《【書籍化】男不信の元令嬢は、好殿下を助けることにした。(本編完結・番外編更新中)》〈番外編〉騎士カーティスの波萬丈な二日間⑩
※今日から4日連続、最後まで投稿します。
<これまでの話>
忘れをしたクレアを追って、ノアとカーティスは旅に出た!
二人は、クレアがリリムの街に行ったと知り、後を追うことにした。
空が薔薇に染まり始めた夕方。
カーティスとノアは、丘の上から城壁に囲まれたリリムの街をながめていた。
「あれがリリムの街です」
「ん。やっと到著」
ホッとしたように頷く、今やすっかりカーティスの腕の間がお気にりポジションになったノア。カーティスを見上げた。
「疲れた?」
自分も疲れているだろうに、ノアちゃんは優しいなあ。と思いながら、カーティスは微笑んだ。
「いえ。私は大丈夫です。騎士は遠征が多いですから、旅には慣れております」
「遠征?」
「はい。つい半年ほど前も、國境沿いに沸いた魔獣討伐のために長期遠征しておりました」
「國境?」
「ここよりもずっと西側の、この國と我が國の國境です」
両國の騎士団と魔法士団が力を合わせて魔獣を討伐した話をするカーティス。
ふんふん。と、熱心に話を聞くノア。
カーティスは意外に思った。まさかノアがこんな話に興味を持つとは。
「ノアさん、こういう話に興味があるんですか?」
「討伐に興味はないけど、騎士に興味ある」
カーティスは目を丸くした。ノアが騎士に興味があるなんて初耳だ。
「ノアさんは騎士に興味があるんですか?」
「ん。知り合いに騎士がいる」
「それは、店の前の詰め所にいる騎士ですか?」
「んん。違う。全然違う騎士」
カーティスは目を丸くした。まさかノアにあの詰め所の騎士以外の知り合いがいるとは。
「どのような方なのですか?」
「ん。超かっこいいし、超つよい」
まさかのべた褒めに、カーティスは思わず手綱を握り締めた。
(ノアちゃんがこんな手放しに人を褒めるなんて! くそー! 誰だそいつ!)
軽い嫉妬をじながらも、誰ですか。とも聞けず、モヤモヤした気持ちのまま馬を進めるカーティス。
街のり口に到著すると、街の門番が二人に気に聲をかけた。
「ようこそ! リリムの街に! 二人かい?」
「ああ」
「じゃあ、銀貨二枚だ」
馬から降りて、ポケットから共通銀貨を二枚出して渡すカーティス。
門番は「確かに」と言ってけ取ると、札のような紙を二枚くれた。
「これで三日有効だ。それ以上滯在する時はまた來ておくれ」
「ああ。分かった。ところで、お勧めの宿はないか? 初めてなんだ」
「そうだな……。馬がいるなら、南三區にある南風亭だな。ちょっと高いからそう簡単に埋まらないし、廄があって世話もしてくれる」
「そうか。報謝する」
そっと銅貨を握らせるカーティス。
門番が満面の笑みになった。
「今日は街の祭りがあるんだ。あとししたら人が道に出るから、早めに宿に行った方がいいぞ」
門番に再度禮を言って、馬をひいて街にるカーティスとノア。
ノアが心したように彼を見上げた。
「すごい。宿屋まで分かった」
「いえいえ。慣れですよ」
そう微笑みながら、褒められたことを心の中で小躍りするカーティス。知り合いの騎士の話を聞いてモヤモヤした心が軽くなっていく。
(べた褒めの騎士が誰かは気になるけど、俺は俺で一歩ずつ近づけばいいよな。とりあえず、早く探し人を見つけて、ノアちゃんに安心してもらおう)
門番のアドバイスに従って、宿屋があるという街の南三區に向かう二人。
途中、ノアが鼻をクンクンさせた。
「間違いない。クレアもこの街にいる」
「どこにいるか分かりますか?」
「ん。こっち」
向かう南三區よりもし西側を指さすノア。
「なるほど。もしかすると、そっちの方にある宿に泊まっているのかもしれませんね。宿にった後に行ってみましょうか」
「ん」
宿に到著し、馬を預けて部屋を二つ取った後、二人は、街に繰り出した。
宿のおかみさんが「外から來た観客なら、今日の祭りには絶対に行くと思うよ」と自信ありげに言ったからだ。
目的は人探しだと思いつつも、カーティスは心の中でスキップした。
(ノアちゃんと祭りに行けるなんて夢みたいだ! 初旅で他の街の祭りなんて、絶対に印象に殘るよな! がんばって楽しい思い出にするぞ!)
心の中で気合をれるカーティス。まずは味しいだと、ノアが好きそうなものは売ってないかと、鋭い目で周囲をうかがう。
その橫で、鼻をクンクンさせるノア。街の中心街に向かって指を指した。
「あっち」
「さっきとは逆方向ですね。祭りを見に外出しているのかもしれませんね」
「ん。多分そう。きっと會える」
街の中心地に向かう二人。
薄暗くなってきた街に、街燈がともり始める。心が躍るような楽しげな祭りの音楽が聞こえ始め、それに合わせて人がどんどん増えていく。
(いいねえ。祭りってじで! でも、このまま人が増えたら、ノアちゃんが人ごみに流されちゃうよな)
並んで歩けないのは殘念だが、彼の安全を優先すべきだろう。
「ノアさん。人が多くなってきましたから、私の後ろを歩いてもらえますか」
「ん。了解」
カーティスの言葉に、こくりと頷くノア。彼の後ろに回ると、彼が守るように差し出した左手の親指を摑んだ。
(……!)
思わずを固くするカーティス。
バッと後ろを振り向くと、ノアが不思議そうな顔をして彼を見上げた。
「はぐれると困る」
「そ、そうですね」
カーティスは思わず天を仰いだ。
(ぐあああ! 手! 手つなぎ! しかも握り方超かわいい!)
実を言うと、祭りのカップルを橫目で見て、ちょっと手とか繋ぎたいなーとは思っていた。
しかし、今は人探しの任務中だし、いくら何でもそれはないだろうと諦めていた。
そんな時に、ノアからの手つなぎ。嵐のような心臓のきに全がバラバラになりそうだ。
憤死寸前のカーティスに、「右の方」と指示するノア。
分かりました。と、歩きながら、カーティスは必死で息を整えた。
(今は人探し! 人探し! 任務中だ! ノアちゃんにいいところ見せるんだろ、俺!)
彼は何とか平常心に戻ると、なるべく普段通りに尋ねた。
「どうですか? 近づいてきていますか?」
「ん。かなり」
「方向はこのままで良いですか?」
「ん。もうちょっと右」
祭りの中央部分を橫切る二人。そして、屋臺通りを抜けようと歩いていた、その時。
突然、ノアが握る力が強くなった。
「いた! クレア!」
本作の書籍版が、一迅社様より【3月2日】に発売されることになりました!
全の1/4にあたる3萬字ほどの加筆を加えておりまして、書籍限定書き下ろしに加えて、下記容が追加されています。
・ジルベルトの暗躍
・ジュレミの魔の店と、ノアとジュレミのおしごと
・追い詰められる王妃
・実は意外と腹黒い、ジルベルトの妹ローズ
・ジルベルトとクレアのいちゃいちゃ♡
などなど
特に、クレアとジルベルトのシーンはかなり加筆しております♡
そして! 鳥飼やすゆき様のイラストがとても素晴らしいです!
(下の方にスクロールして頂きますと、書影が見れます)
特に、クレアの可さと、ジルベルトの格好良さがたまりません!
是非お手にとって頂けると嬉しいです! (♡ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
私たちだけ24時間オンライン生産生活
VR技術が一般化される直前の世界。予備校生だった女子の私は、友人2人と、軽い気持ちで応募した醫療実験の2か月間24時間連続ダイブの被験者に當選していた。それは世界初のVRMMORPGのオープンベータ開始に合わせて行われ、ゲーム內で過ごすことだった。一般ユーザーは1日8時間制限があるため、睡眠時間を除けば私たちは2倍以上プレイできる。運動があまり得意でない私は戦闘もしつつ生産中心で生活する予定だ。まずは薬師の薬草からの調合、ポーションづくり、少し錬金術師、友達は木工アクセサリー、ちょびっとだけ鍛冶とかそんな感じで。 #カクヨムにも時差転載を開始しました。 #BOOTHにて縦書きPDF/epubの無料ダウンロード版があります。
8 98【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔術師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ
第一部完結。 書籍化&コミカライズ決定しました。 「アンジェリカさん、あなたはクビです!」 ここは獣人は魔法を使えないことから、劣等種と呼ばれている世界。 主人公アンジェリカは鍛錬の結果、貓人でありながら強力な魔法を使う賢者である。 一部の人間たちは畏怖と侮蔑の両方を込めて、彼女を【劣等賢者】と呼ぶのだった。 彼女はとある國の宮廷魔術師として迎えられるも、頑張りが正當に認められず解雇される。 しかし、彼女はめげなかった。 無職になった彼女はあることを誓う。 もう一度、Fランク冒険者からやり直すのだ!と。 彼女は魔法學院を追いだされた劣等生の弟子とともにスローな冒険を始める。 しかも、どういうわけか、ことごとく無自覚に巨悪をくじいてしまう。 これはブラック職場から解放された主人公がFランク冒険者として再起し、獣人のための魔法學院を生み出し、奇跡(悪夢?)の魔法革命を起こす物語。 とにかくカワイイ女の子+どうぶつ萬歳の內容です。 基本的に女の子同士がわちゃわちゃして、ドタバタして、なんだかんだで解決します。 登場する獣人のイメージは普通の人間にケモミミと尻尾がついた感じであります。 ところどころ、貓や犬やウサギや動物全般に対する獨斷と偏見がうかがえますので、ご注意を。 女性主人公、戀愛要素なしの、軽い気持ちで読める內容になっています。 拙著「灼熱の魔女様の楽しい溫泉領地経営」と同じように、ギャグベースのお話です。 評価・ブックマーク、ありがとうございます! 誤字脫字報告、感謝しております! ご感想は本當に勵みにしております。
8 57クリフエッジシリーズ第二部:「重巡航艦サフォーク5:孤獨の戦闘指揮所(CIC)」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一二年十月。銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國では戦爭の足音が聞こえ始めていた。 トリビューン星系の小惑星帯でゾンファ共和國の通商破壊艦を破壊したスループ艦ブルーベル34號は本拠地キャメロット星系に帰還した。 士官候補生クリフォード・C・コリングウッドは作戦の提案、その後の敵拠點への潛入破壊作戦で功績を上げ、彼のあだ名、“崖っぷち(クリフエッジ)”はマスコミを賑わすことになる。 時の人となったクリフォードは少尉に任官後、僅か九ヶ月で中尉に昇進し、重巡航艦サフォーク5の戦術士官となった。 彼の乗り込む重巡航艦は哨戒艦隊の旗艦として、ゾンファ共和國との緩衝地帯ターマガント宙域に飛び立つ。 しかし、サフォーク5には敵の謀略の手が伸びていた…… そして、クリフォードは戦闘指揮所に孤立し、再び崖っぷちに立たされることになる。 ――― 登場人物: アルビオン王國 ・クリフォード・C・コリングウッド:重巡サフォーク5戦術士官、中尉、20歳 ・サロメ・モーガン:同艦長、大佐、38歳 ・グリフィス・アリンガム:同副長、少佐、32歳 ・スーザン・キンケイド:同情報士、少佐、29歳 ・ケリー・クロスビー:同掌砲手、一等兵曹、31歳 ・デボラ・キャンベル:同操舵員、二等兵曹、26歳 ・デーヴィッド・サドラー:同機関科兵曹、三等兵曹、29歳 ・ジャクリーン・ウォルターズ:同通信科兵曹、三等兵曹、26歳 ・マチルダ・ティレット:同航法科兵曹、三等兵曹、25歳 ・ジャック・レイヴァース:同索敵員、上等兵、21歳 ・イレーネ・ニコルソン:アルビオン軍軽巡ファルマス艦長、中佐、34歳 ・サミュエル・ラングフォード:同情報士官、少尉、22歳 ・エマニュエル・コパーウィート:キャメロット第一艦隊司令官、大將、53歳 ・ヴィヴィアン・ノースブルック:伯爵家令嬢、17歳 ・ウーサー・ノースブルック:連邦下院議員、伯爵家の當主、47歳 ゾンファ共和國 ・フェイ・ツーロン:偵察戦隊司令・重巡ビアン艦長、大佐、42歳 ・リー・シアンヤン:軽巡ティアンオ艦長、中佐、38歳 ・ホアン・ウェンデン:軽巡ヤンズ艦長、中佐、37歳 ・マオ・インチウ:軽巡バイホ艦長、中佐、35歳 ・フー・シャオガン:ジュンツェン方面軍司令長官、上將、55歳 ・チェン・トンシュン:軍事委員、50歳
8 155【書籍化決定】前世で両親に愛されなかった俺、転生先で溺愛されましたが実家は沒落貴族でした! ~ハズレと評されたスキル『超器用貧乏』で全てを覆し大賢者と呼ばれるまで~
両親に愛されなかった男、『三門 英雄』 事故により死亡した彼は転生先で『ラース=アーヴィング』として生を受けることになる。 すると今度はなんの運命のいたずらか、両親と兄に溺愛されることに。 ライルの家は貧乏だったが、優しい両親と兄は求めていた家庭の図式そのものであり一家四人は幸せに暮らしていた。 また、授かったスキル『超器用貧乏』は『ハズレ』であると陰口を叩かれていることを知っていたが、両親が気にしなかったのでまあいいかと気楽な毎日を過ごすラース。 ……しかしある時、元々父が領主だったことを知ることになる。 ――調査を重ね、現領主の罠で沒落したのではないかと疑いをもったラースは、両親を領主へ戻すための行動を開始する。 実はとんでもないチートスキルの『超器用貧乏』を使い、様々な難問を解決していくライルがいつしか大賢者と呼ばれるようになるのはもう少し先の話――
8 65《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って來いと言われても、もう遅い……と言いたい。
おのれ、勇者め! 世界最強の強化術師(自稱)である、このオレさまをパーティ追放するとは、見る目のないヤツだ。 「パーティに戻ってきてください」と、後から泣きついても遅いんだからな! 「今さら戻って來いとか言われても、もう遅い!」 いつか、そのセリフを吐きつけてやる。 そのセリフを言うためだけに、オレの冒険ははじまった。
8 194クラス転移、間違えました。 - カードバトルで魔王退治!? -
カードバトル。それは、少年少女が駆け抜ける"夢の軌跡"。 季節は春。5月1日の暖かな時期。 修學旅行のスクールバスに乗る2年4組の生徒達は、謎のドラゴンと遭遇する。バスごと生徒らを連れ去るドラゴン。彼が向かった先は、とある美しい宮殿だった。 なんと! 2年4組の生徒は、契約により異世界に召喚されていた。そして、彼ら彼女らの知らぬ間に、魔王討伐の誓いを結ばれていたのだ。しかも話によると、その契約は手違いで、2年4組でなく、2年1組を召喚するはずだったとか言って、ふざけるなと激怒!! 権力も金もコネも力も無い、ただの高校生。そんな2年4組達が、魔王を倒す手段は『カードゲーム』での真剣勝負!? 超個性的なクラスメイト達が送る、全く新しいクラス転移ファンタジー! 果たして2年4組の生徒達は、無事に元の世界に帰還することができるのか!! ※第14話、デュエル回です。
8 118