《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》第二十一話 ガルドバ

ナナと話をして、アロイ側に作ってある村を任せることが出來た。

神殿はギルドが管理を行う。森の中の村は、今後の課題として考えるとして・・・。

ナナとガルドバを、アロイ側の村に案した。

思いっきり怒られた。

ガルドバがいうには、ここまで立派だと、”村”ではなく、”城塞都市”だと言われた。

「リン君。この”村”は、すぐに稼働したい?」

「え?稼働?準備が整ったら・・・。ごめん。考えていなかった」

正直に謝っておこう。

「アスタ。こいつ、頭がよさそうなのに、ニノサと同類だぞ?」

ガルドバが、凄く失禮な事を言っている。

ナナとマヤが頷いているのが納得が出來ない。ニノサよりはマシだ。

「ねぇリン君」

「なんだ?」

「この”村”では、さすがに、私とガルドバでは、手に余るわ」

「そうなのか?」

「そうよ。それに、村民・・・。ダメね。もうごまかせない。リン君。ここは、”村”ではないわ。最低でも、500人が暮らす城塞町よ。いい。こんなに、防に特化した場所は、”村”だと言うのは無理があるわ」

「うーん。それで、何か問題があるのか?」

「あのね。稅金の問題や、権利の問題や・・・」

「あぁ伝えていなかったのか?この場所は、報酬として貰った場所だ」

稅金は考えていなかった。

でも、何とかなるだろう?

ならなかったら、その時に考えればいい。

「報酬?」

話したと思ったけど、端折ってしまっていたらしい。

ナナからけ取ったアイテム袋の中にっていた書類を、ローザスに渡した。その報酬として、土地を貰った事を説明した。

「ふぅ・・・。どう思う?」

ガルドバが、ナナに向かって話しかける。

ナナは、額を抑えている。何か問題があったのか?

「リン君。しだけ整理をさせて・・・。ガルドバ!」

俺には判斷が出來ない。問題はないと思っているのだが、何か問題があったのか?

「対等とは言わないが、近いじだな。まぁリン側からの話だから、なんとも言えない。それよりも、アスタ。どうする?」

ガルドバとナナが、相談を始める。

前向きに、この場所の管理を行うための方法を考えてくれるらしい。

5分くらい、ナナとガルドバがしだけ離れた場所で話をしてから、ナナが戻ってきた。

「リン君!」

「なに?」

「神殿とやらにも案を頼みたいのだけど?」

「あぁそうだな。森の村と、メルナの屋敷にも行くか?」

「そうね。お願いできるかしら?」

「わかった」

「案は、私だけでいいわ。ガルドバは、しだけやることが出來たから・・・。ね」

ナナが、離れているガルドバに向かって話しかけるようにする。

「リン。そういうことだ。ここの住民は増やしていいよな?」

ガルドバが手を上げて、俺に向かって質問をする。

「大丈夫ですよ。ナナとガルドバに任せます。アゾレムに喧嘩を売るのは、しだけ待ってくれると嬉しいですね」

俺の話を聞いて、ガルドバが近づいてきた。

笑っているので、悪い事ではないのだろう。何か、悪戯を思いついた子供のような表だ。

「大丈夫だ。俺は、ニノサほど向こう見ずではない」

「うーん」

「どうした?」

「いや、”ニノサほど”というけど、比較対象を考えれば、”ニノサ”以下ではあるけど、一般からは隔離している可能がありますよね?だから、心配すればいいのか、迷っています」

「ははは。それなら、アゾレムには喧嘩を売らない。売ってきたら、買うけどな」

「わかりました。ニノサと同類だと認識しておけば、間違いはないようですね」

「おい。リン!」

「おおむね間違っていないわね。ガルドバ。さっきの話でお願い」

「わかった。いいかリン。俺は、ニノサほど・・・」「はい。はい。ガルドバ。今は、時間は貴重なのよ。ニノサとの違いは、帰ってきてからね。リン君。神殿に行くわよ」

ナナが仕切っているが、ガルドバは何か文句を言いながら、アロイに向かった。歩きながら、ナナが簡単に説明をしてくれた。

「そうなると、アロイから、まともな店が無くなるのでは?」

「そうね。でも、何も困らないし、多分、奴らは気が付かないわよ」

気が付かない?

そうか、やつらとしたら、マガラ渓谷は資金を調達するための場所だ。

資金調達が鈍ってきても、現地の人間を呼び出して文句をいうだろう。現地の人間たちも叱責されることが解っていて、報告を真面目に上げるとは思えない。アロイから善良な商店や宿がなくなって困るのは、マガラ渓谷を越えたい善良な者たちだが・・・。

マガラ神殿の運用が始まれば、マガラ警告に拘る必要がなくなる。

その時になって、アロイから商店や宿が無くなっていても、矛先は”商店や宿屋”を経営していた者たちではなく、マガラ神殿に向かう。

--- アロイに向かったガルドバは・・・

リンの奴は、ニノサ以上にぶっ飛んだ奴だ。

喧嘩を売る相手も面白そうだ。

アスタの安全も考えている。何よりも、あの城塞都市を作り上げている。

面白くなりそうだ。

アスタの奴には、無茶はしないように言ってあるが、無理だろうな。口では、ニノサの事を悪く言っているが、アスタがニノサの思が絡んでいることに逆らうとは思えない。

それに、リンの奴は”悪・い・所・”だけニノサに似てしまっている。姿や顔は、サビニに似ている。アスタがあの顔で、ニノサみたいな頼みをしてくるリンの話を斷れるとは思えない。

最初にあったときには、”殺せ”と命令されていた。

アスタを守るためだと、自分をごまかしたが、あの顔はサビニの関係者だとすぐに気が付いた。ニノサにも関係しているとは思ったが・・・。

リンが、アゾレムに狙われていると知った時のアスタの荒れようは思い出したくない。

アゾレムの領都に乗り込んで、領主を殺すとまで言い切っていた。必死に止めなければ、本當に実行していた可能がある。ニノサが命がけで得た報を無駄にするつもりなのかと言って落ち著かせた。

俺は、ニノサとサビニが死んだとは思っていない。

どこかで、生き殘っているのではないかと・・・。絶的な報だけが俺たちにってきている。それでも、アイツなら、アイツらなら生きていても不思議ではない。

アイツの逸話で俺が気にっているのは、”王國の闇を晴らすとか、どうでもいい”と言い切った事だ。気にらないから”ぶっ飛ばす”と付け加えたようだ。それを、教會で言い切った奴の膽力が怖いとさえじた。

実際に、俺はニノサと話したことはない。

逸話の殆どは、アスタから聞いたり、仲間の噂を聞いたり、周辺の奴らから聞いた。どれも信じられない話ばかりだ。あれで、格が格なら”英雄”と呼ばれても不思議ではない。でも、奴の格や行から、”破天荒な破壊王”と呼ばれている。

ニノサとサビニには、何回か同じ依頼をけただけだ。奴のチームの窓口になっていたアスタやサビニとは何度か會話をした。

リンの話は、手をばせば得られる現実だ。

俺の両親を殺した教會に一矢報いることができるかもしれない。

それに、マヤのお嬢ちゃんの姿。

子供の時に、両親から教え込まれた妖ニンフ信仰の神であり、妖ニンフであり、自由の象徴である、マナーティヤ様の姿・・・。そのだった。

両親は、マガラ渓谷には、古い古い時代に神殿があり、妖ニンフが信仰対象になっていたと信じていた。

その為に、現在の教會勢力に目をつけられて、見せしめに殺された。

神殿が存在していた。

両親の考えは間違っていなかった。それだけで、俺がリンに協力する理由にもなる。

アスタも何かを知っているのだろう。

両親の話はしたことがない。調べたのかもしれない。

俺に両親の墓參りを勧めてくれた。

アロイで皆を口説いたら、村に行こう。隠れて、妖を信仰している連中が居る村だ。神殿の存在を教えるだけで、移住を考えてくれるかもしれない。戦いには向かない連中も多いが、アロイの村・・・。

アスタは”フリークス村”と名付けをすると言っていたが・・・。アゾレムや教會の連中からの攻撃が楽しみだ。

俺のジョブである傀儡子でれるを作ってもいいだろう。リンに伝えたら素材くらいは準備してくれるかもしれない。

教會の連中が忌み嫌うジョブ”傀儡子”で教會や宰相派閥の連中と戦える。

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