《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》180話 道連れ

「なに!?」

「えっ?」

オスカーの放った氷魔法はイザベラを襲うことはなかった。

代わりに、アリシアとオスカー自を囲むようにして凍結させていく。

「イザベラ殿、どうかご無事で……」

「ば、馬鹿な。どうして……」

目論見が崩れ、アリシアが驚愕に目を見開く。

「ふ、ふふふ……。アリシア殿、あなたの思い通りにはさせません。道連れにして差し上げましょう」

「くっ! ――だが、甘いですよ。こんな氷魔法、わたしの実力ならすぐに砕けます!」

足元まで凍った狀態で、アリシアがそう言う。

普段はイザベラの影に隠れがちだが、彼もまた天才だ。

なにせ、半分は平民のが流れているにもかかわらず王立學園への學を許可されたぐらいなのだから。

「そうですね……。ですが、私の役目は果たしました」

「なにっ!? まさか……」

オスカーの言葉をけて、彼は思い出す。

この場には、イザベラへ想いを寄せていた男がもう一人いたことを。

「イザベラ……嬢……」

「カイン!?」

カイン・レッドバースが、ゆっくりとイザベラ達へと近付いていく。

その瞳から理は消え失せて、まるで獣のような狂気が宿っていたのだった。

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