《僕の姉的存在の馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜》

學校の中での楓って、どんなじなんだろう。

一緒に登下校をしていても、そういった細かいところは見せてくれないから、ちょっと心配だ。

もしかして、クラスで孤立していたりするのかな?

「どうしたの、香奈姉ちゃん? 僕の顔になにかついてる?」

楓は、思案げな表でそう訊いてくる。

どうやら、じっと楓の顔を見ていたみたいだ。

意識していたわけではないんだけど……。

「ううん。なんでもないよ。ちょっとね」

私は、しだけ含みを持たせた返答をした。

最近、風見君と一緒に帰ったりしてないのは、私たちが原因なのはよくわかっている。

だからこそ、心配なのだ。

友達付き合いがうまくいってないのではと……。

杞憂ならいいんだけど。

季節は夏だ。

制服も夏のものになって、子校ではより一層、積極的になっている。んな意味で──

そんなこともあり、私自も楓と一緒に帰ったりするのは仕方のない事だ。

なにより、楓には夏の制服を著た私の姿も見てほしいから。

「ねぇ、弟くん」

「なに? 香奈姉ちゃん」

「今日から夏服になったけど。想とかってないのかな?」

「う~ん。香奈姉ちゃんの素足がとても綺麗だなって思うくらいだけど。いつも見てるからなぁ」

「いつもそんなところを見てるんだね? やっぱり弟くんって、腳フェチだったりするんだ」

「べ、別にそういうわけじゃなくて……。なんとなくブラウスのところを見ると、が大きいなって思って──」

「そっかそっか。おまけに私のおっぱいが大好きなんだ」

「そんな言われ方をされたら、どこを見てどう言えばいいのかわからなくなってしまうんだけど……」

「もっとこう、何かあるでしょ? 例えば、『今日の制服姿はとっても可いね』とか──」

私は、スカートの裾を指で摘んでしだけたくし上げる。

見えるか見えないかのギリギリまでたくし上げたが、たぶん見えてはいないと思う。

子校の制服はスカートの丈はもちろん短いが、夏のブラウスもそれなりに薄手だ。

それこそ、ちょっとでも水なんかを浴びてしまったら、中に著用している下著なんかがけて見えてしまうくらい。

今の狀態でも、太などでけて見えてしまっているんじゃないかと心配している。

どうやら楓は純白の下著が好みらしいので、なるべくそのを著用しているけど……。

これはさすがに意識しすぎかとも思えるが、楓にとっては良い刺激になるだろう。

「たしかに香奈姉ちゃんの夏の制服姿は可いけど……。それを言わせたら、子校に通っているみんなに當てはまってしまうような気がするし……」

楓は、そう言って近くを歩いていた他の子生徒を見やる。

私と同じ子校に通っている子生徒だ。

たしかに夏服を著ているのは私だけではない。

そのの子も、普通に夏の制服を著こなしている。

基本的に子校の制服は白のブラウスにチェックのスカートというしっかりとした印象の中にも、オシャレさも出るようにできているから、ごく普通のの子でも可く見えたりはするんだろう。

私も、その子と同じくらいなのかな?

私はちょっとだけムッとなり、楓の腕にギュッとしがみついた。

「こら! 私と一緒に歩いている時に他のの子を見ちゃダメでしょ!」

「わかってるけど……。香奈姉ちゃんが、変なことを言うから……」

「でも『可い』って思ってるのは、ホントのことでしょ?」

「自分でそれを言っちゃうんだ……。さすが香奈姉ちゃんだね」

楓は、なにやら言いたげな表で私のことを見てくる。

そんな顔をするんだ。なるほどね。

それなら、私にも考えがある。

私は、楓のにそっとキスをした。それも、かなりディープなものだと私自にも判斷できる。

その間、楓は呆然としていたと思う。

ホントは、公衆の面前ではなく家でゆっくりこういうことをしたかったんだけど……。

楓が変なことを言うから、しなきゃダメだなって思ったのだ。

「私は、弟くんのことを誰よりもカッコいいって思っているよ」

「あ。うん……。ありがとう」

さすがの楓も、これ以上は何も言えない様子だった。

きっと恥ずかしいんだと思う。

キスをしてしまった私も、かなり恥ずかしいから。

「さぁ、はやく帰ろっか? 今日は、私が夕飯を作ってあげるから」

「香奈姉ちゃんが? いいの?」

「もちろん! 弟くんには、いつも負けっぱなしだからね。たまには私が勝たないと──」

「勝ち負けの問題なのかな……。これって……」

楓は、ボソリと呟くようにそう言っていた。

聞こえてるんだけどな。

たしかに勝ち負けの問題ではない。

これは私の好意がどこまで楓に屆くのかっていう、一種のお試しみたいなものだ。

まず好きな男の子のことを自分のものにしたいのなら、胃袋を摑めってよく言うし。

「と、とにかく。今日は、私の料理で弟くんを満足させてあげるからね。楽しみにしていなさい」

そう言って、私は楓を引っ張っていく。

、強引なのは許してくれるとは思う。

まったく。

他のの子を見るくらいだったら、私のことをしっかりと見てほしいな。

私だって、一応頑張っているんだから。

「うん。わかった。楽しみにしておくよ」

楓は、そう言って微笑を浮かべていた。

とりあえず、今日の予定を言っておかないと。

楓はいつも、勝手に安請け負いをして、私との約束を反故にしてしまうからダメなのだ。

制服にしても、楓のために気合いをれてきたっていうのに……。

「絶対だよ! 私との約束を反故にしたら許さないんだから! その場合は、容赦なくセッカンだからね!」

「セッカンかぁ……。それはちょっとキツイな……」

「キツイのなら、そうならないように気をつけなさい」

「うん。気をつけるね」

楓は聞き分けがいいから、私の言うことは大抵聞いてくれる。

そこが隆一さんとは違うところなんだよなぁ。

私は、穏やかな表を浮かべている楓を見て、ちょっとした安心を覚えていた。

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