世界の強制力によって、バッドエンドルートにってしまったイザベラ。

元よりそういう運命だったのだ。

しかしエドワード王子とフレッドは運命に抵抗し、抗った。

二人は自らのを犠牲にすることで、イザベラの命を繋ぐことに功したのである。

「エドワード殿下！　フレッドーッ！！」

イザベラの悲痛なびが響く中、やがて二人のから力が抜けていく。

そして二人の意識は完全に途絶えた。

「……悲しんでいる場合じゃないわ。私にはやることが殘っていますものね」

イザベラはそう呟くと、この場から逃げるべく立ち上がる。

フレッドからけた毒の影響が消えた今、なんとか歩ける程度の狀況にはなっている。

だが、そんな彼の前に一人のが姿を現した。

「イザベラ様！　ご無事ですか！？」

「あ、アリシアさん……」

それは男爵令嬢アリシア・ウォーカーであった。

かつてのイザベラと彼は、とても仲の良い親友だった。

しかしそれぞれが闇の瘴気に侵されてからというもの、彼達はエドワード王子からの寵を得るべく爭っていた。

を案じるような間柄ではないはずだが――

「今すぐここから逃げましょう。あちらに馬車を用意しています」

「……えぇ、わかったわ」

アリシアは、かつての親友に手を差しべた。

それを見たイザベラは、戸いつつもアリシアの手を取る。