔓延し続ける気がする。

仮設拠點の中はもはやお祭り騒ぎ。

どうしてこうも騒げるのか、不思議で仕方がない。

「はいはい、靜粛に。……で、私の率いる部隊には伝説の専屬騎士アルディアが助っ人としてるわけだけど、これでも戦力不足じゃないかと思う人はいる？　……いないわね。うん、よろしい」

レーヴァルの質問の答えとなったペトラの誇張演説。

同時に、俺の心を深く抉る結果となったことは忘れないでもらいたい。

「他に質問は？　……はい、もういいなら早速行に移りなさい」

ペトラの一言によって、慌ただしくく魔導兵部門の者たち。

昔からだが、話をまとめるのが上手いなとじる。

「よし、俺たちも準備するか」

「ああ」

準備と言っても、俺とスティアーノは特段荷の運搬などは行わない。

戦闘員として呼ばれているため、やれることと言えば々、戦地になるかもしれない場所に赴く覚悟くらいだろう。

俺たちの近くで會議を聞いていたブラッティは、黙々と部隊を引き連れて歩いていくコーネリアを発見し、そのまま慌ててそちらに向かう。

「アルディアさん、スティアーノさん、私はコーネリアと一緒に行くんで、怪我とか気をつけてくださいね〜！」

俺とスティアーノで手を振り見送る。

ペトラの部隊にる予定の俺とスティアーノは上部地下水道での行となる。

「まあ、こっちはこっちで頑張るか」

肩を回すスティアーノを橫目に俺は軽く頷く。

そんな俺たちのところへと、ペトラは自然に歩み寄ってきた。

「二人とも、もう行くわよ」

風格、立ち振る舞いだけ見れば、立派な指揮そのもの。

だが、やはり納得出來ない。

「ペトラ、俺のことを誇張して話すのは控えてくれないか？」

「事実でしょ。多腳されてたとしても、アンタは誰よりも強いんだから」

「自分ではそんなこと……」

思っていない……と言えば噓になるか。

現に誰かに負けるようなことはこれまでなかった。

この時間軸に戻ってきてからは、専屬騎士に選ばれたことで、負けてはならないという意識も宿り、鍛錬にも力がった。

「謙遜してもいいけど、自分のことを過小評価しているのは、見てると腹が立つの。そういうのは程々にしてよね」

「ああ、分かってる」

不思議だ……俺がペトラに文句を言っていたはずなのに、いつの間にか俺がペトラに説教される羽目になった。

「なぁペトラ、アルだけじゃなくて俺のことも、褒め稱えてくれても良かったんだぜ？」

「は？　……寢言は寢てから言ってしいわね。そういうのは、それらしい功績を上げてからになさい」

「酷っ……同級生のよしみとか、そういうの考慮してくれよ」

「はいはい、だったら今回の作戦で皆んなが賞賛するような大活躍を期待しているわ」

スティアーノの言葉を冷たくあしらいながら、ペトラはさっさと前を歩く。なんだかんだ楽しそうに話す二人のし後ろから俺もそれに追従する。

暗かった周囲は、いつしかのを浴びて明るくなる。

作戦の幕開け。

何事もなく、順調に進んでしいと、そう思った。

引き続き応援よろしくお願い致します。