《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》192話 決著?

「ソロソロオワリにシテアゲマスよぉ……」

そう言うと、アリシアは再び魔力を練り上げ始めた。

それは、今までで最も強大な魔力だった。

イザベラは慌てて防魔法を展開する。

しかし、それでもまだ不安が殘るレベルだ。

果たして防げるのか?

そう疑問に思うも、アリシアは待ってくれるわけではない。

の手から魔力弾が放たれてしまった。

「うぅ……!」

苦しげな聲をらしながらも必死で耐えるイザベラ。

前世の知識を持っている彼にとっても、今のアリシアの攻撃を防ぐことは容易ではない。

それでも何とか耐え続けていたのだが、そこにアリシアの神攻撃が加わる。

「あハッ! イザベラサマぁ……。アナタとナカノヨカッたオトコドモはモウイナイノデスよぉ……? イツまでも、ムダナコトヲシナクテモイインデスよぉ……?」

「っ!?」

その言葉に揺してしまうイザベラ。

その一瞬の隙を突いて、アリシアは魔力弾にさらなる力を込めた。

「ぐ、ぐぅぅっ!」

必死に耐えるイザベラ。

しかし、一度崩れかけた防魔法は脆くなっており、今にも崩壊しそうになっていた。

(まずい……このままだと押し切られる……! ――でも、確かに彼の言う通りだわ。もう、私には何も……)

がそんなことを思った次の瞬間――ついに限界が訪れた。

パリンという音と共に結界が破れてしまい、闇の魔力弾がイザベラを襲う。

「――ごめんなさい。エドワード殿下、フレッド、カイン、オスカー。そして……アリシアさん……」

イザベラは靜かに目を閉じると、死を覚悟したのだった。

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