《反逆者として王國で処刑された隠れ最強騎士〜心優しき悪役皇様のために蘇り、人生難易度ベリーハードな帝國ルートで覇道を歩む彼を幸せにする!〜【書籍化&コミカライズ決定!】》【116話】逆行転生の弊害

「思い出すだけで、貴方たちとの出會いは衝撃だらけだったわ。二人とも無計畫に介してくるし……普通は私のことを助けようと思わないでしょ」

思い出話を語りるペトラはクスクスと笑い、肩を震わせた。

そんなこともあったなと懐かしい気分だ。

そしてふと何かを思い出したかのような顔をし、彼は視線をこちらに向けてくる。

「そういえば、アルディアはどうしてあそこに現れたの? スティアーノは何も考えずに本能の赴くままいたんだろうけど……」

「おい、人を野生か何かみたいに扱うんじゃねぇ」

「でも、アルディアは多分違うじゃない。スティアーノよりは理的だと思うし。あの場に駆け付ける理由がイマイチ思い浮かばないもの」

「…………」

ペトラたちを助けた理由……何だったか。

あの時の出來事は朧げに覚えているものの、そのきっかけがどういったものかはハッキリと思い出せない。

「……なんであの場所に行ったんだろうな、本當に」

「え、理由とか無いの?」

「強いて言うなら、なるべく多くの生徒を撃破して、績を殘したかったのかもしれない。それ以外にあるとしたら……何だろうな。やっぱり思い出せない」

そう呟いてから、ペトラとスティアーノの顔を見ると二人とも「無い無い」と首を橫に振っていた。

「ははっ。アルが績のことを考えてたなんてあり得ねぇなぁ」

「そうよね。だって、あの時倒した生徒のほとんどを自分の手柄にしなかったじゃない」

「そうそう、ほとんどペトラと俺に譲ってくれたもんな」

「『俺は一人二人倒したという証拠があればいい』とか言って、聲かける前にどっか行っちゃうしね!」

「あの時のアルはマジで流離の英雄あったわ」

二人の言う通り、確かに俺はフィルノーツ士學校での評価に固執はしていなかった。

最低限、績が悪くなり過ぎなければそれでよかった。

平均のし上くらい順位を常に維持しつづけ、卒業まで目立った果を挙げることもなかった。

それを二人はちゃんと知っている。

當然か、散々一緒に過ごしてきたのだから。

「……數人の撃破実績がしかったのは、本當だ」

だからか、俺が何を言おうと二人は嬉しそうに頬を緩ませ、茶化すような表を浮かべてくる。

「はいはい、そういうことにしておくわ」

「アルは素直じゃないからなぁ。績がしいなら、あんなリスクのある行に移ろうとはしないしさ」

──今の発言……全く信用されていないな。

助けに行ったのは間違いない。

績はある程度確保しておきたかったという意識はあったが、あの試験が開始される直前に、誰かに話しかけられた気がした。

誰だったか正確には思い出せない。

しかしあの出來事によって、俺は二人と知り合えた。

──誰にペトラを助けるように言われたんだっけか。

名前が思い出せない。

貴族令嬢だったような気もするが、どうだったか?

「忘れたことを聞かれても……答えられないよ」

故に反論などもまともに出來ず、目を逸らし、小さく呟くしかない。

「そんなに昔のことでもないでしょう」

「そうなんだがな……」

的に二人と俺の時間覚は異なる。

二人にとっては數年前のことでも、俺にとってはそれ以上に昔のことなのだ。

「……最近、仕事が忙し過ぎて記憶力落ちてるんじゃないの?」

逆行した事は決して話せない。

だからこうして、ペトラやスティアーノに要らぬ憶測をされるのは仕方のないこと。

「確かになぁ。アル、お前ちゃんと休んでるか? しは息抜きも必要だぞ」

「それ、散々言われたよ。んな人に……」

「だろうな。お前は目立つくらい至る所で見掛けるから、休んでいるのか不思議なくらいだ」

最近はしっかりと休めている。

週に一日は休日もある。

睡眠時間も以前よりは確保できているし、仕事量も格段に減った。人手の充足によって、調もし前までよりも遙かに良い。

「安心しろ。ちゃんと休んでる」

「ほーん。ならいいけどさ」

スティアーノは俺のことを労わりながらも、深刻そうな言葉遣いは決してしなかった。

書籍版発売されました!

よろしくお願い致します!

特設サイトもオープンしました。

URLはこちらです。

▼─▼─▼─▼─▼─▼

https://over-lap.co.jp/narou/824004109/Default.aspx

    人が読んでいる<反逆者として王國で処刑された隠れ最強騎士〜心優しき悪役皇女様のために蘇り、人生難易度ベリーハードな帝國ルートで覇道を歩む彼女を幸せにする!〜【書籍化&コミカライズ決定!】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください