《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》190話 空中戦
「ココはセマイデスねぇ……」
アリシアが呟く。
一際大きな破壊音が響いたかと思うと――部屋の中心あたりの屋に巨大なが空いたのが見えた。
どうやらアリシアが魔法で開けたのようだ。
そのままから外へと飛び出した二人の影は――夜の空でぶつかり合った。
ギャリリリリッ!
金屬同士がれ合うような不快な音が鳴り響き、火花が散る。
「アリシアさん! もうやめてちょうだい!」
空中で靜止したまま、イザベラが悲痛なびを上げる。
だが――アリシアは止まらない。
「あハハハハハハハハハハッ!!」
狂気的な笑い聲を上げながら、再び攻撃を仕掛けてくる。
先程よりも更に速く、重い一撃だ。
「くっ……!」
イザベラはそれをなんとかけ流すことに功するも、衝撃で大きく吹き飛ばされてしまう。
(このままじゃまずいわ……!)
どうにかして彼を正気に戻す方法を考えなければ、このままでは一方的にやられてしまうだけだ。
(どうすればいいの……?)
必死に頭を回転させ、打開策を考えるイザベラだったが――そんな余裕すら與えないとばかりに、アリシアの攻撃が再開される。
(こうなったら一か八か……)
覚悟を決めると、彼は大きく息を吸い込んだ。
そして――大聲でんだ。
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