《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》195話 姉上-3【フレッド視點】

「ねぇ、フレッド。あなたは、私と仲良くしたいの?」

「もちろんです。僕は、姉上の弟ですから」

この回答は本心から出たものだ。

しかし同時に、しばかり正確ではないところもあったかもしれない。

我ながらませているとは思うが、いなりに異としての魅力をじていたのだ。

それから更に月日が流れ――姉上が八歳に、僕が七歳になった頃に、あの出來事が起きた。

「これは……。が熱く……。なんだか力が湧いてきますわ。気分もよくなってきたようにじます」

「本當か!? カティ!」

「えぇ、噓偽りなく。イザベラさんとフレッドのおかげですね。二人とも本當にすごい子達です」

姉上の主導によって開発した、魔乏病に対するポーションが見事に効果を発揮したのだ。

僕の母上の難病は、それによって無事に完治した。

その時の喜びは言葉では言い表せないほどだったことをよく覚えている。

それからというのも、僕から姉上に対するは大きく変わったように思う。

(やっぱりこの人は凄い人だ)

いながらに抱いていた、淡い心なんていう域には留まらない。

慕、尊敬、崇拝――それらのが複雑に絡み合った結果、いつしか僕は彼のために生きるようになっていた。

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