《化けになろうオンライン~暴食吸姫の食レポ日記~》ぴこーん(何かのフラグが立った音)

なんとなしに空中にでかでかと掲げられたステータスを見ていく。

書かれているのは私の名前、レベル、ステータス各種にスキルだ。

日本語で書かれているが……これはどういう事だろう。

私に合わせて日本語表記なのか、この世界の公用語が日本語なのかわからないな……あ、いや、この真っ二つの人が日本語で喋ってたっけ。

口のきもずれが無かったから異世界特有の謎翻訳ではなさそう。

しかしこのステータスは妙だ。

「全部の數字が65535で止まってる……私そんな用貧乏だっけ」

どこかで見覚えのある數字だけど、どこで見たんだっけなぁ……。

とりあえずこんな奇麗に同じ數字になるのはおかしい。

私は伊皿木家の中じゃ確かに用貧乏だけどさ、それにしても得手不得手はある。

辰兄さんほど頑丈じゃないし、刀君ほど力もない。

呪いに関して言えば永久姉や羽磨君の方が上だ。

なのに魔法に関するステータスも、防力も、HPも、攻撃力も、全てが65535で……あっ!

「16bitか! 手抜きじゃない!」

1980年代から90年代のゲームで使われた數字よこれ。

昔ゲームの歴史を取材した時に見たやつだわ……なんか倒産した會社が捨てるにもお金がかかるからってゲームソフトを不法投棄したとかなんとか。

それを探し當てた人に取材した時の奴だ!

第一発見者は既に鬼籍だったけど、その後數か所に分けて埋められていたのが判明して5番目に見つけた人に取材に行った時の記憶がよみがえってきたわ!

あの時はなんだかんだで紛爭地帯まで行って超電磁砲で打ち抜かれたんだっけ……懐かしいなぁ。

あ、ゲームはつまらなかったですはい。

「だとすると……カンストした狀態で書かれてるのかな? というかこのピカピカってる部分……」

スキルと表記された場所がっている。

一昔前のラノベとかだとれるか念じるのよね。

けど理判定があるという事はればいいのかな?

「よっこいしょっと」

結構高い所にあったのでジャンプして手のひらでれてみる。

が、何も起こらない……のでちょっと力を込めて毆ってみた。

ぱりーんと軽い音がしてステータス畫面が割れただけだったわ……。

「じゃあ念じるのかな?」

頭の中でスキルと唱えてみると畫面が変化した。

しかしは開いたままである。

そしてそこには一つ、でかでかと表示された【アンノウン】の文字。

……せめて英語表記にしてほしいなぁ、こういうの。

雰囲気が臺無しだ。

ついでにゲーマー的に言わせてもらうなら攻撃力とか防力じゃなくてSTRとかで表記してほしかった。

ダメだし始めるときりがないわねこの世界。

「という過去の割れた部分って修復できないのかな……ん?」

じっと割れたステータス畫面を見つめていると中はグルグルと闇が渦巻いていた。

その奧から骸骨の手がぬっと出てきたかと思うと、ゆっくり何かの影が出てくる。

一言で表現するなら……死神かな?

黒いボロボロのローブに大鎌もっている骸骨。

隠しコマンド的なあれかな。

「クケカカカカカカカカカカ」

「うわ、うるさっ」

妙な聲を上げて笑うそれを、咄嗟にぶん毆った私は悪くない。

頭蓋骨が砕された死神だったが、逆再生のように頭部が戻っていく。

うーむ、厄介な敵みたいだ。

理攻撃が効かないとなると面倒なのよね。

「えーと、とりあえず魔法でほいっ」

暇つぶしに覚えた魔法を行使してみる。

炎の魔法、ただ火柱が上がるだけので日本じゃ登山中にけなくなった人が狼煙の代わりに使う魔法だ。

子供のお遊び覚で使われたりもして、でかいカエルなんかを焼くのに使われている。

奧様方も害鳥扱いされてるドラゴンを撃退するのに使ってるわね。

「グゲガガガガガガガガガガガガ」

けれどそんな炎をものともせず……とは言わないけど、ローブは燃え盡き鎌は溶け、それでもなお骸骨がこちらに歩みを進めてきた。

なんか、骨が焼ける臭いでお腹減ってきた。

「いただきます」

これで止まらないなら仕方あるまい。

目の前の骸骨を摑んで齧ろうとした瞬間、れた部分から何かが吸い取られるような覚がした。

けど微々たるものなので無視して頭蓋骨に噛みついて咀嚼。

ふむ、ポリポリと骨せんべいみたいで味しいわね。

できるならもうちょっとコクがあった方がいいんだけど……あ、さっき真っ二つにした人がいたか。

骸骨の頭上でその塊を絞って、のソースをかけて、ついでに持參したマヨネーズをぶちまけて齧る。

うん、やっぱり味しいわ。

なんだろう、豚骨をそのまま齧ったじ。

味わい深いけどしっかり咀嚼しないとわからない味。

そうしているうちに骸骨を食べきってしまったので手を合わせる。

「ごちそうさまでした」

味しかったけどまだお腹は満たされていない。

正直心臓と骸骨だけじゃねえ……かといって街中で住民の亡骸を食べるのもどうかと思うし。

となると、彼らのお財布を拝借してどこかのお店でご飯でも食べようかしらね!

ぼりぼり(何かのフラグが食われた音)

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