《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》167話 バランス

「つれねぇこと言うなよ、イザベラ嬢」

「その通りですね。これからの王立學園を擔っていく者同士、友好を育むべきでしょう?」

「……」

イザベラは沈黙する。

以外にも、エドワード王子、カイン、オスカー、アリシア、フレッドの五人は闇の瘴気に侵されてしまっている。

かつて仲良く過ごしていた頃の面影は失われつつある。

だが、完全になくなったわけではない。

友好と敵対。

と憎悪。

相反する様々なが、ギリギリのバランスで保たれていた。

(ふん……。有象無象に比べれば悪くないけれど、エドワード王子ほどの魅力はないわね)

イザベラは、カインやオスカーに向けてそのような評価を下す。

能力、人柄、家柄、容姿、イザベラとの思い出など……。

それぞれに優劣はあるものの、総合的にはエドワード王子に軍配が上がる。

何より、イザベラとエドワード王子は既に婚約が発表されたなのだ。

は、エドワード王子以外になびくつもりはなかった。

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