《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》182話 臺無し

(まずいですね……!)

アリシアは焦り、考えを巡らせる。

――半年ほど前の秋祭り。

そこで事故が発生し、アリシア、イザベラ、エドワード王子、フレッド、オスカー、カインは闇の瘴気により汚染されてしまった。

その中でも特に濃い瘴気をけたのがアリシアだ。

元々の人格は大きく歪められてしまったが、それでも変わらなかったものが一つだけある。

からイザベラへの深いだ。

する者を手にれるため、のままに策を巡らせた。

エドワード王子達を唆し、導し、誑かし、イザベラと距離を置かせたのである。

その仕上げとなるのが、この卒業パーティだ。

ここでエドワード王子からイザベラへ婚約破棄を言い渡させれば、彼は完全に孤立することになる。

そして、自分がイザベラへ手を差しべる。

そうなればもう、最の心は自分のものだ。

完璧な計畫だと思っていたのだが――

(このままではいけません……)

このまま自分が死ねば、計畫は臺無しになってしまうだろう。

それでは困る。

本當に困ってしまうのだ!

なぜなら自分はまだ死にたくないのだから!

のイザベラと共に、同士という斷のに溺れたいのだから!!

「やめてください、カインさん! それ以上近付かないで!!」

アリシアはぶように懇願する。

しかし――

「ガアァァァッ!!」

「ひいぃっ!!」

もはや言葉すら通じていないようだ。

彼は剣を振り上げると、そのまま振り下ろした。

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