《ロング・ロング・ラブ・ストーリーズ 4度目のさようなら that had occurred during the 172 years》第6章 1983年 プラス20 – 始まりから20年後 〜 1 髭と眼鏡と……真実と(5)

1 髭と眼鏡と……真実と(5)

結果、剛志はそこそこ酔っ払って、店を出たのは日も暮れかかる頃となる。もちろん會計は小柳氏持ちで、剛志は何度も頭を下げて彼の車を見送った。

元の時代でも世話になって、今回もある意味彼のおかげで救われた。

彼が會社を引き継いでなければ、この先もすべてを知らないままだったろう。失蹤したのは自分のせいだと思い続けて、ミニスカートを目にするたびに心れていたかもしれない。

結局、剛志は時期を間違えたのだ。

そもそも東京オリンピックの年に、大流行するなんてのが大間違いだった。

実際はその翌年の暮れぐらいからポツポツと売れはじめ、大ヒットするのはさらにそれから數年後のことだ。

ただとにかくこの日本では、ミニスカートを最初に企畫したことには違いない。

さらに言うなら、もし返品れがなかったら、あの大歌手はミニスカートを穿かなかったか? それとも多の時期ズレはあっても、やはりあれをにつけて新曲を披したのか……?

まあなんであれ、きっと何も変わらないのだ。

一點だけあったという返品れも、一萬著以上という発注數も決まっていたことで、そんなこんなぜんぶひっくるめて今がある。

それでも、もしもう一度、あの時代に戻れるなら、今度こそちゃんとやれると思うのだ。

なんとしても正一を説得し、病院で検査をけさせる。もちろん通事故にだって遭わないよう気をつけるし、小柳社長のことも同様だ。

しかしそうするにはマシンが絶対必要で、もう二度と、戻れないからこその今なのだ。

店を出てからそんなことばかり考えて、ふと気づけば人形町辺りまで歩いてきてしまった。

――いかん! 早くしないと、夕飯に遅れてしまう。

最近節子は、自宅で料理教室まで始めていた。

そんなだから當然のように、何も言わなければ手の込んだ手料理を用意してくれる。もちろん先に食べたりしないから、あんまり遅くなるのはどうしたってまずい。腕時計を見れば、すでに五時を回ろうとしている。

彼はそんな認知の後すぐに、営団地下鉄、人形町駅に向かって全速力で走っていった。

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