《コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!》閑話 生と死と
「あの、神様、私達人が死んだ後は永遠に神の住んでいる楽園に行けると幸神教では教わったのですが実際に楽園はあるのでしょうか。私達はどこから來てどこへ行くのでしょうか?」
「曖昧な答えになってしまいますが、どこからということではないのです。神も人も繋がりの元で生まれます。人が亡くなった後は基本的に昇天します。人の想像する楽園ではないかもしれませんが、神と同じような場所に行けるということはある意味正しいかもしれません。昇天できない者もいて、その場合この世界にとどまり霊となります。新たな命として転生することもありますね」
「ん〜、よくわかりません。私はなんのために生きているのか、どうして死んでいくのか」
「その悩みは神も同じです。ですが神には生と死の選択権がありません。必死にただ生きるのも、誰かのために生きるのも、何かを目指して生きるのも全てが正しいと私は思いますよ」
「そう、ですよね。私は多くの人を救い、幸せにしたいです。まだまだ力不足ですが。死ぬときはひっそりと迷かけずに死にたいですね」
「シロルは楽園に行きたいと思いますか?」
「いえ、楽園に行かなくてもいいんです。幸神教では良い行いをすれば死んだときに楽園に行けると教わりましたが、私はみません。神様が言ったように消えてなくなる方が気が楽ですからね」
「あなたはよく無だと言われませんか?」
「言われます。一緒に勉強している人にも良くしてもらってる先輩や司教様、おじい様にも言われました。でも私はそうは思いません。私は人よりも貪だと思います。誰よりも世界の平和と多くの人の幸福を祈っています。こうして神様と話していることも私が無ならしないことですから」
「言い方を変えます。シロルは自分に対して無ですね。あなたのしたいことの全てが他人に向けられたものです。もっと個人的なはないのですか?」
「………わかりません。私の世界ではそれが當たり前でしたので。あ、でも個人的な願いはあります。私はもっと神様とお話したいです。人として、幸神教徒としては當たり前なことかもしれませんが、神としてはもちろん。ルチア様という人としての面でも私は好きですから」
「そうです。そういうをもっと私に教えてください。私もシロルが同行して多くのことを學ぶことができました。それに、あなたのおかげでもっと向き合えると思いました。話は戻しますが。こうしたという繋がりが人や神を生み出します。死後この世界に殘る魂はいずれも憎しみや悲しみ、など自らもしくは人からの強い思いがあります」
「つまりルチア様がもしいなくなってしまったとしても想いつづければこの世界には殘るということですか?」
「私という存在は々特殊なのですが、大はあってます。厳に言えば私は神ハピネの本意思に繋がっているだけの存在ですから、リィアというに似たものです」
「神様だけど神様じゃないんですね?」
「神は実在しませんからね。実在するこのは神ではないということです」
「なんとなくわかったようなわからないような………」
「理解する必要はありませんよ」
「あの、神様は死者の聲を聞いたことがありますか?」
「この世界に留まっている霊の聲なら聞こえますよ。昇天したり転生した魂の聲は聞くことができないですが」
「そうなんですね、それでは私のおばあさまの聲を聞かせてくれませんか?その、私のおばあさまは私の小さい頃に亡くなってしまって、とても溫かくて優しい気持ちになったことは覚えていますが、今改めて話したいなって思って………でもきっとおばあさまはこの世界に留まることなく昇天してるか転生しているかもしれないですよね」
「シロルには守護霊がいくつも憑いています。その中にあなたの祖母もいるかもしれませんね」
「見えるんですか!?それと守護霊って?」
「端的に言えば守護霊は神の逆です。神は人の信仰によってその力を強めますが守護霊は魂の無意識的な思いが人に集まっているのです。神の加護と似たようなものですが、本人が守護霊のことを知らなくても守護霊がいることがあります」
「なるほど、つまり昇天したいくつもの魂の想いが守護霊となってるのですね。それが私に………」
「えぇ、きっと見守ってくれていると思いますよ」
「ちなみにその守護霊とお話することは………」
「できません。守護霊は言葉ではなくや想いなので。シロルの守護霊は慈に満ちていますね」
「嬉しいですが照れますね」
「人は必ず死にます。それは神も同じです。神もいずれは死にゆく存在です。どうなるかではなくどうなりたいかを考えるのがいいと思いますよ」
「神様は死は怖くないんですか?」
「怖くありません。なので死に対する怖さもこれから知れたらいいなと思います」
「………きっと知らないほうがいいと思います。生きる希である神様が死が怖いとちょっと不安ですから」
「私にもその概念があるとはいえ人とは比べにならないほど永いものですから、人ほど必死にはならないと思いますよ」
「あの、ルチア様、ご無事であることを祈っています。死への恐怖は自分だけではないということです」
「必ず戻ってきますよ。まだまだ知らないことが多いですからね」
「はい、絶対戻ってきてくださいね」
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