《【書籍版・講談社ラノベ文庫様より8/2発売】いつも馬鹿にしてくるモデルの元カノも後輩も推しのメイドも全部絶縁して好き放題生きる事にしたら、何故かみんな俺のことが好きだったようだ。》二日目 その8
バレンタイン特別編!…ではなく普通に本編です
「片山、いるか!?」
淺川と急いでホテルへと戻り、片山が待っているであろう俺たちの部屋の扉を開ける。
案の定、彼は部屋にいた。
だが、うつ伏せでベッドに五投地していて、見るからに落ち込んでいる。
「片山くん……」
同的な視線を向ける淺川。
片山はゆっくりとを起こし、こちらへ顔を向けた。
「俺、やっちまったよ……」
涙を流してこそいないが、その心は間違いなく打ちひしがれているだろう。
彼は捨てられた子犬のような目をして俺を見つめている。
「一何があったんだ? あんなに良いじだったのに」
「そうだよ。片山くんが巖城さんを悲しませるようなことするとは思えない」
いくらしていて盲目気味だとはいえ、俺よりもよっぽど子の心の機微に詳しいであろう片山がミスを犯すとは思えない。
フラれたではなく「ダメだった」と言っていたし、アクシデントがあったのか?
「……俺にもよく分からないんだよ」
「分からない? 理由を言わずに拒否されたってことか?」
「いや、そうじゃないんだ」
淺川は首を傾げている。
時折辛そうな顔を歪ませながら、片山は口を開く。
「巖城さんが言うには、俺が怖いらしいんだ」
「怖い? っていうか、告白しちゃったのか?」
片山のプランでは明日、最終日に巖城さんに告白するはずだ。
しかし、二人に亀裂がっている以上、彼が距離をめようとしたのは想像に難くない。
「その、巖城さんはどうじたか分からないんだけど、二人で結構いいじになってたのは確かなんだよ。景見ながらさ、趣味の話したり、明日はどうしようかって」
修學旅行が始まってから、二人の距離は確実にまっていた。
巖城さんもまんざらでもない反応だったし、順調だと思っていたが……。
「それで俺、思い切って手を握ったんだ」
「勝負に出たわけだな。それで、突然すぎるから怖いって言われたのか?」
異との距離のつめ方、それにかける時間は人それぞれだ。
一日で付き合いたいと思う人がいれば、一ヶ月かけてゆっくりと仲を深めたい人、一年は友達として見極めたい人など様々いる。
片山は世間一般的には十分紳士的で時間をかけていると思うのだが、巖城さんからしたらそうではなかったのかもしれない。
「そういうわけじゃないんじゃない? たぶん、手を繋ぐこと自は拒否してないはずだよ」
「あぁ、手を繋ぐのはけれてくれたようなじはあった」
聞けば聞くほど分からなくなってくる。
しかし、反対に淺川には思い當たる節があるようだ。
「変化があったのはその後……でしょ?」
「よく……分かったな」
片山は驚いたように目を丸くしていた。
話しているうちに冷靜さを取り戻したようで、表に生気が戻ってきている。
「手を握ってるうちに巖城さんの手がだんだん震えてきたんだ。俺は最初、寒いのかと思って聲をかけたんだよ。だけど、彼は微かに泣いてて……」
「それで、怖いって言って先に帰っちゃった?」
片山は深く頷いた。
巖城さんが涙を流した理由。
恐怖で涙を流すのは理解できるが、狀況にはそぐわない。
「なんとなくだけど、私にもわかるよ」
俺の考えを察してか、淺川はらかい聲で説明してくれる。
「多分だけど、片山くんが違う世界の人みたいに見えてるんじゃないかな。ほら、片山くんってクラスでも上の方の人でしょ?」
「ヒエラルキー的な話しか。確かに眩しい存在ではある」
誰にでも明るく、特段不得意なこともない。
例えるなら、クラスの中の蕓能人的な立ち位置にいるのが片山だ。
「……蕓能人がいきなり自分だけに優しくしてきたら怖いってことか?」
「たとえその好意が本だと思っていても、周囲の反応や劣等は無視できないからね」
「じゃ、じゃあ巖城さんは俺が嫌いになっちゃったのか!?」
取りしたように片山が問いかける。
「せっかく二人で結ばれても、周りにとやかく言われて別れちゃうのが嫌なんじゃないかな」
「落ちるのが分かってる幸せほど怖いものはないしな……」
失った後に大切さがわかるとはよく言うが、そもそも失うのを知っていれば大切にもできなくなってしまうかもしれない。
巖城さんはそれが怖かったのか。
「とりあえず、今から部屋に戻ってそれとなく聞いてみるね。それじゃあ、また明日」
淺川は颯爽と去っていった。
他の作品も更新しているのでよろしくお願いします!
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