《【第二部連載中】無職マンのゾンビサバイバル生活。【第一部完】》23話 激戦!東地區のこと 後編

激戦!東地區のこと 後編

「とにかくここから下りるぞイチロー」

「了解!」

アニーさんと顔を見合わせ、俺達は同時に行を開始した。

「ギャバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

おいおい、隨分速いじゃないか。

時速30キロくらい出てない?

近所の家の屋に突き刺さった赤く點滅するアンテナみたいなもの。

ネオゾンビ(仮稱)は、明らかにその方向目掛けて一直線にこちらへ來ている。

最後に確認した時は500メートルはあったが、この様子じゃあっという間にこっちへ來るな。

「よっと、しかし、なんでアレに引き寄せられてるんですかね・・・っと!」

排水パイプに手をかけ、壁を蹴りながら地面まで下りる。

「さてな、ひょっとしたら超音波のようなモノでも発しているのかもしれん・・・なっ」

俺に引き続き、アニーさんも著地。

のこなしが鮮やかである。

「先程の音に対する反応を見るに、その線が濃厚かもな」

「超音波ってーと、人間には聞こえない音域とかそういうのでしたっけ?うーむ、それで導してんのかな」

會話をしながらも、きは止めない。

小走りで庭から出て、路地へ戻る。

「よし、推察は後だ。とにかく造船所へ向かおう・・・走るぞイチロー!」

「がってん!!」

とにかく、ここから一刻も早く離しなければ!

ネオゾンビはもちろん、さっきの軍人たちが帰って來るかもしれんのだ。

アイツらは逃げたか、それとも増援を呼びに行ったのかわからんしな!

というわけで、俺達は橫一列に並んで走り出した。

先程の騒ぎのせいでゾンビを気にする必要がないのが、唯一の救いである。

ここから目的地の造船所までは、およそ1キロあるかないか。

全力疾走とはいかないが、それくらいの距離ならなんとか頑張ってみるか!

頑張れ俺の心肺機能!!

「前方の!水路を!」

「どっち!ですか!」

「左折!その先に橋がある!!」

アカン超しんどい。

アニーさんと息を弾ませながら話しつつ、ひいこら走る。

・・・なにくそ、アニーさんはクソ重い裝備をに著けてるんだ。

俺が先に弱音を吐くわけにはいかん。

・・・俺も刀とか重いけど。

前方に水路が見えてきた。

よし、コイツを左折―――

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

後ろから聞こえる咆哮。

デカい聲だなあ、カロリー消費半端なさそう。

・・・そういえばゾンビって、俺達みたいに熱量消費して生き?てんのか?

飲まず食わずでずっと活できるなんて・・・出鱈目な生きだぜ、ホント。

あ、でも脳味噌とか人は喰うんだよな・・・マジでわけわからん。

「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

・・・なんだろう、この違和

いや、もう薄々付いているんだけどさ。

なんというか、認識したくない。

「ギャシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!ガガガガガガガガガッ!!!!」

・・・うん。

はい、はいはい。

よくわかったよ!

「アニーさん!まさかとは!思いますけど!!」

「ああ!ああ!!神よこの糞野郎!!そのまさかだ!!!」

俺の質問に、アニーさんは神への罵倒で間接的に答えた。

「―――あのバカ追ってくるぞ!!!」

水路に面した路地を左折する時に、元來た方向を一瞬確認。

そこには、例のアンテナをがっしりと握って俺たちの方へ恐ろしい勢いでダッシュしてくるネオゾンビの姿が!!

・・・神よてめえ!!

もう許さねえぞ!!!

っていうかなんでだよ!なんでこっちの存在に気付いてんだよ!!

俺達別に毒電波とか発信してるわけじゃねえぞ!?

・・・ないよね?

「造船所までは!?」

「まだ半分以上ある!!」

畜生!!

到底逃げられる距離じゃない!!

車並みとは言わんが、ネオゾンビは原付並みのスピードで追いかけてくる!

いかに文系の俺と言えど、それくらいの計算はできるのだ!!

「・・・しょうがねえ!」

路地を左折した先は、それなりに広い道路というか通路。

しばらく走ってから、俺は足を止めた。

「イチロー!?」

俺のし先で、アニーさんも止まる。

「どの道逃げ切れる距離じゃありません!それに、このまま逃げ続けたら消耗しきった時に追いつかれることになっちまう!!」

それは最悪だ。

走ってヘトヘトな狀態でネオゾンビと戦うとか、自殺の同義語じゃねえか。

・・・どうせ逃げ切れないんだ。

なら、せめて力の殘っている今!ここで!!

「―――覚悟、決めるかぁ!」

腰の兜割を引き抜きながら、勢いよく振り返る。

あの時と違って、ここには後藤倫先輩も古保利さんもいない。

榊ソードも、月影流謹製の謎薬もない。

しかも全の傷はまだ塞がっていない。

―――だけど、やるしかない。

「アニーさん!これを!」

スタンバトンを後方に放り投げる。

音から察するに、ちゃんとキャッチしてくれたようだ。

「気休め程度でしょうけど、萬が一近接戦になった時は使ってください!!」

正直、兜割以外の武裝を使っている暇がないからな。

それならアニーさんの護用に回した方がいい。

「・・・援護は任せろ、イチロー!」

「無理しないでくださいね!アレが前に戦った個と同種だとすると、かなり賢いです!投擲とかの遠距離攻撃には十分注意して!!」

「了解した!ゾンビではなく人間だと仮定して當たる!!」

そこまで會話したあたりで、路地の影からネオゾンビが飛び出してきた。

「グルルルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウアッ!!」

奴はすぐさまこっちに視線を向けると、明らかに俺の顔を睨みつけながら吠えた。

ヘルメットで視線まではわからんが、確実にこっちを見ている。

・・・隨分気にられたもんだ。

『みらいの家』から記憶とか引き継いでない・・・よな?

アレの中が鍛治屋敷が回収したのと同じとは限らんが。

「ガアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!」

なにやらハイテクなヘルメットを・・・というか顔の上半分を覆う仮面?をしたそいつは、手に持ったアンテナをブンブン振り回しながら凄まじい勢いで向かってくる。

アレで制してたのかな。

SF映畫に出てきそうな、なんというか洗練されたじだ。

アイツらの技力っていうか、加工力?がよくわかるな・・・設備も整っているらしい。

でも、できれば口も塞いでおいてくれないかなあ。

むっちゃうるさくて困る。

加速力は黒以上。

頭の良さは白黒以上。

あーあー、やだやだ。

「っふ!」

息を吸い、短く鋭く吐き出す。

「・・・さあ來い新型ァ!!」

「ギャガアアアアアアアアアアアッ!!!!」

俺に吠え返すネオゾンビに向け、地面を蹴って飛びこむ。

「―――南雲流ッ!!」

お互いの速度で、間合いは瞬く間にまる。

「―――田中野一朗太ァ!!!」

ネオゾンビが走りながらアンテナを振り上げる。

近くで見ると、結構頑丈そうだ。

そりゃそうか、屋に突き刺さっても無事だったんだし。

「ギャッガガガガッガッガッガ!!!!!」

対する俺の構えは、切っ先を後方に逸らした変則の脇構え。

「―――參る!!!!」

轟音と共に振り下ろされるアンテナを斜め前方に躱しつつ、速度を乗せた兜割をがら空きの板に叩き込んだ。

まるで鉄柱を叩いたような、質の手応え。

相変わらずいなあ、畜生!!

「ゴウラアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

後方へ駆け抜けた俺を追うように、ネオゾンビが振り向きながらアンテナで薙ぐ。

「っふ!!」

地面に沈んでそれを躱しながら、ネオゾンビの足の指を狙って兜割を振り下ろす。

金屬音と火花が散るも、親指は無傷!

そのまま後方へ倒れ込むように回避し、距離を取る。

下段に構え直し、迎撃の勢。

・・・よし、手に痺れはない。

上手に力を抜けたようだ。

「ガッガアアアアア!!!ガガガガガガ!!!!!」

吠えるネオゾンビの延髄付近から、連続して火花が散った。

恐らくアニーさんの銃撃だ。

それを確認するように、ネオゾンビが振り返る作に合わせて踏み込む。

「よそ見、してる暇っ!あんのかァ!!」

下段から上段に兜割を旋回させ、遠心力を生み出して斬り下げ。

再び、親指に叩き込む。

クッソ!ちょっとヒビがっただけか!!

・・・だが、壊せることは確認した。

だったら完全にぶっ壊れるまでぶん毆り続けるだけだ!!

「グルルルルル!!!ガッガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ネオゾンビが再び俺に注意を向けるが、もう俺は間合いにいない。

またも後方へ退避済みだ。

「ギギギギギ!!!ギャシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

吠えながら、ネオゾンビは再び薙ぐ軌道でアンテナを振る。

は、馬鹿もといゾンビの一つ覚え・・・じゃ、ない!!

先程より振る軌道が低い!!

俺が沈んで回避したのを學習したのか!?

ああもう、賢いって忌々しいなあ!!

「っふ!」

今度は沈まず、バックステップで回避。

目の前をアンテナの先端が通り過ぎた瞬間に、鋭く踏み込む。

「しゃぁあッ!!!!」

びきったネオゾンビの、手首を狙って小手打ち。

相変わらずの質のだが、積み上げていればいつかは壊れる!

・・・その前に、俺がくたばらなきゃな。

再びバックステップ。

俺とネオゾンビの距離が開いたとほぼ同時に、奴の膝裏付近からまたも火花が散る。

・・・アニーさん、俺が関節狙いなことに気付いて撃で援護してくれているのか!

さすが元特殊部隊・・・神崎さんに勝るとも劣らない腕前だ。

「ギャッガガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

吠えながら振り返るネオゾンビに合わせてま踏み込―――まない。

踏み込んでいた場合の俺の未來位置を、アンテナが薙ぐ。

それを確認し、再度小手を打つ。

そしてバックステップで離

・・・思った通りだ、コイツ。

學習してやがる。

それも、かなりの速度で。

「グルルルルル・・・!!!」

ネオゾンビがきを止める。

低く唸りながら、俺を観察しているようだ。

「どうしたァ?いくらでもそうしてていいぞ・・・休めていいからなァ!!」

兜割を緩く旋回させ、構えを切り替える。

下段、正眼、脇、八相。

そして上段へ。

「ガガガガ・・・!?アガアアアアアアアアアアアアアアッ!!!ガガガガガガガガガ!!!!」

俺のきを見ていたネオゾンビの背中側に銃弾が襲い掛かる。

今度は肘と・・・延髄か。

あまり効いてはいないように見えるが、それでも鬱陶しいようだ。

「ギャバアアアアアアアアアアッ!!!ガガッガアアガアアアアアアアア!!!!!」

奴は焦れたように吠えながら振り向くも、アニーさんの姿はない。

俺もどこにいるかわからん。

というか、撃ったらすぐに移しているようだ。

道路上に姿はないから、住宅地のどこかにいるんだろうが・・・

『みらいの家』の時と違って、四方に隠れる場所もたくさんある。

目前には俺がいるし、易々とは見つけられんだろう。

そして、今度は俺が踏み込む。

「隨分と余裕があるんだ・・・なぁあ!!」

「ッギ!?・・・ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

踏み込みの重を乗せた突きが、膝裏に突き刺さった。

アニーさんの銃撃で僅かに破損していたその場所は、放狀のヒビを大きく生じさせた。

・・・よし!!

吠えるネオゾンビのふくらはぎを蹴り付け、後方に勢いよく跳躍。

今度は先程より鋭い薙ぎ払いがやってきたが、問題なく回避。

「ググググググ・・・ギャギャガガアアアアアアアアアアアアッ!!!ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

ネオゾンビが天を仰いで咆哮する。

聲に、怒りのがあった。

どうやら両方向からチクチクされてキレ始めたらしい。

ケケケ、怒れ怒れ。

冷靜さをどんどん失うがいい。

コイツは、學習する。

長する言ってもいい。

通常のゾンビにはあり得ないことだ。

だが、それが必ずしも強みになるとは限らない。

「ホラホラどうしたどうしたァ!?俺はまーだピンピンしてるぞォ?吠えるしか能がないなら、時報か目覚まし時計でもやってろォ!!」

「ッガッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

おっと、もうし距離を取るか。

何を言われているのかはわからないが、馬鹿にされていると考える知能はあるようだな。

目に見えてアンテナの振りが雑になり、どんどんと力任せになってきた。

容易に回避できる。

・・・クリーンヒットしたら大怪我もしくは即死だけども。

そうだ、賢くなるってことは人間に近くなるってこと。

人間に近くなるってことは・・・

「力比べならともかく、騙し合いならこっちの領分だ!!こっちには1000年の歴史があるんだぞ!!(※要出典)」

正直、野生の獣みたいに大暴れされる方が困る。

先が読めないからな。

だが、こうして挑発が通じる程度の知能があるんなら・・・読みやすい!

「ガガアアアアアアアアアア!!!オオオオ!!!バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

「うるせええええええええええええええっ!!!!!」

振り下ろしに合わせて踏み込み、足の指を打つ。

俺の橫でアンテナがアスファルトにめり込む恐ろしい音が聞こえるが、當たらなければどうということはない!

「ッガアアアア!?ガギャアアアア!?!?」

めり込み過ぎてアンテナのどこかが引っかかったらしい。

その隙に、息を吸い込んでもう一度振り下ろす。

「ぬん!!!!」

びきり、と手にが返ってきた。

奴が踏み出した左足、その親指の裝甲板を砕いた手応えだ。

まじまじ確認する暇はないが、後方に離する前に見た親指は・・・歪にひしゃげていた。

よし・・・!

やっとこさ抜けたアンテナの攻撃を躱しつつ、軽く喜ぶ。

手の親指は握りの要、足の親指は踏み込みの要だ。

たかが指、されど指。

コイツほどの馬鹿力を行使するためには、しっかり握ってしっかり踏み込む必要がある。

ゾンビだろうが人間だろうが、そこを避けて通ることはできない。

大地に二本の足で立って、二本の腕を持つ生きなら絶対にだ。

さあ、攻めて來い!勢を崩せ!

その隙に付け込んでやる!!

「ギギギギギ・・・!!!」

―――が、奴はきを止めた。

アンテナを持ったまま、壊れた親指を見下ろしている。

・・・マジか。

なんでこのタイミングで冷靜になるんだよ。

おいおいおい・・・頭が冷えるのが早すぎるだろ。

「ッガ!?ガギャアッガッガガ!?」

だが、その隙を逃さずアニーさんの容赦のない銃撃が突き刺さる。

火花が散るのは、首。

延髄への一點集中撃だ。

「ッギイイイイイイイイ!?!?!?」

火花に混じって、裝甲の破片が空中に飛び散るのが見えた。

すげえ!銃撃だけで裝甲を剝いだ!?

アニーさんすっご!

ネオゾンビの上が大きく揺らぎ、前に倒れ始める。

これは、有効打・・・か?

よし、俺もこの機に―――

俯く瞬間、ネオゾンビの口元が僅かに歪んだように見えた。

これは、天蓋と、同じ・・・!!

「アニーさん避けろォ!!狙われてる!!!」

びながら前に跳ぶ。

ネオゾンビは、地面に崩れ落ちると見せかけ・・・凄まじい勢いで頭を巻き込みながら回転。

その手に持ったアンテナを、後方・・・アニーさんの方へと投げ飛ばした。

クソ、間に合わなかったか!!

「っしいいぃい・・・!!!」

せめてに一撃を加えようと、踏み込む。

この狀態なら回ってきた足を・・・なに!?

ネオゾンビはその場で前に宙返りをした格好だ。

つまり、踵がこちらに向いているはずだ。

だが、俺に向けて降ってくるのは―――指先の方!?

しかも、さっきまではなかったはずの鋭く長い裝甲板がびている。

まるで、足の甲から刃が生えているみたいだ!

うっそだろおい!?膝を起點に足の前後がれ替わってやがる!!

デタラメすぎる!なんだコイツは本當に!!

躱す暇は、ない!

だが、何もしなければをバッサリ斬られる!!

「っぐ!?」

飛來する刃に、兜割を合わせる。

いなす時間は存在しなかったので、直にけ止めるしかない!

「ぐうぅううううう!!!」

に襲い掛かる衝撃に耐える。

足の刃は細っこいのに、凄まじく重く鋭い。

兜割に接した場所が、ほんのしだけ斬り込まれるのが見えた。

鍛えた鋼に、食い込むだと!?

「っが!ああああああああああああああああああっ!!!!!」

両肩に力を込めて一瞬け止め、渾の力で橫にズラす。

刃が恐ろしい風鳴りを響かせながら、アスファルトに突き刺さった。

なんとか、なったか。

「ふぅう、う!!!」

痺れを訴える両腕を鼓舞し、全力で振り下ろす。

狙いは、刃が刺さったことで疑似的に固定された足首!!

兜割は風を引き裂きながら奴の足首・・・アキレス腱周辺に食い込む。

めきり、という音が響いた。

―――數は、ふたつ。

「がっは!?」

明滅し、回転する視界。

平衡覚は欠如し、どこが上か下かもわからない。

「っご!?」

背中に、衝撃。

痛みで意識がクリアになった。

どうやら、水路際のガードレールまで飛ばされたらしい。

若干がめり込んでいる。

吐き出した酸素を補給するべく、痛みを無視して呼吸する。

ぐう、肺がっていうかが痛い!

どうやら、奴の足首をぶん毆った瞬間に・・・もう片方の足でを蹴り飛ばされたらしい。

関節の稼働どうなってんだよ。

〇ンプラじゃねえんだぞ、畜生。

「ギギギギギ・・・ギャガギャッギャッギャ!!!!!」

ネオゾンビは地面に倒れたまま、けたたましい笑い聲をあげた。

「天蓋と同じじゃねえかよ・・・気に障る、笑い聲、だぜ」

肋骨は・・・折れてるかこれ?

添え木は砕されたが、骨まではわからん。

だが、手足も頭も無事だ。

致命傷はまだもらっていない。

「馬鹿笑いしてる暇があったら來いよ馬鹿野郎・・・!!俺ァまだまだ元気だぞ、雑魚がァ!!!」

吠えつつ、兜割を肩に擔ぐ。

・・・俺の方に、奴の注意を惹き付けなければ。

他に目を、向けさせてはならない。

ネオゾンビの後方には、絶対に。

路地から続く住宅の塀が破壊されている。

飛來したアンテナによるものだろう。

その奧にある庭に、アニーさんが仰向けに倒れている。

は上下しているが、意識を失っているようだ。

その足元には、無殘に割れたヘルメットが転がっている。

「いいならそのまま寢てろォ!!頭蓋骨砕いて、脳味噌ペペロンチーノにしてやらァ!!!」

痛みを訴える全に鞭を打ち、俺は吠えた。

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