《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》175話 破滅ルート? 3

「殿下、お答えくださいませ……。殿下は……、私をしてくださっていたはずです……。なのに、なぜこのようなことを……?」

「真実のに目覚めただけだ。アリシア嬢こそ、俺の運命の人なんだ」

エドワード王子は最後にそう呟いたかと思うと、剣を勢いよく振り下ろした。

イザベラに出來ることは、靜かに瞼を閉じることのみ。

こうして、迷い人の記憶が混じりこんだイザベラの人生は幕を閉じた。

――――……はずだったのだが。

「……あれ?」

いつまで待っても、イザベラは死を迎えていなかった。

恐る恐る目を開けると、そこには信じられない景が広がっていた。

「……殿下?」

イザベラの前に立っていたのは、エドワード王子。

だが、イザベラに対して振り下ろされたはずの剣は、なぜかエドワード王子自の腹に深々と突き刺さっていた。

狀況を理解できずに困するイザベラ。

「ぐっ……、かっ……!」

対するエドワード王子は、苦しそうな表を浮かべながらもイザベラを見據えていた。

まるで何かを訴えかけるような眼差しである。

「一何が……?」

「イザベラ、この場から離れてくれ……」

「……いったい何を仰っているのです!?」

不可解であった。

イザベラを処刑するべく剣を振り上げたのはエドワード王子の意思。

それなのに、今度はイザベラに対して逃げるように言うのだから。

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