《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は準備を始める㉒
七階に到著して直ぐに目的の一つである海竜の湧く場所へ移する。
出てくるモブは、全て倒しながら移した。
ここで出るのはアンコウとスペースマーマンだけかと思っていたら実はホオジロサメっぽい見た目のトパーズシャークと千手クラゲと言う何とも言えない見た目のクラゲが居た。
そして、千手クラゲがマグロを生み出すショックもけた。
スペースマーマン以外の魚類全ての見た目が骨だ。
安定のチカが、出しか出ないとかいうオチをつけたところで、海竜の元へとたどり著いた。
主盾は黒、サブに大和。
他は自由と言いかけた先生が宮ネェを見て、チカを見て「回復は、デバフ解除と回復に専念!」と告げる。
明らかに戦うつもりだったであろうチカが、がっくりと肩を落として武を仕舞う。
それに安心をおぼえつつ私はバフを配り始めた。
前衛組と遠距離組、魔法攻撃組にはソウルとインヴィスはトニトゥールス。回復と自分にはフルークトゥス。
回復組に限っては、狀況によりクラリスタに変更する可能も高い。
プロテクトは全員フルークトゥスを選択しておく。
バフが終わり、酸素ボンベの時間を再度確認する。
全員の殘り時間が一時間以上ある事を確認して、そのまま海竜との戦闘にった。
黒がヘイトをれ、崖まで引く。
崖を背にした狀態で陣取った黒が、間隔をあけてヘイトをれながら攻撃を始める。
『黒、初撃のアタックのみアルティメットシールド使ってね~。HP吹っ飛ぶよ』
『おう! アタック前の作は?』
『一旦距離を取って頭ごと突っ込んでくる』
『了解』
盾同士の會話が終わったところで私は、今後の予定を告げた。
『あぁ、そうだ。出來るだけ海竜でバリア使わないでね? この後、もう一度海竜の湧き時間見て、フルークトゥスにいく』
『わかったわ~』
『おう! デバフだけは解除してやる!』
『チカー! デバフ……!』
『はえーよ!』
『そろそろ良さそうだな。皆手、出していいぞー』
黒の合図をけて見守っていた前衛組がわらわらと、まるで蟲がたかるように海竜へ突っ込んでいく。
背後からの攻撃が通りやすいのか嬉々とした様子で紙裝甲組が、クリティカル音をあげている。
遠距離組は、スキルを使った矢を放ち、魔法を打ち込む。
黒が麻痺ったと言えば、即座に宮ネェが解除しチカが回復する。
バフの私はと言えば、バフの時間を確認しながらずらす作業をしていた。
『やる事が無い……』
皆が楽し気に討伐している最中、一通りバフをずらし終えた私はぽつりと呟いた。
『ちょ、笑わせんな?』
白が酷い。まぁ、クランマーク似合ってないから許す!
『やべぇ、に飢えてらっしゃる?!』
に植えるってどんな狀態なの? ねぇ、チカ一度ちゃんと話し合おうか?
『ren、大丈夫でござるよ。この後水の竜がいるでござる!』
宗之助はいつも通りな気もするけど、何が大丈夫なのかまず聞きたい。
『そうっすよ。今は無くてもこの後に大がくるっすよ!』
ミツルギ……大來たとしてもバフが攻撃に出るのは無いよね?
『マスター、大丈夫ですか?』
ゼン、心配してくれてありがとうと言うべき? 大丈夫かそうでないかと言えば、大丈夫。
『ren、どんまい』
ベルゼ、どんまいって、何が?
『生きろ』
春日丸、生きてるから!
『バフだけはしっかり更新してくれ』
先生は安定して先生だった。
クラメンたちのセリフに頭の中で返事をしてみたけれど、中々に疲れる作業だ。
もう二度とやらないと思いながら、私は宮ネェとチカのMPがあまり減っていないのを機にフルークトゥスからクラリスタへバフを変更した。
回復役の二人のMPがあまり減っていない理由については、事前にデバフが多いと分かっていたこと、出來る限り自分たちで解除できるようにPOTを積んでいる事が作用している。
うちのクランに関して言えば、二人しか回復がいないから自力でどうにかするのが當たり前だ。
そう考えると同盟のクランは、うちよりもはるかに人數が多い。
もしかして、戦爭で上手くけないのは回復に頼り切ってたりするからなのかも?
回復に頼るのは悪い事じゃないけど、初の遅れが大事故につながりかねない。
今後開催される世界戦で、そこを突かれないとも言えないか……これは、一対複數戦を模擬戦でやるべきかな。
でも、人數多い分時間がかかる。
正直、同盟に期待してないから、やらなくてもいいかなとも考えてしまう。
その分お金を稼いでスキルを充実させたい気もするし……うーん、まぁ、この案件は先生と宮ネェに丸投げしよう。
『しっかし、痛いなこいつ』
『キーモブだから、仕方ないよ』
『時間 20;47』
『三十分毎かな?』
『k』
グダグダとよそ事を考えているに海竜の討伐が終わっていた。
ドロップは七日間の期限付きの鍵、皮、。
また、と言う名の倉庫のやしが増えてしまった。
『うんじゃま、スペースマーマン狩り行こうぜー! きっとこの海底に眠ってるぜ、お寶が!』
『いやっふー!』
元気よく歩き出したキヨシが、一歩踏み出したところで毒になる。
お約束過ぎて、皆が笑っている。
『キヨシのごく潰し! 俺のMPは無限じゃねー!』と言いながらチカが解除を飛ばす。
キヨシの回復が終わり、後衛のMPを確認した黒が先頭を歩き出す。
目指すはスペースマーマンだ。
そこで私たちは、思わぬものに遭遇することになる――。
次回更新は三日後の予定。
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