《【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…》105.無能王子は國民のやる気を引き出す(圧制)

【★お知らせ】

無能王子、ラノベ3巻がでます!

5月発売です!

『おせええええええええええええええええええええよ!!!!』

ある日のこと。

大ダーク帝國、帝都カーターにて。

白貓のロウリィが、突如としてびだしたのだ。

「あん? 何がおせえんだよ? ろりえもん」

『更新が遅いんすよ!!!! 何が定期更新っすか! もう前回から3か月っすよ! さーんーかーげーつ!』

しゃー! とロウリィがしっぽを立ててぶ。

ははん?

「そうかロウリィ。さては発期だな? 貓だもんなしょうがない」

『しゃー!』

期じゃあしょうがねえな。

俺はロウリィの額に……。

「でこ、ぴん」

どがん!

『ふんぎゃぁああああああああああああああああああ!』

くるくるすっとんでいって、壁に激突。

大きな音を立てて、本棚を崩す。

「なにするんすか!?」

がば、と本の山を崩して出てきたのは、白髪の貓耳、ロウリィ。

「おまえが遅いとか更新とか、わけわかんねーことのたまってたから、眼ぇさましてやろうとおもってな」

「はえ? 遅い? 更新? なんのことっすか」

「まあ気にすんな」

期じゃあしょうがねえしな。

さて。

「ろりえもん」

「なんだいノアッチ太くん?」

場所は、帝都カーターにあるお城だ。

執務室には俺とロウリィの二人きり。

「この國……いつ潰れるのかな?」

「晴れ晴れとした顔で滅亡願ってんじゃねーっすよ」

だってさ、だってさぁ……!!!!!

「俺、楽隠居したいのに! なーんか世界統一國家の、トップになってんだもぉおん!」

そう、かつてこの世界にはたくさんの國があった。

しかーし、今はこの大ダーク帝國が、すべてを飲み込み、世界の國は1つにまとまってるのである!

「なんでこんなことになったのかなぁ?」

「馬鹿殿さまのせいっすね」

「なにぃ! 馬鹿殿だとぉ!」

「さすがに言いすぎたっすかね?」

「そいつが犯人か! 連れてこいロウリィ!」

「ああ、良かった馬鹿《シングルタスク》殿さまで」

そいつが犯人だ!

馬鹿殿とやらを連れてこいや!

「まー、でもいいんじゃないっすか? 世界は一つにまとまって、今ちょー平和なんすから」

「そうなん?」

ロウリィはうなずいて、指を立てて言う。

「前は國家間で小さな小競り合いとか、種族の違いによる戦爭とか、けっこーあったんすよ。でも今はそれがない」

「なんで?」

「みんなノア教の信者っすからね」

ノア教……つまり俺を神としてあがめてるため、世界はまとまってるわけだ。

ちくしょう! なんてこった!

「平和が一番っすよ」

「ばっかやろう! そのせいで俺にかかる負擔が大きくなるじゃあないか!」

「面倒仕事全部、サラさんとナベたんとサブリーナちゃんくんに任せてるくせに……」

まあ確かに、細かい部分はサラとか、頭のいい奴に、仕事は丸投げしてる。

しかーし! 承認決定権は全部俺にあるのである!

「世界中の決め事のハンコを俺がおさないといけない。めんどっちい」

「それくらいやれよっすよ……」

「いやじゃー! 俺は働かずにぐーたらしたいんじゃー!」

すべての面倒事を放り投げて、逃げたとしても、無駄だ。

今この世界は大ダーク帝國で統一されてしまってる。

逃げ場は……ない!

「くっそ、どうすれば俺は楽になれるんだ……」

「呼吸を1時間くらい止めればいいんじゃないっすかね?」

「ばっかやろう!」

「ああ、さすがに死ねは失禮だったすね」

「1時間くらい余裕で止められるわ!」

「どうして馬鹿《シングルタスク》に無駄な力って備わってるんすかね……」

とーにーかーく!

俺は楽隠居したいの!

「ということで、久々に……」

「さ」

「さ!? なにそれ」

「なんかもうさノって言うのもめんどくて」

「ノくらい言えや! あとまださノすんじゃねえ!」

さノとは、さすがですノアさまの意味。

なんかやらかすと、だいたいさノされてしまうんだよな。

「今日の作戦は、やばいぞ」

「あんたの作戦がやばくないとき一度もないんすけど……」

「サラたちを呼べ! ろりえもん!」

ややあって。

「ノアさまどうなされたのですか?」

青髪の婚約者サラディアスことサラを筆頭に、腹心の悪魔ナベリウス、そして商人のサブリーナ・エチゴーヤを呼ぶ。

「またバカやるんだろ」

「しゃらっぷナベリウス!」

ふぅ、とナベの野郎が肩をすくめる。

くくく、聞いて驚けよ。

「帝王として命じる! 國民の稅を……2倍、いや、3倍に引き上げろ!」

「な!? 何言ってるんすか! 3倍って!」

驚くロウリィ。

くくく、これも俺の無能ムーヴよ!

稅率を3倍に引き上げると、さすがに帝國民たちも、怒るだろう。

そうすれば不満が噴出し、俺に反を起こすって寸法だ!

しゃしゃしゃ! どうだ!

「わかりましたわ!」

あ、あれぇ……? あっさりと認めてる?

「帝國民に今すぐ、伝えてきます!」

サブリーナとサラのやつが、うなずくと、部屋を出ていってしまった。

あ、あれなんかあっさり……?

「く、くくく! まあいい。これで強権発からの、國民の怒り発! 反を起こしてノア政権は失墜!」

「「はいはい、SS」」

ペットどもがあきれたように言う。

「なんだよSSって?」

「さノ×2っす」

「もはやアルファベット!?」

省略しすぎだろ!

ナベがあきれたように言う。

「いちおう聞いとくけど、3倍に稅を増やしたのってどういう意図なのだ?」

「m」

「あ、もういい。わかった」

「アルファベットしか言ってないでしょ!?」

「どうせ無能ムーヴだろ。はいはいSS」

ちくしょう、馬鹿にしやがってアニマルどもめ!

ま、まあいい……さすがに3倍の稅をもとめれば、帝國のなかで嫌がるやつが出てくるだろう!

勝ったな! がはは!

「「「SS!!!!!」」」

「おまえらもかぁああああああああああああああ!?」

サラとサブリーナのやつが、笑顔でやってくる。

「ノア様、さすがでございます!」

「いやだからなに!?」

「外をご覧ください!」

外だぁ……?

俺は窓を開けて……。

「なんじゃありゃぁあああああ!?」

帝城の庭には、莫大な量の金貨が収められていた!!!!

どうなってるのぉ!?

「帝國民たちが、喜んで、5倍の稅を払いました!」

「5ぉ!? なんでぇ!?」

三倍でもおかしいのに、なんで五倍を!? しかも自ら進んで!?

「やはりノア様は深い考えの持ち主です。この國の問題を、解決してくださるのですから」

大商人にして、今は宰相の、サブリーナ・エチゴーヤちゃんくんが言う。

も、問題?

「現在、この國は停滯した空気がただよっていたのです」

「停滯?」

「世界が統一されたことで、競爭意識というものが消えていたのです」

競爭意識!?

「あー、たしかにみんなノア教信者になったっすからね。爭いみたいなの起きないっす」

「でもそこに、ノア様が金を多く納めろ、と命令した。一見すると無理難題ですが、課題を與えられたことでみんなにやる気を出させ、結果、世界経済が超活されたのです!」

と、サラ。

な、なんてこった!

そんな問題があったとは!!!!!!

「やはり、ノア様は素晴らしい眼力のもちぬしです。あえて高いハードルを出させれば、國民たちが自ら進んで、ハードルを飛び越えてくれると信じて、無理難題を押し付けたのですわ!」

単に嫌がらせだったんだけどぉ!?

「くそぉおおおお! どうしてこうなるんだよぉおおおおお!」

《ロウリィSide》

ノアが頭を抱えてる橫で、ふと、ロウリィは気づいた。

「あれ? 一番の狂信者はどこいったんすかね?」

言うまでもなく、リスタのことだ。

黒犬ナベリウスに尋ねるも、カノジョも首をかしげる。

「そういえば、最近リスタを見かけないな」

「ねー。どうしちゃったんすかね」

【★新作の短編、投稿しました!】

タイトルは――

『迷宮の聖は魔達から溺されてる~追放された私、奈落の森に捨てられるも、神に祈りを捧げていたら、いつの間にかそこが聖域化していた「國が亡びるからと王子が君を連れ戻しに來たけど撃退しといた」』

ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

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