《僕の姉的存在の馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜》

千聖とのデートを無事に終えると、僕は予定通りいつものお店に行き、買いをし始めた。

いつものお店というのは、他でもなくただのスーパーだ。

何をしにきたかと言われたら、答えは一つしかない。

食料品が無くなったので、買いに來ただけである。

本當は1人で來るつもりだったんだけど。

「楓君は、なにを買うつもりでここに來たのかな?」

千聖は、いつもの笑顔でそう訊いてくる。

デートが終わった後も、なぜか一緒についてきたのだ。

まるで僕のことを見張るかのようにして……。

「いや。家にある食料品が無くなったから、買いにきただけだよ。特に深い意味は無くて──」

「ふ~ん。そう……」

僕がそう言っても、千聖は信じてなさそうなじである。

もしかして、疑ってるのかな。

噓は言ってないんだけど……。

「無理してついてこなくても、良かったんだよ。ホントにただの買いだからさ。千聖さんには、つまんないと思うし」

「つまんなくはないよ。ただ──」

「ん? どうしたの?」

「楓君は、こういったところで買いをするんだなって思って……」

千聖は、しだけ驚いた様子でそう言っていた。

どういう意味だろう?

たしかに普段の買いなら、ここで済ませる場合が多いけど。

「まぁ、自分の家から近いしね」

僕は、そう言って慣れたじで買いカゴに食料品などをれていく。

必要なものはちゃんとメモに書いておいたから、買うものを忘れずにスムーズにれていく事ができる。

千聖は、悪戯っぽい笑みを浮かべ、ちょっとだけねだるように言ってきた。

「そうなんだ。楓君の家が近くにあるのか。ちょっと行ってみたいな……」

「いや……。さすがにそれは……」

「ダメなの? こんなに頼んでるのに?」

そんな上目遣いで見てこられても……。

僕には、そんな重要なことを勝手には決められない。

「たぶん香奈姉ちゃんがいると思うし……。無理かも……」

「まぁ、それなら仕方ないか。また今度っていうことで──」

「うん。また今度かな」

実際、家に帰ったら香奈姉ちゃんがいるのは、いつものことだ。

なにしろ僕のことが心配で、今回のおでかけに関しても、ついていくって言ってきかなかったくらいだったから。

まさか千聖とデートをする事になるとは思わなかったから、家に帰るのがちょっとだけ怖かったりする。

まぁ、買いと言っても、いつ頃なら帰れるとかはハッキリと言ってないので、特に言われたりはしないだろうと思う。

「そういうことなら、ゆっくりと買いを楽しもうよ」

千聖は、そう言って僕の腕にしがみついてくる。

なんだかとても楽しそうにも見えるのは、僕だけだろうか。

「それは、ちょっと難しいかも……」

僕は、周りの人たちの視線もあってか苦笑いを浮かべていた。

せめて人同士と見られないようにと願うばかりだ。

買いが終わってそのまま千聖と別れ、まっすぐ家に帰ってくると、やはりというべきか香奈姉ちゃんが待っていた。

玄関先でのその立ち姿は、ものすごく迫力がある。

格好は、今穿いているミニスカートに合わせたような服裝で、の子らしかったけど……。

香奈姉ちゃんは、あくまでも笑顔で訊いてきた。

「ずいぶんと帰りが遅かったね。一、どこに行っていたのかな?」

「あ、いや……。えっと……」

どうにも一口で説明できない。

買いって言えば、それはそれで間違いないんだけど、時間がかかりすぎているから、まず信じてはもらえないだろう。

──さて。

どう説明したらいいんだろう。

そうして答えるのに躊躇していると、香奈姉ちゃんはいきなり顔を近づけてきて、匂いを嗅ぎ始めた。

僕は、香奈姉ちゃんのいきなりの行に驚いてしまう。

「ど、どうしたの?」

「んー。なんとなくね。香水の匂いがしてるなって思って」

「こ、香水?」

たしかに千聖からは何かしらの香水の匂いはしたけど。

気になるほどのものでは……。

なんというか、目的はそれなんだろうな。

「うん。これは、あきらかにの子が男の子とデートに行く時につけるような匂いの香水かな」

香奈姉ちゃんは、ジト目でそんなことを言った。

香水の匂いだけでそこまでわかるのは、もはやすごいとすら言える。

「そ、そうなんだ。他の人の香水の匂いがうつったとか、そんなことはないんだね」

「それはあるかもだけど、そのタイプの匂いは薄いタイプのものだから、よほどの事がない限り匂いがうつることはないんだよ」

そこまでお見通しなんだ。

なんていうか、もうバレちゃってるんじゃ……。

香奈姉ちゃんは、僕の顔の前まで顔を近づけてくる。

威圧的な表でありながらも、あくまでも笑顔で──

「──さて。今日は、誰とどこに行っていたのかな?」

「あ、その……」

これは、とても言い逃れができる狀況じゃない。

そんなことをしたら、確実に一緒のお風呂で過度のスキンシップ確定だ。

ただでさえ、スキンシップは激しいのに……。

「これはもう、一緒にお風呂確定かなぁ」

「いや、その……。それだけは勘弁してほしいかなって──」

「勘弁するわけないじゃない。弟くんと一緒にお風呂にるのは、私の楽しみの一つなんだから」

「やっぱり確定事項なんだ……。わかってはいたことだけど」

「そうだよ。弟くんは、他のの子に靡いちゃったらダメなんだから……。私が高校を卒業して大學生になっても、それは変わらないんだからね」

香奈姉ちゃんは、そう言って僕の手をギュッと握ってくる。

今、気づいたことだけど、香奈姉ちゃんのって、意外と重かったりするのかな。

もしそうなら、適度な距離で付き合っていかないと、マンネリ化しそうだ。

「とりあえず、我慢することを覚えた方がいいかもよ。大學生になったら、一年くらいは會えないと思うし……」

「なにを言ってるのよ。弟くんには、ちゃんと會いに行くつもりでいるんだよ。會えないなんてことは──」

「來年は僕も験生になるからなぁ。なかなか會えないかもしれないよ」

「あ……」

香奈姉ちゃんの表が、だんだんと哀しげなものになっていく。

會えないってことはないが、スキンシップ目的で會うことがなくなるのはたしかだ。

そうと知った途端、香奈姉ちゃんは真剣な眼差しで見つめてくる。

「ねぇ、弟くん。今日の夜は──」

「ハッキリ言っておくけど、暇ではないからね」

「うぅ……。そんな嫌そうな顔で言わなくても……」

泣きそうな顔をしていても、僕にはお見通しだ。

油斷するとセックスかと思われるくらいの激しいスキンシップとかしてくるから。

そう言っておかないと。

いつしか僕のものをいいだけ吸い盡くしそうで怖い。

「ちょっとだけなら、付き合えるけど……」

「いいの?」

香奈姉ちゃんは、途端に嬉しそうな表になる。

「ホントにちょっとだけだよ。それ以上は──」

「一時間くらいあれば充分だよ。私は、そこまで強じゃないから」

「一時間って……」

香奈姉ちゃんの『ちょっと』は、一時間に相當するのか。

香奈姉ちゃんは、ゆっくりと僕に抱きついてくる。

頼むから、こういう事は僕や香奈姉ちゃんの部屋でやってほしい。

「そういう事だから。今夜もよろしくね。弟くん」

「う、うん……。僕でいいなら──」

やっぱり香奈姉ちゃんのは重たいものだと、改めて認識できてしまう。

この場合は、香奈姉ちゃんののどこをればいいのかよくわからない。

たぶん、腰の辺りに手をまわせば大丈夫なんだろうけど……。

それでも、恐る恐るといったじだ。

正直、こんな時にの子のれるのはとても恐れ多くて、張してしまう。

無意識にそれができる男の子は、逆にすごいとすら思えてしまう。

できるなら、自然の流れでそれができるようになりたいな。

    人が読んでいる<僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください