《寢取られた元カノ?、知らない許嫁、キャな馴染も皆要らない。俺のみは平穏な高校生活だ!》緩くなるのが一番
私、立石瞳。昨日は豬のおで洋二さんとの初めての経験…と言っても口付けだけど無くなってしまった。
夕飯は流石に豬鍋では無かった。私達が來る前に元々用意されていたから當たり前だけど、あんなチャンス無かったのに。
でもいいや。戻ってもまだ夏休み。宿題は終わらせているから。洋二さんは社會人。早々にウィークデイは會えないけど土日は會ってくれる。チャンスはある。
もう午後には帰るから午前中はのんびりしよう。そう言えばお兄ちゃんはどうしているんだろう。食事の時以外は會わないから。玲子さんと上手くやっているんだろうな。部屋のバルコニーから外の景を見ていると
コンコン。
えっ、誰だろう?
ドアの側に行ってロックを外して開けると洋二さんだ。
「瞳さん…」
「洋二さん。どうかしましたか?」
「いえ、朝食が終わった後、部屋にったきり出てこないので、ちょっと気になりまして」
「そうですか。別に何もありません。外の景を見ていただけです。中にりますか?」
瞳さんが部屋の中にれと言ってくれている。でも彼の部屋にれるほど勇気はない。昨日だって、一瞬で豬を倒したほどの人だ。しでも変な素振りを見せたら、あの豬と同じになってしまう。
こんなに綺麗で可い人なのに信じられない。ここは
「し外でも散歩しませんか。初日に來た遊歩道ですけど、今日も天気が良いし」
「良いですよ」
なんか、言い方が固いんだよなあ。それに部屋の中にれば、ぐっとチャンスは増えただろうけど、ここは仕方ない。
二人で外に出た。遊歩道を歩きながらそっと彼の手を繋いでみる。最初ぴくッとしたけど繋いで來た。まだ人繋ぎなんて出來ない。手の平を合わせているだけ。
鳥の鳴き聲としの風で揺れく草木の音だけが聞こえる。二人共何も話さない。し歩いたところで
「あの…」
「はい?」
「俺、昨日…」
ここは勇気を出すしかない。お付き合いしてもう八ヶ月。もう十分時間は経ったはず。俺の心の一方通行とは思っていない。
彼が歩き停まって私の方を見た。私も彼の方を振り向くと手を繋いでいない方の肩に彼はそっと手を置いたそして私を引き寄せる。私は目を閉じた。
くる、絶対來る。今度こそ。
バサ、バサ、バサ。
「うわっ!」
鳥が木の間から一斉に飛び発っただけなのに。もう!
私は目を開けると
「また失敗ですね」
「すみません」
「仕方ないですね」
私は、もういいやと思い。彼の両肩を両手で持って引くと強引に
「うぷっ」
瞳さんが強引にを合わせて來た。とてもらかい。直ぐに離した。顔が真っ赤になっている。
「洋二さん、勇気をだして。私が付いている」
「はい」
俺は、今度は彼の背に腰から手を回して…これで良いのかな?ゆっくりと顔を近づけた。彼は目を閉じている。
どの位時間が経ったんだろう。とてもらかいが俺のに付いている。自然と俺の手が彼のおに…抑えられた。
「ふふっ、それはまだ駄目」
「そうですね」
もう一度彼が俺の背中に手を回して口付けをして來た。こんなに気持ちが良いものなのか。またそのままにしていると、さっと彼がを引いて俺達が來た方向を見ている。
ああーっ、妹の玲子と達也君が手を繋ぎながらこちらを見て微笑んでいる。瞳さんが下を向いて耳まで真っ赤にしている。
お兄ちゃんに見られてしまった。彼との気持ちの良い口付けに気がしだけ抜けていた。
お兄ちゃん達が近づいて來た。そして私達の方をジッと見て微笑むとそのまま先へ歩て行った。
私、立花玲子。お兄様はやっとあの年になって…。でもこれでしは先に進めるかもしれない。
もし瞳ちゃんとお兄様が結婚とかになれば、我が立花家と立石家の関係は強固になる。三頭家だけに立石家を自由にさせない。
そしてこれがきっかけで私と達也さんの関係も一段と進むかもしれない。桐谷さんには悪いけど。まだ四年間ある。
「どうしたんですか。玲子さん、嬉しそうな顔をして」
「いえ、やっとお兄様も好きな相手にファーストキスが出來たのかと思いまして。妹としては嬉しい事です」
「ファーストキス?洋二さんは今年二十五になりますよね」
「ふふっ、誰もが達也さんみたいな素敵な方だけでは無いのです」
「でも彼、俺より遙かにイケメンだし」
「男の人が顔だけなんて思うのは時代錯誤ですよ」
「…………」
玲子さんの意味は、分からないでもないが。でもあの瞳が…。あいつも多分初めてのはず。まあ洋二さんなら、ちょっと不安な所は有るが、問題ないだろう。この後も上手く行ってくれれば良いけど。
「達也さん、私達もしますか」
「何を?」
「そんな意地悪な方でしたっけ、達也さんは」
私は強引に歩くのを止めてし背びして彼の顔をジッと見た。
「しませんよ」
「でも…」
「しません」
仕方ないですね。後ろからお兄様たちが歩いてくるかもしれませんし。でも昨日は素敵な夜だから良かったですけど。ふふっ、良い夏休みです。
俺達は別荘に戻ると瞳達も戻ってフロントのソファで寛いでいた。俺達の姿を見つけた中川さんが
「お嬢様。もうダイニングには晝食の用意が出來ております」
「達也さん、し早いですが、車の事も考えると早めに頂きますか?」
「瞳達はどうするんだろう?」
「はい、洋二様と瞳様は食事を摂っても良いという事でお二人のお帰りを待っておられました」
「達也さん、それではダイニングに行きましょうか」
俺達は、早めの晝食を摂った後、一時間弱程ゆっくりしていた。
玄関先の車止めに二臺の車がって來た。降りて來たのは、立石家の運転手滝田さんと立花家の運転手だ。
「玲子さん、では片付けをして來ます。瞳は?」
「もう片付けて部屋に置いてあります」
「そうか、じゃあちょっと行って來る」
片付けと言っても男の二泊三日だ。五分もしないでスポーツバッグに仕舞うと一階に降りた。他の三人も既に降りている。
「達也さん、ここでお別れですが、とても楽しい時間でした。またご連絡します」
「はい」
「洋二さん、また」
「はい」
瞳の顔が何故かし大人びたじがするのは気の所為か?
車が高速に乗ると
「瞳、洋二さんとは進んだみたいだな」
「ふふっ、お兄ちゃんに見られるとは不覚でしたが。そうだ。お母さんには緒ね」
「あれ位いいだろう」
「それは男の理屈です。はそうはいかないの。とにかく何も見なかった事にして」
「分かった」
「お兄ちゃんの方こそ、早苗お姉ちゃん、加奈子お姉ちゃん、涼子お姉ちゃんが居ながら玲子お姉ちゃんとも、…そのしているんでしょ」
「記憶にない」
「お兄ちゃんはいつから若年癡呆癥になったの?」
「都合の良い時だけだ」
「全く」
前を見た瞳が本當に嬉しそうな顔をしている。來て良かったようだ。
私、立花玲子。今お兄様と車の中。立石家の車が出て十五分位して別荘を出た。
「お兄様、如何でしたファーストキスは?」
「な、何を言っているんだ。あ、あれはちょっとした…」
「ちょっとしたなんですか。二十五にもなる男が鳥の羽ばたきだけで驚いてキスも出來ないなんて。でも良かったですね瞳ちゃんがきちんとフォローしてくれて」
「えっ、玲子お前達いつから見ていたんだ」
「ずっとです。お兄様達が別荘を出て遊歩道に向かったのを見て、し経ってからありき始めたのですが、お兄様達があまりにもゆっくりだったので、途中で追いついてしまい。停まっていました。その時鳥達が羽ばたいたんですよ」
「えっ、そんな時から」
「でも良かったではないですか。瞳ちゃんは素敵な子です。容姿もそうですが、頭もいいし、気立てもいい、武道も出來ます。お兄様を一生守ってくれますよ」
「俺は、そんな事までは…」
「考えていないのですか。…本當に?」
「そ、それは俺だってんでいるけど、瞳ちゃんが」
「それはお兄様の押し次第ですね。彼は待っていると思いますよ」
ふふっ、お兄様にはぜひ頑張って貰わないと。私と立花家の為に。
――――――
いやー、瞳ちゃん、洋二君良かったですね。でも玲子さん…こわっ!
次回をお楽しみに。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価★★★頂けると投稿意が沸きます。
想や、誤字字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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