《【第二部連載中】無職マンのゾンビサバイバル生活。【第一部完】》35話 集結する面々のこと

集結する面々のこと

特にかわいそうでもない松本一派を仏させた、その夜。

俺は、いつものように庭のベンチで煙草をふかしている。

「キュ~ン・・・」

「ごめんよなーちゃん、もうちょっとで喫い終わるからね」

犬小屋の中から切ない聲がするので謝っておく。

副流煙は危ないからね、仕方ないね。

しかし賢いなこの子。

いやー、今日の夕飯は最高だった。

ミチヨさんお手製の新鮮野菜を使ったサラダに、神崎さん特製の燻製(イノシシ)のステーキ。

ほんと、今がゾンビ騒でてんやわんやとかうっかり忘れちゃうね。

水と食いさえあれば人間はどこでも生きていけるのだなあ。

風呂まであるし・・・マジで『レッドキャップ』がいなけりゃここに永住したい。

・・・アイツらを壊滅させたらちょっと考えてみるかな。

高柳運送のみんなごと引っ越しってのも悪くないね。

まあ、現狀は捕らぬ貍のほにゃららってやつだけども。

「平和・・・平和っていつ來るんだろうなあ」

「殘念ながら有史以來1回も來ていないぞ、イチロー」

思わずらした獨り言にあんまりな返答。

後ろを振り向くと、ラフな格好のアニーさんが立っていた。

今日は神崎さんも式部さんも、夕食後に古保利さんの方へ行っている。

なんでも會議めいたことがあるのだそうだ。

ミサイル陣地関連のことだろうか。

「むしろ今の方が平和かもしれんな。ゾンビ相手の戦いはあれど、國家間の紛爭はしばらくお休みだろう」

「・・・確かに、そうかもしれませんねえ。っていうかアニーさんはブリーフィングに參加しなくていいんですか?」

隣に腰かけたアニーさんに煙草を渡しながら、聞く。

「私はもう軍人ではないからな。知っていることはもうすべてコホリに話しているし、今後もこの家族を守るだけだ・・・戦爭は現役に任せる」

當然のように俺の煙草の先端から火を點け、虛空に紫煙を吐き出している。

神崎さんも式部さんもよくやるよなあ、これ。

シガーキスって言うんだっけ?

名前だけ聞くとちょっと恥ずかしいね。

「なにはともあれ、近のややこしい連中は優しい優しいサムライが始末してくれた・・・ふふ、本當にいい拾いをしたなあ」

「・・・へへ、まあ最低限は役に立ちましたかね?」

「過ぎた謙遜はむしろ嫌味になるぞ、イチロー」

頭を小突かれた。

はい、申し訳ありません・・・

「ふぅ・・・いい夜だ。星がよく見える」

「綺麗ですねえ・・・本當に」

頭上は満天の星空だ。

ゾンビ騒が起こる前は、星なんてマジマジと見ることはなかったなあ。

「おいおい。そこは『キミの輝きには負けるけどね』とか、いい口説き文句を言うべきだな」

「・・・俺にそんな甲斐があるとお思いですか?」

「なければ作ればいい。言い訳だけは上手だな、イチロー」

ぎゃふん。

うーん、口では勝てる気がしない。

どうしようこの外人お姉さん。

・・・強敵ぜよ。

「まったく、この國の男どもときたら・・・いいを見かけたら気のきいたセリフの一つでも用意しておくものだぞ?」

言葉とは裏腹に、アニーさんは何やら楽しそうだ。

「師匠に習っとくべきだったかなあ・・・だいたい、今までの人生でこんなに人さんに囲まれたことないんですからね、俺」

「おや、この國のどもも見る目がないらしい・・・『ユウリョウブッケン』なのになあ」

変な日本語を覚えていらっしゃる・・・!

優良件ねえ・・・俺が?

「つまるところ男の価値とは強さと優しさなのさ。これは世界中で不変のものだと思うがね・・・ちなみにの価値は緒だぞ」

「そこは教えてくれないんですね・・・」

「ふふ、答えをなんでもかんでも教えるほど私は都合のいいではないのだよ。それに、いいにはがつきものだからな」

まるで映畫の優さんだな。

ポンポンとオサレなセリフが飛び出してくる。

俺もこれくらいササっと言えたらモテモテ男になっていたのかもしれん・・・

「ふむ、では余興にとりあえずテストだ。・・・なにか私を褒めてみろ」

「・・・いきなりですか」

「現実は非なのだよ、イチロー。さあ、やってみたまえ」

無茶振りが過ぎるぞこの人は。

褒めるったって何を褒めれば・・・ええと、ううん。

「あー・・・その、髪のが、あの、綺麗ですね!こう、燃えるみたいに鮮やかで!え、エキゾチック!ですね!!」

・・・どうだ!?

「・・・ぷ」

アニーさんはを折るとゲラゲラと笑い出した。

こう、HAHAHA!!ってじで。

なんだろう・・・すごく、その、恥ずかしい。

「・・・ワウ」

いつの間にか近付いていたなーちゃんが、俺を憐れむように見ている。

犬に・・・犬にすらも俺は・・・

「ぷふっ・・・ふぅう、はあ。んふふ・・・」

アニーさんが俺の肩をバンバン叩く。

地味に痛い。

「いいじゃないかいいじゃないか!はじめの一歩は満點だぞイチロー!ふふ・・・ふふふ、いやー、ハイスクール時代を思い出すなあ!」

これ全然褒められてなくない!?

遠回しに俺のが高校レベルだって馬鹿にされてない!?

「これが『ウイウイシイ』というやつだな!ははは!・・・(なるほど、彼らが苦労するわけだ、ふふふ)」

アニーさんは何やら1人で納得していらっしゃる。

絶賛置いてけぼりの俺である。

「なあに、これから慣れていけばいいんだ、うん。手始めに我々を毎日褒めろ、皆喜ぶぞ?」

「・・・それは、さすがに恥ずかしすぎるんですが」

それに、急に俺がそんなになったらみんなにドン引きされない?

「歴史上、恥ずかしすぎて死んだ人間はいない・・・頑張れイチロー!Do!!your!!best!!」

目の端に涙まで浮かべてアニーさんは笑っている。

しかも何か勵まされてしまった。

は難しい・・・難しすぎるぞ。

「・・・フワゥ」

なーちゃんは助けを求めた俺の視線に大あくびで返してくれた。

うわあ、絶対呆れられてるぞこれ。

孤立無援、支援なし。

ここは早くも俺の完敗で終了ですね?

はなから勝負ではないんだけども。

―――ふと、海の方から気配。

いつものように波打ち際で複數の音がした。

「・・・!」

立てかけていた『魂喰』を取りつつ、抜刀。

ベンチから立ち上がり、構えながら視線を周囲へ送る。

たぶん自衛隊関連だろうが、もしもということもある。

俺が警戒をしない理由にはならんな。

「アニーさん、家へ。朝霞たちを・・・アニーさん?」

俺と同じように立ち上がったアニーさんが、急に前方に回り込んできた。

あの・・・家の防衛をですね。

「ふむふむ、なぁるほどね」

アニーさんは俺の顔をニマニマしながら見つめている。

・・・なんでしょうか?

「あの・・・えっと・・・?」

「おや、もう終わりか。ふふふ、これにやられたわけか、皆は・・・なるほど、なぁるほど」

俺の顔がなんなんだろうか。

「気にしなくてもいいぞ、イチロー。アレは前々から予定のあった・・・ゲストだ」

アニーさんが言い終わるのと同じくらいに、暗がりからぬっと影が一つ。

を潛水服に包んだ、2メートルを超える巨だ。

縦にもデカいが橫にもデカい。

「・・・ゴブサタ、してモス」

なんかどっかで聞いたような訛りと共に、その巨は潛水マスクを外した。

その顔は、確かに見おぼえがあった。

「・・・オブライエン佐?」

「ハイ、オヒサシブリです。タナカノサン」

短く刈り上げた頭髪に似合う、厳つい顔をほころばせて・・・オブライエンさんが笑った。

えぇえ~~~~・・・また最高指揮が來たのォ?

フットワークが軽すぎでしょ・・・

神楽に八尺鏡野さん1人になってるじゃん・・・

「センセイ!!」

そしてその後ろからはライアンさんの聲が。

それと同時に、暗がりから続々と出てくるムキムキの集団。

ひええ・・・なんという迫力。

しかし噓でしょ、ライアンさんまで來たんですか・・・

「にいちゃんにいちゃん!また新しいが來たのってうわぁあ!!筋達磨がいっぱいいるし!!!パねえ!!やべえし!!!」

「ぐええ」

何を勘違いしたのか家から出てきた朝霞が、これまた何故か俺の背中に飛びついてきた。

危ないだろ刀持ってんだから!!

ああもう滅茶苦茶でござるぞ!!!

「あらあら、いっぱい食べそうな人達ねえ・・・干、足りるかしら?」

そしてねえちゃんはいつも通りだった。

うーん、母は強し。

俺はもう考えることを放棄した。

なーちゃんは大量のお客さんにテンションが上がって飛び跳ねていた。

俺達に軽く挨拶をした後、駐留軍の皆様は古保利さんのいる富士見邸へと向かって行った。

その総數は自衛隊よりも多く、全部で20人・・・大迫力だった。

みんなデッカイ耐水リュック擔いでるし、ライアンさんみたいなガタイのいい人はその上ビニールでパッキングしたライフルやら機関銃やら擔いでたし。

・・・なるほどね、今日の會議ってこれか。

そりゃ、神崎さんも式部さんも行くわけだよ。

「やっぱりオブライエンさんのこと知ってたんですね、アニーさん」

「ふふふ、面識がないとは言っていないぞ?」

そしてアニーさんはやはり殘っている。

は母國語でオブライエンさんと長めに話していた。

お互いに真剣な表で、ちょっとり込めないじだったな。

「私は佐を知っているが、佐は私を知らないがね」

「・・・流石謎の特殊部隊」

し謎が多いだけさ・・・佐の方がよほど有名だし有能だぞ?」

そうなんだろうか?

「あのなあ、イチロー・・・他國に派遣される部隊の指揮が無能なわけがないだろうが」

「あ、ですね・・・考えてみりゃそうだな」

自國よりもよっぽど気を遣うもんな。

確かに変なのは派遣できんわな。

「・・・そういう抜けている所もポイントか、ふむふむ」

アニーさんはよくわからないことを言いながら家に帰っていく。

「ひゃわあ!?どしたんアニーちゃん!?」

「いやいやいや・・・ふふふ、アサカも大変だと思ってなあ」

その途上にいた朝霞をわしゃわしゃでてから、またニタニタ笑っている。

ううむ、謎である。

「というわけで、私は寢る。夜更かしはの天敵だからな」

「ああはい・・・おやすみなさい」

「おやすみアニーちゃん!」

アニーさんは家にり・・・後には俺と朝霞、それになーちゃんが殘された。

「朝霞・・・アニーさんって大人だな」

「ねー!デキるオンナってじ!あーしもめざそっかな!!」

ふんす!とガッツポーズをとる朝霞である。

「・・・そっか、頑張れよ。オマエナラデキル」

「なんか馬鹿にされてるケハイがするし!」

「グワーッ!!」

そして巻き付かれた。

そういう・・・そういうとこだぞ!お前!!

デキるの必須技能にこれは含まれてないだろう!?

「ワウゥ・・・」

なーちゃんは哀れな生きを見るように、俺達へ視線を送っていた。

・・・俺も寢るかな。

結局早々に眠りにつき、いつも通りの朝を迎えた。

いつものように俺の橫で眠る朝霞を半ば無視しながら、窓から外を見る。

「・・・雨か、珍しい」

いつになく激しい雨が降っている。

ここへ來てから、こんなにザーザー降るのは初めてじゃないかな?

こりゃ、今日は釣りも散歩もなしかな。

朝霞を放置して1階へ下りていくと、居間に式部さんがいた。

俺が寢た後に戻って來たんだろう。

ソファに座って庭の方を眺めていたようだが、俺に気付くといつものように笑顔を向けてきた。

「一朗太さん!おはようございます!」

「おはようございます式部さん・・・昨日はお疲れ様です」

俺も対面のソファに腰かけると、目の前に湯呑が置かれた。

「いえいえ、自分たちはアレが仕事でありますので」

すぐさまそこに、湯気の立つお茶が注がれる。

なんと用意のいい・・・

「神崎さんはいないんですか?」

「あ、二等陸曹はですね・・・」

「はい、おはようございます」

庭先から神崎さんの聲。

「ああ神崎さん、おはようござうぉっ!?」

ビックリしたぁ・・・なんで塗れなんですか!?

「神崎さん怪我でも・・・ああ、なるほど」

尋ねようとして、神崎さんの後ろにあるに気付く。

「今日は鹿ですよ!田中野さん!!」

庭には二羽ニワトリ・・・じゃなくて、皮を剝がれた鹿のなれの果てが転がっている。

いや、だけだからわかんないけど神崎さんがそう言うし・・・

更にその周辺では、雨にも関わらずテンションがヤバいことになったなーちゃんがアグレッシブに跳ね回っている。

食系子・・・だな!

そして、貴重なドヤ顔神崎さんだ。

これは朝から縁起がいい・・・のか?

「山に仕掛けた罠を早朝確認したところ、立派な個がかかっていましたので!」

「・・・すいませんねえ、いつもいつも」

「いいえ!田中野さんが元気になっていただければそれで!」

・・・ううう、泣きそう。

「に、二等陸曹!じぶ、自分も!自分もお手伝いするでありますっ!!」

「ええ、お願いするわ陸士長」

「あ、じゃあ俺も・・・」

「駄目です!!」「駄目であります!!」

ああん。

息がぴったりぃ・・・

「まあまあ、いつもながらすごいわあ」

ウキウキででっかいナイフを準備し、さっそく解にかかっているバイオレンスな2人の作業を見學しているとねえちゃんがやってきた。

お盆の上には自家製のジャムを塗ったこれまた自家製のパンの姿。

「はい、いっくんどうぞ。今日のジャムはマーマレードよ」

「わぁい」

食事事が恵まれすぎている件について。

マジで今がゾンビパニック中だって時々忘れるな、ここにいると。

「いただきます・・・うまぁ」

一口かぶりつくと、ほろ苦いジャムの味が口いっぱいに広がる。

パンもカリっと香ばしいし・・・ああ、最高。

「どうかしら?」

味いっていう想しか出てこないよ・・・ああ、高柳運送の子たちにも食わしてやりてえなあ」

みんな元気に・・・してるとは思うけども。

先輩方に加えてモンドのおっちゃん一家に大木くんまでいるからな。

ちょっとやそっとの襲撃じゃビクともしないだろう。

でもなあ・・・味いもんは子供たちに無限に食わしてやりたいからなあ。

ただでさえ、あの子たちは不憫すぎる出自なんだからさ。

せめて、腹いっぱい食って幸せになってもらいたい。

「あら、前に言ってた子供たちのことね?そういえば詳しく聞いてなかったわ・・・ねえ、どんな子たちなの?」

「みんないい子たちだよ、うん。でも、いい子たち過ぎてね・・・もうちょっと我儘の一つでも言っても罰は當たらんと思うんだけどねえ」

あの子たちは時々、俺達大人の顔を窺うような素振りをする。

機嫌を損ねたら捨てられる・・・とでも、思ってるんだろうか。

皆を引き取って一緒に暮らし始めて、もう隨分な時間が経つが・・・それでも時々そういう視線をじるのだ。

こっちにはそんなつもり、頭ないっていうのに。

「・・・不憫だなあ、畜生。もっと俺が頼りがいのある男にならなきゃなあ」

引き取ったからには最後まで・・・どこまでかしらんが、面倒は見る。

このゴタゴタがある程度収まって、あの子たちが獨り立ち・・・というか、こう、公的な孤児院とか學校にれるまでは・・・かなあ?

いったいいつになるかわからんけども。

「こーら」

「あいて」

お盆で頭をはたかれた。

ねえちゃんがほんのし怒っている。

レアだ。

「そんな顔するんじゃないの、頼ってもらうにはね、自信ってものが必要なのよ?いっくんはねえ・・・それが足りないの!」

「返す言葉もございません・・・」

「考えてもみなさい!あなたはこおんな狀況で、ゾンビとか変な人を向こうに回して大暴れして・・・警察でも軍隊でもないのに避難所みたいなもの作ってるのよ!?いっくんはねえ、十分!人に誇れる事をやってるの!」

今度は暴に頭をでられた。

超恥ずかしい。

拙者オッサンでござるが・・・?

を張りなさいな、いっくん。あなたがしたことは、誰にもおいそれとできるようなことじゃないんだから・・・ね?」

そう言って俺の顔を覗き込むねえちゃんの目は、死んだ婆ちゃんによく似ていた。

『ほんとうに、アンタは優しい子だねえ』

いつだったか、そう言われたのを思い出した。

ゆかちゃんが死んで、道場に通い始めた頃だったような気がする。

あの時の俺は、婆ちゃんにどう見えていたんだろうか。

『いつか、アンタの優しさをわかってくれる人がいっぱいできるよ。婆ちゃんが保証してあげる、必ずね』

そう言って、痩せた腕で頭をでられた日を思い出した。

・・・あれからすぐだったなあ、婆ちゃんが死んだのは。

この島に來た時に見た夢で、大師匠が言ってたっけな。

『上で見てた』って。

あれは幻覚だろうが・・・もし、本當にそうなら。

そうだな、婆ちゃんに見られて恥ずかしいようなことは出來ねえなあ。

「・・・まあ、ぼちぼち頑張るよ、ねえちゃん」

「そうそう、小さなことからコツコツよ!・・・でも、ここから出たらその子たちに會うのが楽しみねえ」

「・・・え?ねえちゃんたちも高柳運送に來る気なの?」

いつの間にそんな話になったんだろうか。

いや、別に全然かまわないけども。

「あら?いっくんは可哀そうな従妹母娘を寒空に放り出しちゃう気なのかしら?悲しいわ~悲しいわ~」

ねえちゃんはわざとらしく泣き真似のような所作。

「いやいやいや、そんな気はないって!ただ、他の避難所の方が安全だし設備も整ってるし・・・うわっ!?」

慌てて説明しようとした所、背後から何かに巻き付かれた。

何かっていうか誰かに。

「やだし!あーしはにいちゃんと一緒に住むし!!かあさんも!!!」

「アッー!?やめてせっかく治りかけた肋骨がまたグズグズになっちゃうからやめて!!!」

たすけて!!すごいちからだ!!!

「ウゥウウ・・・」

そしていつの間にか窓の隙間からなーちゃんがこちらを睨んでいる!!

何その顔!野味が凄い!!!

「なーちゃんも!もちろん!みんなで一緒に愉快に暮らそうなあ!?」

「バウ!!バウバウ!!」

そう聲をかけると、野生は瞬く間に消え去った。

この子も賢いな・・・!!

「にいちゃぁあん!!前から思ってたケド!!!なんでなーちゃんにばっかり優しいのっ!!あーしも!!あーしも!!!」

「やめろ馬鹿新鮮なマーマレードが胃から出しちゃう!!!やめて!!!オボフ!!」

「あらあらまあまあ」

「まったく・・・朝から元気なものだな、リン、アカネ」

「よいことであります!一朗太さんが元気だと心が弾むであります!!」

「ええ、とても」

「・・・ああそうそう、キミらがイチローにコロッといった原因な、私にも最近わかる気がするよ」

「「・・・は?」」

「ふふふ、アレが『ギャップモエ』だろう?東洋の神だな、はははは」

「え!?あ!?わら、わらしはしょんな!?べべべべ別に!?」

「ウワーッ!!危ないであります二等陸曹!!ナイフを振り回さないでしいであります!!!」

「HAHAHA!!!!」

なんか知らんが窓の外もえらい楽しそうだな。

全員雨でビッショビショだけども。

俺は朝霞に巻き付かれながら全力で現実逃避をすることにした。

    人が読んでいる<【第二部連載中】無職マンのゾンビサバイバル生活。【第一部完】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください