《やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中》39
護送馬車の車の音が聞こえる距離になったとき、ジークがつぶやいた。
「……何か、今、音、聞こえなかったか」
「音? さあ、アタシには……」
目がいいカミラは眼下に近づいてくる馬車から目を離さず答える。耳に手を當てて目を閉じたのはロルフだ。
「……確かに何か聞こえるな。これは……魔力の旋律か? 同じ旋律を繰り返しとる」
「げ。よく聞こえるな」
「魔力がないと聞き取れんやつだ。儂もところどころしか……」
「ちょっと待って、音楽なの? それ」
竜笛、という言葉を口にするより先に、咆哮が響いた。馬車が向かう先だ。黒竜――いや、黒い靄に包まれた竜といったほうが正しい。森の奧から飛び上がったそれが、一直線に護送馬車へと向かう。
「――いかん、帝城に戻るぞ!」
「え、馬車を助けるんじゃなくて!?」
「間に合わん! それともお前、竜を倒せるか!?」
無理だ。
既に竜の爪は馬車に襲い掛かっていた。ここで飛びこんでいくのは無駄死にになる。
馬の嘶きがあがり、馬車が橫倒しになる音を走り出した背で聞く。
迷わず一直線に馬の所まで戻ったロルフは、そのまま馬の腹を蹴った。カミラもジークも続く。
「何、前皇帝が竜笛を持ってたってこと!?」
「わからん、検査はしとるはずじゃが……しかもあれは魔に近い旋律じゃった。クレイトスで魔獣を呼び出す詠唱のような」
「つまりあの竜、やっぱりクレイトスが作ったってことじゃないのか!?」
「いくら神でも竜は作れんはずじゃ! ――くそ!」
馬を走らせるうしろから、竜がやってくる。向かう先は同じだ――帝城。
ぐんぐん帝城が近づいてくるが、同時に竜も距離を詰めてくる。ちょうど後宮の裏門が見えてきたところで、カミラたちを追い越していった。その上に、人影が見える。
「――ちょっと、前皇帝が乗ってるわよ!」
「おい冗談だろ! 帝都に戻ってどうする気だ!?」
「とにかくジルちゃんたちに知らせないと!」
後宮の裏口にるなり馬から飛び降りた。待て、とロルフがぶ。
「先に花火を打ち上げさせろ! 祝砲でもかまわん!」
「はあ!? なんで花火だよ!」
確かに今回の祭りは三公が発して花火が大量に打ち上げられる予定だ。しかし當然それは夜である。だがロルフは真剣だ。
「誤魔化すんじゃよ! 何か起こっても、祝い事だと思わせて時間を稼ぐんじゃ――竜の花冠祭が正不明の竜に臺無しにされてみろ! 竜帝の威信はガタ落ちするぞ!」
息を呑んだカミラは、ジークと頷き合い、走り出した。ロルフは馬から下りたところではべっている。
「早く回復して次の作戦考えてよ、おじいちゃん!」
「はよいけ! うう……もう嫌じゃ……酔った……」
幸い、花火は夜まで、半ば崩壊したままの後宮の中庭で保管されることになっている。ちょうど點検中だったのか、踏みこむとノイトラール公がいた。お、とカミラたちを見て気安く手を挙げてくれる。ジルが參加した腕相撲大會のとき、護衛でいたので顔見知りだ。
「どうした、竜妃の騎士たち」
「今すぐ花火つけろ!」
「は? 今はまだ真っ晝間だし、竜も空を舞っている。脅かしてしまうじゃないか」
「違うの、敵の竜がこっちにきてて――いいから、花火を打ち上げて! 祝砲でもいい。あのロルフおじいちゃんの命令よ!」
やぶれかぶれでんだが、ノイトラール公は真顔になり、すぐさま命令を飛ばした。
「すぐさま花火を點火しろ、責任はレールザッツ公がとられる! ――それで、何があった」
この世代に、ロルフの名前は絶大な威力があるらしい。ほっとをなで下ろし、カミラは説明しようとする――そのとき、どこかで何かがぶつかったような、大きな音がした。
【書籍化】その亀、地上最強【コミカライズ】
ブルーノは八歳の頃、祭りの出店で一匹の亀を手に入れた。 その亀、アイビーはすくすくと成長し続け……一軒家よりも大きくなった。 ブルーノはアイビーが討伐されぬよう、自らを従魔師(テイマー)として登録し、アイビーと一緒に冒険者生活を始めることに。 昔のようにブルーノの肩に乗りたくて、サイズ調整までできるようになったアイビーは……実は最強だった。 「あ、あれどうみてもプラズマブレス……」 「なっ、回復魔法まで!?」 「おいおい、どうしてグリフォンが亀に従ってるんだ……」 アイビーによる亀無雙が今、始まる――。 5/28日間ハイファンタジー1位! 5/29日間総合3位! 5/31週間総合5位! 6/1週間総合3位! 6/2週間ハイファンタジー1位!週間総合2位! 6/14月間5位! 【皆様の応援のおかげで書籍化&コミカライズ決定致しました!本當にありがとうございます!】
8 198シャドウアクティビティ
高校生の仙道 新 (せんどう あらた)は、普通の人間とは少し違う。そう!彼は特殊な能力を持ったエスパーなのだ。 2068年現在世界各地で特殊な能力を持つものがいる。 特殊な能力を持つものをエスパーといい、能力を持たないものをノーマルと言う。 仙道は、學校からの帰り道怪しい人物により不思議な能力を使われ捕らえられてしまい、死のゲーム(シャドウアクティビティ)に參加しなくてはいけなくなってしまった。 このゲームから抜け出すには人を殺めるしかないという。 捕らえられてしまった、仙道の前には鎖で繋がれて身動きのできない女子高生がいた。 このゲームのディーラーと、名乗る怪しい仮面を被った男はまずこのゲームに參加するには目の前の女子を24時間以內に殺さなければならないと言う。 もしも、出來なければ仙道と女子高生が二人が死んでしまうという。 果たして仙道はどういった行動を取るのだろう エスパーやノーマルたちの死のゲームが始まる
8 111複垢調査官 飛騨亜禮
某IT企業に勤務する《複垢調査官》飛騨亜禮と、巨大小説投稿サイトの運営スタッフの神楽舞とが繰り広げるドタバタコメディミステリー。 第二章では、新キャラの坂本マリアとメガネ君も活躍します。 第三章ではネット小説投稿サイト三國志的な話になってます。 第四章 僕の彼女はアンドロイド 少年ライトとアンドロイド<エリィ>の物語。ベーシックインカムとかアンドロイドが働いて家族を養ってくれる近未來のお話です。 第五章 複垢調査官 飛騨亜禮2 TOKOYO DRIVE(複垢狩りゲーム) 『刀剣ロボットバトルパラダイス』に実裝された<TOKOYO DRIVE>の謎を巡って展開する異世界バトル。 http://ncode.syosetu.com/n6925dc/ 第六章 《複垢調査官》飛騨亜禮の華麗なる帰還 《複垢調査官》飛騨亜禮が新ネット小説投稿サイトの調査に赴く。彼はそこで想像超えた恐るべき小説たちと出會うことになる。 第七章 AIヒューマン 「複垢調査官 飛騨亜禮」は第四章〜六章が未完になってますが、まあ、人工知能✕VALUの小説を書いてみようと思います。 複垢調査官 飛騨亜禮 https://kakuyomu.jp/works/4852201425154917720 書きたい時が書き時ということで、第四章なども書きながら完結させていきたいですね。 第四、五、六、七章は同時更新中です。 ほのぼのとした作品を目指します。
8 153異界の勇者ー黒腕の魔剣使いー
あるところにすべてを失った少年がいた。 あるところに運命によって愛する者と引き裂かれた少女がいた。 あるところに幸せを分け與える少年がいた。 あるところに少年達を支える少女が現れた。 あるところに奇妙な日常が生まれた。 ある時、日常が終わりを告げた。 また、あるところに大切なモノを取り戻さんとする少年が生まれた。 また、あるところに愛するものを変わらず愛し続ける少女がいた。 また、あるところに自身の愛する人を守らんとする少年が生まれた。 また、あるところに愛しき人のため日々前に進み続ける少女が生まれた。 ある時、世界に平和が訪れた。 -------------------------------------------------------- スランプより復帰いたしました! これからもよろしくお願いします! 現在、物語全體を通しての大幅な改稿作業中です。 作業中の閲覧は控えることを推奨します。 誤字脫字がありましたらご指摘お願いします。 評価、レビューどんとこい!
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