《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》178話 アリシアの誤算

「――お待ち下さい!」

するとそこに、オスカーの聲が響いた。

オスカーの視線は、イザベラの隣に立つアリシアへと向けられている。

「アリシア殿! どういうことですか? なぜ貴がそちら側にいるのです!?」

オスカーは怒號を上げた。

彼の言葉をけて、アリシアの顔が歪む。

「ちっ……。黙って暴走してくれれば良かったものを……。瘴気の量がなかったか……」

「アリシアさん? 一何の話を?」

イザベラが疑問の聲を上げる。

「いえ、なんでもありませんよ。――【ダーク・ミスト】」

アリシアは即座に誤魔化すと、闇魔法を発させた。

周囲に濃い霧が漂い始める。

「あっ……」

「ぐっ……」

周囲にいた生徒達が次々と倒れていった。

「こ、これは……?」

「大丈夫ですよ、イザベラ様。ただ眠っただけです」

「そうなの? どうして突然……」

「寢不足だったのでしょう。どうあれ、邪魔な野次馬共を一掃することができました。仕上げを行います」

アリシアが手を掲げると、広がっていた霧が収束していく。

そしてそれは、オスカーの元へと向かった。

「なっ!?」

「【ダーク・ミラージュ】」

「ぐ、ぐおおおおぉぉっ!!!」

オスカーが絶する。

彼の口元から侵した闇の瘴気は、を駆け巡り、オスカーのを蝕んでいく。

元より黒く濁り気味だった彼の瞳は、さらにドス黒いに染まっていった。

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