《寢取られた元カノ?、知らない許嫁、キャな馴染も皆要らない。俺のみは平穏な高校生活だ!》玲子さんの事

俺、立石達也。加奈子さんとの夏休みが終わった翌日、俺は自室でのんびりとしている。妹の瞳は朝から出かけている。學校の友達と會うとか言っていた。

午前十一時位にスマホが震えた。畫面を見ると玲子さんからだ。そう言えば休みにる前に彼から何も言われていない。當然會わないのだろうと思っていたのだが。

『はい』

『達也さん、玲子です。今宜しいですか?』

『構わないですが』

『今からお會い出來ませんか?』

いきなりのお願いにちょっと驚いたけど、特に何もする事は無い。構わないだろう。

『いいですよ』

『では、デパートのある駅の改札で午後一時に』

『分かりました』

二時間後だ。長い様で中途半端な時間だ。する事もないので好きな本を読んでいると、途中母さんが晝食の用意が出來たと言って呼びに來た。

午後一時に會うなら二人で食事をする事も無いだろうと思って晝食を済ませてから支度をして出かけた。

改札に二十分前に著いて待っていると、五分前にいつもの様に改札からではなくデパート側の道路から歩いて來た。白をベースにした花柄のワンピースを著ている。

「達也さん、お待たせ」

「さっき著いたところです」

「達也さん取敢えず喫茶店にりましょうか」

「はい」

SCの中に有るローラ〇シュレイ、では人気のお店だ。ちなみに男は俺一人。ちょっと抵抗がある。注文を終えると

「達也さん、夏休みの計畫はどうなっています?」

俺は、涼子と會う日、早苗との旅行の日、それに鍛錬の日程を説明すると

「そうですか、あまり時間が空いていませんね。本當は私も達也さんと二人で旅行に行きたいのですけど」

「嬉しいおいですが、それはお斷りします」

「何故ですか。あの事なら気になされなくていいですよ。無理強いはしないので」

何となく目元が笑っている。あまり言葉を信じる気は無いが、

「でも行く日にちが…」

「大丈夫です。八月十六日から二泊三日でも十八日には戻ってこれます。中一日有れば宜しいのでは」

「…………」

そう言う問題じゃないんだが。困ったな。

「もし二人だけが嫌なら妹の瞳ちゃんも連れて來てはどうですか。兄も一緒にすれば喜ぶと思いますが」

この人何を言っているんだ。妹の都合もある。巻き込むわけにはいかない。

「ふふっ、瞳ちゃんの都合は良い筈です。兄から聞いています」

くそっ、裏付けをとっているか。俺が二人だけを斷ったらこれを理由にするつもりだったんだ。

「達也さん、私を策士の様に思わないで下さい。別に瞳ちゃんを利用しようとは考えていません。偶々兄に聞いただけです。休みの予定はどうなっているのかと」

不味い。そう言えばこの人、俺が考えている事が読めるんだ。

「達也さん、読めませんよ」

ほら、分かっているじゃないか。しかしやはり瞳は自由にさせたい。

「分かりました。では二人で行きましょうか。ところで何処に?」

「はい、思井沢です。西伊豆は一度行っているので」

確かに。あの時の嫌な思い出が殘っているのかもしれないな。

「では買いを一緒にしたいですが宜しいですか?」

「行ける範囲でお願いします」

「大丈夫ですよ。水著は買いませんから」

今回は、前の様な高級店ではなくカジュアルな洋服店を回った。旅行の時に著る洋服だという。この後、その時に上映した映畫を見て帰った。

家に戻り、自分の部屋にると

コンコン。

ガチャ、

「お兄ちゃん、るね」

「どうした瞳?」

「ねえ…、お兄ちゃん、十六日から玲子さんと思井沢に旅行行くんでしょ。玲子さん、お兄ちゃんに何か言っていなかった?」

早いな。玲子さんが話したのだろうか。それとも既定路線?しかしこの問いは、もしかして?あの事もある。かまをかけてみるか。

「ああ、行くけど。それがどうかしたのか?」

「だからその事で玲子さんが、何か言っていなかった?」

「うーん、何か言っていたかなぁ?」

「例えば、私も一緒にったらとか」

何故かもじもじしながらいっている。し顔が赤い。

「ああ、その事か。瞳の都合もあるからと斷っておいた」

「えーっ、なんで?」

「行きたいのか?」

瞳が下を向いて

「駄目かなあ」

なるほど、上手く行っているんだな。それなら仕方ないか。

「じゃあ、玲子さんに確認するよ」

俺は直ぐにスマホで電話した。妹は目の前にいる。

『玲子さん、達也です』

『はい、何か?』

『実は妹が俺達の夏休みの旅行に一緒に行きたいと言うものですから、玲子さんのお兄さんの予定はどうかなと思いまして』

『ふふふっ、構わないそうですよ』

どういう事だ。聞いてもいないだろうに。もしかして俺達を出に使って、妹と玲子さんの兄を合法的に旅行に行かせるつもりだったのか。

妹は高校生。流石に素が知れているとはいえ男と二人の旅行は両親は許さないだろう。だが俺と一緒なら問題が無くなる。道理で急に玲子さんが旅行の事を言いだしたわけだ。しかし參ったな。策にはめられたか。

まあいい、玲子さんの兄と話す機會が出來た。

『分かりました。ところで玲子さん、今回の旅行の目的、本當は…』

『達也さんにお會いしたいだけです』

言う前に言われてしまった。

電話を切ると

「瞳、構わないそうだ」

「ほんと、やったぁ!」

目が輝いている。サッと俺の部屋を出て行った。しかし玲子さんの兄との仲は進んでいる様だな。男嫌いのあの瞳が好きになるんだ。どんな人なのか益々話してみたくなったな。

ふふっ、お兄ちゃんには悪いけど洋二さんと二人で旅行なんて絶対に行けない。だから彼に言って玲子さんにお願いした。

もちろん二つ返事でけてくれた。だって彼だってお兄ちゃんと二人きりになれるんだから。楽しみが出來た。嬉しい。

――――――

瞳ちゃん、中々の策士ですね。さてどんな旅行になるのやら?

次回をお楽しみに。

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意が沸きます。

想や、誤字字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

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