《【第二部連載中】無職マンのゾンビサバイバル生活。【第一部完】》36話 平和な海辺と不吉な衝撃のこと

平和な海辺と不吉な衝撃のこと

「ステイステイ・・・オッケー、ゴーッ!!」

「バウ!!」

青空に向かって、掛け聲と共にフリスビーが飛ぶ。

それを追って、なーちゃんが砂浜を蹴って走り出す。

いつもの緩んだ表とは違い、悍な顔で前を見つめて。

「ナイスキャッチ!!カモン!!!」

疾走したなーちゃんは瞬く間にフリスビーに追いつき、砂を蹴って跳躍。

見事にキャッチして綺麗に著地した。

「オーウ!グッガール!グッガール!!ハハハ!!!」

「バウ!ワウ!」

そして、帰ってきたなーちゃんをごとけ止めてその頭をガシガシでているのは・・・そう、ライアンさんである。

鍛え上げたをラフな格好・・・というか朝霞の兄貴シャツと短パンという簡単な服裝だ。

ちなみにには『 武 士 道 』と書いてある。

見た瞬間にライアンさんは気にったようだ。

うん、そうだと思ったよ。

「オジョーズオジョーズ!!ワンモア?ワンモア?」

「ヘッハッハッハッハ!!」

ライアンさんの問いかけに『もっともっと!!』とでも言うように返すなーちゃん。

その目はキラキラと輝いている。

まさに、目は口程にを言うってやつだな。

「オッケー!!ステイステイステイ・・・ゴーッ!!」

「ワウゥ!!!」

再びフリスビーが空を舞い、なーちゃんは嬉しそうに走り出した。

「うーん、平和だ」

俺は、それを見ながら砂浜に寢転んで煙草に火を點けた。

さて、今日は何をしようか。

「オハヨウゴザイマス!センセーッ!!」

庭で神崎さんたちが、雨にもかかわらず楽しそうに鹿を捌いているのをぼうっと眺めていると玄関の方からデッカイ聲がした。

懐かしい聲だなあ・・・

昨日の晩も思ったけど、ライアンさんも元気そうでよかった。

「あらあら、元気なお客さんねえ」

「あ、いいよねえちゃん。俺の前からの知り合いだから出るわ・・・上がってもらってもいい?むっちゃいい人なんだけど」

「いいに決まってるじゃないの!いっくんの友達なら安心だわあ」

俺への信頼度がバグりつつあるねえちゃんを殘し、玄関へ向かう。

そして何故か朝霞もついてきた。

「にいちゃん、ガイジンさんと知り合いなんだねえ・・・い、いんくれでぃぶる?」

「・・・インターナショナルかなんかと間違えてんな、お前」

ツッコミながらも玄関へ。

すりガラス越しに、デッカイが見えている。

っていうか枠から余裕ではみ出てるな。

・・・石川さんよりデカいもんな、ライアンさん。

ちなみに近な所での長差であるが。

とまあ、こうなっている。

こうして考えると七塚原先輩本當にデカいな・・・あ、敦さんもおんなじくらいね。

・・・俺ももうし背がしいなあ。

いやまあ、この國の平均長よりは大分あるけども。

もう一つちなみにではあるが、近な陣はというと。

後藤倫先輩

と、こんなじだ。

沙姉は朝霞くらいで、璃子ちゃんや玖ちゃんは後藤倫パイセンより下ってじ。

元バレー選手だけあってさんもデカいからなあ・・・俺とそんなに違いないし。

「今開けまーす」

しょうもないことを考えながら玄関を開ける。

「昨晩ぶりですね、ライアンさん・・・お元気でしたか?」

「ハーイ!ゲンキデス!!センセイモ・・・オカワリ、ナク?」

「おーいえす、あいむふぁいん、てんきゅう」

何故疑問文になるのか、コレガワカラナイ。

そんなに始終大怪我ばっかりしてると思われているんだろうか。

今はちゃんと服を著ているから傷はわからんと思うけども。

「んな、ないすとぅ、みーちゅう?」

俺の後ろから顔を出した朝霞が、おっかなびっくり挨拶している。

おや、いつもよりおとなしいな・・・ああ、ライアンさんいい人だけど厳ついもんなあ。

「オーウ!ベッピンサンデスネ!!」

「せ、せんきゅう!へへへ、にいちゃん!べっぴんさんだって!!」

朝霞は嬉しそうに俺のシャツを引っ張り・・・首が締まる。

やめてくれないか、シャツがべろんべろんになっちゃう。

あと気付いてる?日本語通じてるからねこの人。

「まいねーむいず、あさか!あらかわ!!」

「ワタシハ、ライアンデス!ライアン・ギブソン、イイマス!」

ほへー、ライアンさんの苗字初めて聞いた気がする。

なんかカッコいいな。

「よろしくおねしゃー!うーわ!でっか!手ェでっか!!」

「HAHAHA!!」

・・・目を離した隙にガッチリ握手しとる!!

朝霞はコミュ力のお化けか何か?

やはりギャル・・・特にのギャルは牙島にて最強・・・!

「朝から元気ねえ~、いっくん、ってもらいなさい。その人に朝ご飯食べていってもらいましょ」

騒ぎを聞きつけてきたねえちゃんによって、恐するライアンさんは居間へ連行された。

彼はダイジョウブ!ダイジョウブデス!!と主張していたがそれは聞きれられず・・・

気が付いたら干をモリモリ食っていた。

お箸の使い方が上手だなあ・・・さすが駐留軍、なのか?

結局荒川家の食事はとても口に合ったようだ。

まあ、合わない方がおかしいか。

その結果、ライアンさんは『オイシイ!オイシイ!!』しか喋らなくなった。

ねえちゃんは心から嬉しそうにバンバンおかわりを持ってきてあげていた。

いくらそのでもそんなにるのか・・・という量の食事を平らげたライアンさん。

食後のお茶が終わるのを待って、今日の訪問の目的を聞いてみた。

すると、彼の口から語られたのは・・・

「なるほど、連絡要員・・・メッセンジャーってことですか」

「ハイ!」

というわけだ。

自衛隊からの連絡要員兼護衛は、神崎さんと式部さん。

駐留軍からはライアンさん・・・ってことね。

よかった、正直駐留軍の皆さんにライアンさん以外で親しい人いないんだよね。

何度か稽古もどきをしたから、向こうは俺の顔くらいは知ってる人もいるかもしれんけど。

なんにせよ、気心の知れた友人が増えたのはありがたいねえ。

・・・本人は『弟子』を自稱しているが。

「そういえば、神楽での英會話教室ってどうなったんですか?」

「オー・・・避難シテキタ人ノ中ニ、小學校ノセンセイ、イマシテ・・・オヤクゴメンデス」

ライアンさんはちょっとションボリしている。

お役免かあ。

避難民の中に教師がいたのか。

れてるってことは、神楽のも充実してきてるんだろう。

でもエネルギー問題とか・・・あ、ダム経由の電気が使えてるのか。

それはよかったな。

「デモ、子供イッパイ増エマシタ!毎日ミンナゲンキ!ニギヤカ!!」

「そいつはよかった。子供が元気なのは何よりです」

これからの世代が育っていかないと絶滅不可避だもんな。

産めよ増やせよでいいんだ、うん。

・・・あ、そういえば石平先生が面倒見てた妊婦さん、どうなったかなあ。

元気な赤ちゃん産んでくれればいいんだけどなあ。

「そうでありますなあ、最近稚園に避難していた集団が合流しましたから。それで一気に小さな子が増えたであります!」

庭にいたはずの式部さんが、いつの間にか俺の橫でお茶を啜っている。

えっ・・・鹿の解・・・そう思って庭に目をやると、ドヤ顔でナイフを掃除しているアニーさんと目が合う。

神崎さんはのパーツを細かくしている。

・・・あ、終わってるんだ、早業すごいですね。

でも丁度いいや、聞いとこう。

「式部さん、石平先生ってご存じですか?」

「ああ、産婦人科の先生でありますね?ええ、奧さん共々子供たちに大人気でありますよ」

ダイキ達も元気にやってんのかなあ・・・

まあ、友以上の防力だもん、大丈夫に違いない。

なんたって自衛隊・警察・駐留軍揃い踏みなんだからな。

凄まじい安定だ。

「それじゃあお聞きしますけど・・・石平先生が診察してた妊婦さんってどうなりました?名前は・・・ちょっと忘れちゃったんですけど」

「ふむ、妊婦さん・・・ああ!ひょっとしてあの方でありますかな?」

しばし考え込んだ式部さんは、ぽんと手を叩いた。

「ちょっと前に出産して、母子ともに健康だと聞いております!」

「おー!そいつはめでたい!!」

そんな狀況でよく産まれてくれたもんだ。

電気も薬も満足にないのに、石平先生頑張ったんだなあ。

もちろんあのお母さんも。

「難産だったそうで・・・産気づいてから明け方まで長引いたようですが」

「それは・・・大変ですね」

「オウ、オボエテマス!テツダイマシタ!!」

「そうでありました!聞くところ軍曹殿も大活躍でありましたなあ!」

・・・ライアンさんが!?

噓でしょこの人もそれ系のスキル持ちなの!?

「オユヲ、バンバンワカシマシタ!ソレニタオルケットノ消毒モ!!チョウド暇、デシタノデ!!」

・・・お湯かあ、納得。

よく時代劇とかで『お湯沸かして!!』ってシーンは見たことあるけど、まさか現代でもそうだとは。

今は狀況が狀況だからなあ・・・

「ふふぅふ、それにしてもかわいらしい赤ちゃんでありましたなあ・・・元気な4つ子で」

「4つ子ォ!?」

・・・ふわあ。

あの妊婦さん、頑張ったんだなあ・・・すごく。

石平先生たちも大変だっただろう。

「そのうちの1人が出産後すぐに泣かなかったんでありますが・・・石平先生の奧さんがおをスパーン!と叩きまして・・・」

「おおう、そりゃ大変だ」

産まれてすぐ泣かないってのは、自発呼吸ができない・・・んだっけ?

そのままだと息ができずに亡くなってしまう。

だからお醫者さんがおを叩いていたんだよな、昔は。

「『ほら!お願い!!頑張って!!みんなが待ってるのよ!!』って・・・はあ、凄い景でありました」

「マイサン・・・息子ノコト、思イ出シマシタ。アノ子、小サイ時・・・トテモ、弱イ、デシタ」

ライアンさんは何かを思い出すように、潤んだ瞳で天井を見上げた。

思い出してるんだろうなあ、家族のこと。

海外は遠いぜ・・・

・・・それにしてもほんと、大変だったんだなあ。

「今は母子ともにすっかり健康であります!その・・・避難民の中には子供を亡くされた方も多くいらっしゃいますので、あまり大っぴらには喜べませんが・・・」

ああ・・・うん。

難しい問題だ、それは。

どっちが正しいとかそういう問題でもないしなあ。

「しかし、子供の育は國家のこの先にまで影響を及ぼすでありますから」

「ですね、いくらゾンビがいなくなっても子供がいなくちゃ國が滅びますから」

まあ、まずはゾンビをどうこうせんと駄目なんだがな。

ノーマルはともかく、黒・・・それに白黒、さらにネオはヤバい。

俺は1対1ならなんとかなるかもしれんが、白黒とネオはマジでヤバい。

あんなのが増したらどうにもならんぞ。

それこそ某ゾンビゲーよろしくクソデカ弾で街ごと・・・とかやらんといかん。

それは嫌だなあ。

「高柳運送も友もそうですけど、子供が元気だと空気まで平和になりますからね。いいことです」

スクスク大きくなれよ、4つ子ちゃん。

いつかサクラも會わせてやりたいもんだ。

あの子、子供大好きだしな。

「にいちゃん子供にやっさしい!あーし的にポイント高いよ~」

朝霞がお煎餅の詰め合わせをテーブルに置く。

おっと、これは・・・ミチヨさんお手製のものじゃな?

やったぜ。

これ味いんだよなあ。

「・・・なに言ってんだよ。度を越えた糞鬼以外に優しくすんのは當たり前だろう」

子供はい。

育ち切った大人と比べるのは流石にかわいそうだろう?

これから大きくなっていくんだから。

え?大人?

・・・健康なら頑張ってなるべく自力で生きていってくれ!!

ご老人はまた別の話。

「・・・シキブサン、ね?えへへ、やばいっしょにいちゃん」

「ふふぅふ。で、ありますなあ・・・やはり一朗太さんは最高でありますよ」

朝霞と式部さんはなにやら見つめ合って煎餅を齧っている。

・・・ほんっとに仲良くなったねキミ達。

あとヤバいってなんだヤバいって。

「ライちゃんも食べてね~どんどん食べてね~」

「ハイ!ママサン!!」

その橫ではねえちゃんによってライアンさんが餌付けされている。

・・・いつの間にかあだ名をつけられておる!?

荒川一家、コミュ力高い・・・

「田中野さん田中野さん!今日もおいしい燻製ができそうですよ!」

「おや、見慣れない筋がいるな。まあ、チエコさんがOKなら私は何にも言わんが」

神崎さんとアニーさんが庭から戻って來て、ますます賑やかになりそうだ。

俺は、煎餅を齧りながら平和も一緒に噛み締めていた。

・・・というのが今朝の話。

その後に雨が上がり、晴れてきた。

そうしたら庭のなーちゃんがテンションマックスだったので、散歩と灑落こんだのだ。

慣れるまでは時間がかかるけど、基本的に寂しがりで人間大好きだもんなこの子。

今日は任務がないというライアンさんがついて來ようとしたので、『その恰好じゃ不便でしょう』とねえちゃんが服を貸していた。

・・・ピッチピチだけど本人は楽しそうなので良しとする。

ある程度大柄な朝霞の兄貴も、さすがに規格外のライアンさんが相手ではな・・・

そうそう、ちなみにライアンさんを見たなーちゃんは30分くらいででることを許していた。

どうやら彼は、犬好きを見抜く才能があるらしい。

今では家から持ってきたフリスビーに夢中である。

「おやぁ、私にも1本あるのだろうな?」

乾いた砂に寢転がっていると、アニーさんが顔を覗き込んできた。

無言で煙草の箱を差し出すと、彼はそこから1本取って咥えたままの俺の煙草で火を點ける。

「ふふ、ゴショーハンにあずかろう」

そのまま、橫にゴロンと寢転がった。

うーん、自由人。

「イチローもライアン軍曹にナーチャンを押し付けて、いいご分だなあ」

「て・・・適材、適材適所です」

煙を吹かして誤魔化す。

いいんだよ・・・代わってくれるって言ったんだから・・・

「しかし、いい男の周りにはいい男が集まるのだなあ。素晴らしい筋・・・眼福眼福、というやつだ」

アニーさんはニマニマしながらライアンさんたちを見ている。

俺の周りって筋フェチ多いな?

・・・俺がいい男なのは甚だ疑問ではあるが、ライアンさんについてはな。

デカいし、強いし、優しいし、男に必要な要素全部あるじゃん。

ニンニクマシマシヤサイカラメチョモランマ?じゃん。

「だが惜しい。妻子持ちとはなあ・・・殘念だが諦めよう。私は家庭持ちにモーションをかけるほど恥知らずなではないのでな」

なんかが始まる前に終わっていた。

アニーさん・・・素晴らしい倫理観だすばらしい。

不倫なんかする奴の気が知れないね、俺も。

勤めてた會社にもいたなあ、不倫で首になった奴。

家庭持ちの上司と不倫したんだっけ?たしか。

ま、そんな倫理観が死んでるやつと一緒に仕事したくねえし。

・・・俺の部署以外は意外とマトモだったんだよな、うちの會社。

社長がアレなのによくもまあ・・・部下がしっかりしてたんだろうか。

「・・・おやおやぁ?こんな所に獨のいい男がいるじゃあないか」

「あひっやめてくださいあひひ」

脇腹をリズミカルにつついてくるアニーさん。

この突拍子のなさ・・・後藤倫パイセンに通じるものがある!

わかったところでどうにもならんのだがね!

「どうだね、イチロー・・・ここにれたを持て余したがフリーなんだが・・・?」

「ちょっ顔が近い近い火傷しちゃう!!」

煙草を咥えたまま寄ってこないで!!

ほっぺにが開いちゃう!!

「あああああ~~~~!!!」

家の方からび聲がする。

朝霞だろう。

「アニーちゃん!!アニーちゃん!!いちゃいちゃすんなし!!ずるいし!!!」

あっという間に聲が近付いてくる。

朝霞は足が速いなあ。

「はっはは。何を言うかアサカ・・・キミも混ざればいいだろう?」

「は?何言っt」

「アニーちゃん天才~!!!!」

「あっず!?」

走った勢いのまま朝霞は俺の上へダイブ。

それによって思わず口から飛び出た煙草が首に落ちた。

の焼ける臭いがする!!!!!

「あああ!?ごめっ!ごめんねにいちゃあん!!!」

「待て待て待て舌を出すな何をする気だお前馬鹿!!!ステイ!!ハウス!!アサカハウス!!」

「あーし犬じゃないし!!じっとしててよお!ん~~~~~♡」

「ヤメロ!!ヤメローーーーーー!!!!!!」

舐めて消毒とかの発想がもうワンちゃんなんだよ!!!

くそっ・・・離れなさい!!離れ・・・凄い力だ!!!!

「ふふ。退屈しないなあ、ここにいると」

暴れる俺たちを目に、アニーさんはを起こしてニヤニヤと笑っていた。

この野・・・郎!!!

なにイイじの空気作ってんですか1人で!!

救いはないのですか!!!!!

「バウ!!ワゥン!!!」

あ!なーちゃん!!

救いの主よ!!!

この頭がちょっと茹だった朝霞をなんとかしてください!!!

「いっでえ!?」

フリスビーを咥えたまま猛ダッシュしてきたなーちゃんは、嬉しそうに朝霞に飛び掛かった。

・・・もみくちゃにされる相手が増えただけじゃねえか!!

神よてめえ!!!

「センセーイ!!ユアオーケー!?」

「ノオオオオオオオオウ!!エマージェンシーーーーーーー!!!海軍の支援を要求する!!!!!」

走ってくるライアンさんにんだ。

―――ちょうど、その瞬間だった。

ずん、と腹に響く衝撃。

俺じゃない。

地面が、揺れた。

これは、地震か!?

「にゃ!にいちゃん地震だし!タカダイに逃げないと!!」

「おう!ライアンさん!!アニーさん!!」

相を変えて起きる朝霞に続く。

さすが漁師の家系だけあって、津波に対する反応が速い。

なーちゃんもさっきまでのアホ・・・かわいい面はどこへやら。

すぐさま勢を低くして周囲の狀況を探るような仕草をしている。

「アニーさんなにして・・・」

「shut up!!」

ところがアニーさんは反対に地面に伏せ、片耳をぴったりと砂に付けている。

なにをしているんだと聞きたいが、今めっちゃ怒られたから黙っていよう。

「・・・!」

ライアンさんも、片手を耳の後ろにマウントして音を聞いている様子だ。

・・・地震じゃない、のか?

確かに、揺れっていうか衝撃が短かったけど。

「っひゃう!?」

2度目の衝撃。

今度は続けて2つじた。

抱き著いてくる朝霞の頭をでつつ、俺も靜かに音を聞く。

「・・・ッ!!」

3度目の衝撃。

今度はハッキリとわかった。

これは・・・地震の揺れじゃない。

憾ながら、この騒で何度か経験した記憶のあるもの・・・だと思う。

その後、5度まで衝撃はあり・・・そして噓のように靜かになった。

しばらく待っても無音のままだったので、アニーさんがを起こす。

「・・・アニーさん、今のって」

パンパンとに付いている砂を落としながら、アニーさんは眉をひそめて吐き捨てた。

「―――発の衝撃だ。地下の・・・坑道で何かあったらしい」

俺は、平和がぐっと遠のいた気配をじていた。

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