《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》339 魔法學院対抗戦 2
お待たせいたしました。対抗戦の様子です。
今日も朝から騒がしいこのコンビは…
「桜ちゃん、まだ部屋でゴロゴロしたいんですよ~」
「そう言っていつも自分を甘やかすからブクブク太っていくんですわ」
「ハッ、桜ちゃん大変です! 誰かが私たちの部屋に侵してくるかもしれません。いや、確実に悪の一味に狙われている予がしてきますよ~。ここは私が居殘ってキッチリと警備をしますから、今すぐ部屋に戻りましょう」
「自宅警備員の常套句ですわね~。一誰が信用するんですか?」
「と、とにかくゆっくりしていたいんですよ~」
「明日香ちゃん、昨夜も2日続けて呆れるほどのドカ食をいしていましたよね」
「いや~、面目ない。さすがに胃がもたれて甘い香りのゲップがさっきから止まりませんよ~」
今日も今日とて相変わらずの明日香ちゃんがそこにいる。絶対に負けられない戦い… とでも言わんばかりの表で食べ放題のデザートに突進した結果がこれだった。よくもまあ、普通の料理がそっちのけで甘~いものばかり2時間も食べ続けられたものだ。聞いているこっちまでなんだか気持ち悪くなってきそうな気がしてくる。
「大変殘念ですが、本日もグランドを走ってもらいますわ。どうせなら昨日よりも距離をばして東京から名古屋に到達するくらい景気よく頑張ってもらいましょう」
「桜ちゃん、どうか許してくださいよ~。もう2度と甘いは口にしません。それに全然景気なんか良くないですよ~」
アルコール依存癥の重篤な患者が口にするようなセリフで何とか誤魔化そうとする明日香ちゃんであったが、そんな言い訳が桜に通じるはずもなく襟首をひっ摑まれたままズルズルとグランドに連行されていく。なんとも朝っぱらから世話が焼ける人だ。
そんな桜と明日香ちゃんのコンビは一旦忘れることにして、魔法學院対抗戦の2日目が幕を開ける。朝から聡史とカレンは連れ立って昨日同様魔法部門競技會の控室に姿を現す。本日は2年生の競技會とあって出場する千里や他のEクラスの魔法使いを激勵つもりのよう。扉を開けて室にってみると、直後全く予想外の方向から聲が掛かった。
「サトシ、久しぶりですぅ」
「聡史さん、カレンさん、筑波ダンジョン攻略以來ですね」
聲の方向に視線を向けると、そこには第4魔法學院のマリアとフィオレーヌが立っている。相変わらずの素っ頓狂な聲がマリアで、落ち著いたソフトな聲がフィオレーヌだ。
「ああ、やっぱり二人とも來ていたんだな。久しぶり」
「マリアさん、フィオレーヌさん、ご無沙汰しています」
ちょっと懐かしそうな表で二人に挨拶をする聡史とカレン。協力してダンジョンの最下層までアタックしただけあって、舊知の間柄という和んだ雰囲気が流れる。
「今回はサトシたちが個人戦に出場しないので気が楽ですぅ」
「本當は鈴さんにリベンジをしたかったんですが、どうやらその機會はなさそうで殘念です」
「大會運営委員會の決定だからな~。俺たちにはどうにもできない話だ」
「その代わりにチーム戦では思いっ切り暴れようと考えている人がいますから、どうぞご安心してください」
カレンの口からなんとも騒なフレーズが飛び出る。これにを震わせながら反応したのはマリア。
「それってもしかしてサクラですかぁ? 去年みたいに記憶がキレイに消し飛ぶようなパンチは食らいたくないですぅ」
「桜さんが急に方向を変えて私に接近してきた景は今でも時々夢に出てきますよ」
どうやら昨年のチーム戦決勝の桜の暴れ振りは、マリアとフィオに軽いトラウマを植え付けているよう。近接戦闘に不慣れな魔法使いに向かってあんな鬼のような勢いで迫ってこられたら、それは恐ろしいであろう。
「おかげでダンジョンの魔がすっかりカワイク見えてきたですぅ」
「なんだか妹が申し訳ない」
頭を掻きながら桜にり代わって詫びる聡史がいる。あまりにいつものこと過ぎて自然にお詫びの言葉が口から出てくるように條件反の回路が出來上がっているらしい。ここでフィオが何かに気付いたように…
「そういえば鈴さんを全然見掛けていないんですが、調が悪いんですか?」
「いや、全然元気だぞ。ただ例のエキシビジョンマッチに用いる式の最後の仕上げでずっと部屋に籠りっ切りなんだ」
「そうなんですか。ではまた顔を合わせた時にでもご挨拶します。それにしても鈴さんがどんな式を用意しているのか、今から楽しみです」
「エキシビションマッチってもしかして、ミスズとサクラが戦うお話ですかぁ? 絶対にムリですぅ。私だったらサクラと戦うなんて天地が引っ繰り返ってもお斷りですぅ」
フィオはともかくマリアは桜に植え付けられたトラウマがかなり深刻な模様。まあ確かに並みの魔法など悉く打ち破ってくる桜は、魔法使いにとっては天敵とも呼べる存在に他ならないだろう。
「それじゃあ二人も頑張ってくれ」
「またどこかでお話ししましょう」
仲間が待っている場所に向かう聡史とカレンに二人が手を振りながら応える。なんだか互いを良きライバルと認め合う好ましい関係が構築されている。
そして聡史たちが向かう先には気合十分な表で待ちかねている千里の姿が。
「師匠、カレンさん、おはようございます」
「調子はどうだ? 千里」
「はい、式の安定がだいぶ向上してきたのでさらにタイムを詰められそうです」
「そうか、ライバルは強力だが期待しているぞ」
「千里さんに懸かっていますからね。どうか頑張ってください」
「任せてください」
自信ありげにコブシを握り締める千里。その姿はかつて學年トーナメント決定戦で敗れてフィールドに立ち盡くしていた面影はない。表には自信が満ち溢れており、必ず優勝を勝ち取るという心意気が伝わってくる。とはいえ1年生の競技會でも百分の1秒を爭う勝負になっただけに、わずかなミスでも命取り。ちょっとした不手際で順位が大幅に狂ってくるケースも考えられる。
ちなみに2、3年生の出場選手は昨年同様8つの魔法學院から全部で32名。8名がひとつのグループとなり、1年生と同じ形式で持ちタイム順に競技を行う。ただし1年生と大きく違う點は、フィールドに現れるゴーレムがレベル50を基準に生されている點であろう。ゴーレムがより強固になっている分、その強度を上回るような強力な魔法をぶつける必要がある。とはいえ各校を代表する選手たちのレベルは概ね50以上に達しているので、1年生よりもさらなる激戦が予想される。
ということで競技開始の時間となり、トップバッターが開始戦に立つ。
「競技開始」
無機質な合音聲が流れるといかにも威力がありそうなファイアーボールがゴーレム目掛けて飛翔する。
ドゴ~ン
會場に響く発音と共にゴーレムは一撃で砕される。やはりこのクラスの選手となると魔法の威力は相當なもので、違いがあるとすれば式の構築にかかる時間と照準の正確となる模様。そして5すべてゴーレムが消え去ると…
「5撃破、タイム1分14秒」
「ウオォォォォ」
いきなりの1分臺にスタンドが沸き上がる。1年生と比べるとやはり魔法の練度が段違いという狀況を見せつけるかのよう。
「さすがは対抗戦だけあるな。相當にレベルが高い」
「この調子だと今後はゴーレムの強度を引き上げなければいけないみたいですね。鈴さんの仕事が増えそうです」
ゴーレムの生に関する式は鈴しか管理できないので、カレンの発言は今後の魔法學院の魔法使い育に関して重要な提案となるはず。それは取りも直さず鈴によってもたらされた日本語の簡易式が各校に素晴らしい進歩を及ぼしている証でもある。
こうして魔法使いたちの熱戦が開始されていく。ゼロコンマ1秒を削ろうと何人もの選手がシノギを削る熱い戦いは、第3グループに差し掛かるとついに1分を切ってくる。
すでに競技は最終組の半ばを終えており、殘すところは3名。ちなみにここまでの首位は第1魔法學院の羽田智香で34秒45。學院で行われた競技會の際は2分前半という彼の記録ではあるが、そこから更なるレベルアップと魔法効率を突き詰めていったおかげで大幅な績向上を果たしている。
そしていよいよ持ちタイムベスト3の登場と相る。
「第4魔法學院、マリア=ブロビッチ」
すでにレベル100を超えているマリアが開始戦に立つ。いつものどこかおどけた雰囲気は封印して真剣な面持ちで神を集中する。
「競技開始」
「エアーブレイドですぅ」
マリアの両手から一度に20以上の風の刃が生されてゴーレム目掛けて飛び出していく。強力な真空刃をまともに食らったゴーレムはなすもなくそのを削られて次々にきを止める。
「5破壊、タイムは4秒23」
「なんだあれは…」
「とんでもない威力の風魔法ね」
「威力もさることながら、あれだけの數を一度に生できるのは化けレベルじゃないかしら」
「さすがは留學生だな」
場は水を打ったような靜けさが漂い、そこかしこから聲を潛めた會話が聞こえてくる。さすがにこれまでの選手とは2~3ランク役者が違うというムード。続いてはフィオレーヌが登場。
「第4魔法學院、フィオレーヌ=ド=ローゼンタール」
豪奢なブロンドの長い髪を煌めかせて開始戦に立つ姿は優雅そのもの。軽く眼を閉じて心を靜めると、開始ボタンにそっと手をばす。
「競技開始」
「アイスボール」
フィオの式そのものは初級魔法に相當するアイスボールだが、驚くべきはその大きさ。通常のアイスボールがソフトボール大に対して、彼が生するのはバスケットボールサイズ。一度に複數の標的目掛けてマシンガンのような勢いで連されるので、照準を合わせられたゴーレムは堪ったものではない。1、2発くらっただけで土煙を上げながら々の殘骸と化していく。
「5破壊、タイム2秒96」
マリアの結果で相當に驚かされた會場ではあるが、フィオのこの結果は更にその驚きを加速させている。スタンドの誰もが「もはや人間の限界を超えているのではないか」と呆れた表を浮かべるのは仕方がない。
「いくら何でもこの記録はもう誰も抜けないんじゃないか?」
「まさに秒殺だよね」
「初級魔法であれだけの威力って… 一どうなっているのよ?」
このような聲が溢れる中で、スタンドで見守る聡史とカレンは…
「まあ、さすがはフィオさんですね」
「アイスボールをあそこまで派手にぶっ放してくれるとは思わなかったな」
「聡史さんでも可能じゃないですか」
「いや、俺がやってももうちょっと時間がかかるだろう。まったく練習してないし」
「まあ、そんなに謙遜しなくても大丈夫ですよ。それよりも記録はほぼ千里さんと同等ですし、私も油斷はできませんね」
「おいおい、ゼロ秒臺の非公式記録を持っているカレンが言うことじゃないだろう」
このような會話をしているうちに、最終エントリーの千里がフィールドに登場。スタンドで見守る二人はお喋りを止めてその姿に注目する。
「第1魔法學院、山浦千里」
ついに登場した最終競技者に場の注目が集まる。もちろん彼がブルーホライズンの一員であるのは周知の事実。今大會でも有力パーティーと見做されるブルーホライズン唯一の魔法使いがどのようなパフォーマンスを見せるのかと、誰もがしわぶきひとつ上げずに開始戦に立つ千里を見つめる。
「競技開始」
「ウオーターカッター」
冷靜な表で式を構築する千里。その右手から一條の極細水流が飛び出していく。
スパスパスパスパスパ
水流の向きをゴーレムに合わせて左から右に移しただけで、面白いようにそのが切斷されていく。
「5破壊、タイム1秒97」
マリアとフィオが高いレベルにモノを言わせて量で圧倒したのに対して、千里は水を押し出す300気圧の大気の制、極細水流の維持、水流が飛び出す先の空気に真空狀態を創り上げ空気抵抗を排除する作をまとめて行うという途方もなく高い技を示した。それはまるで日本人の職人蕓の粋を集めたような見事な式といえよう。
「な、な、な、何? 今の式は一何だったの?」
「私に聞かないでよ」
「なんだか細い水が飛び出していって、あっという間にゴーレムをスパッと切斷しちゃったよ」
「どうなっているのよ」
會場は驚きよりも理解不能という反応に包まれているよう。それもそうだろう。ここまで高度な式をいくつも積み重ねるといった魔法の運用はこれまで誰も目にしていないのだから。
そんな場の喧騒をよそに聡史とカレンは…
「さすがは千里だな。あの留學生コンビを上回るんだからな」
「すべては鈴さんと聡史さんの指導のおかげですね」
「いや、俺の魔法なんか千里の足元にも及ばないよ。どちらかというと神面を支えただけさ」
「それが大きいんですよ。みんな聡史さんを心から頼りにしているんですから」
「出來れば早めに獨り立ちしてもらえると助かるな」
「それは無理じゃないですか。皆さんこれからも聡史さんに甘える気満々ですから」
やや危機を覚える表を浮かべる聡史がいる。いくら戦闘能力が高くとも聡史自のはひとつしかないし、一日あたりの時間は24時間に限られている。さすがにこれ以上手を広げると収拾がつかなくなりそうだとここにきてようやく悟っているよう。
こうして2年生の魔法部門の競技は終了し、次のような結果となる。
第1位 山浦千里
第2位 フィオレーヌ=フォン=ローゼンタール
第3位 マリア=ブロビッチ
第4位 羽田智香
なお翌日に実施された3年生の魔法部門に関しては、第1魔法學院は谷間の世代ということもあって… 以下省略。
◇◇◇◇◇
格闘部門では2日目、3日目と予定通りトーナメントが進行しており、第1魔法學院の1年生においては學と優一がほぼ無風でベスト4へコマを進めている。
そして4日目の午後になって準決勝の第1試合開始の時間。
「赤、第1魔法學院、安部優一。青、第5魔法學院、鵜飼孫忠」
登場してきた二人にスタンドが大いに沸き上がる。特に青の門から登場した鵜飼孫忠はホスト校である第5魔法學院所屬ということもあって期待のこもった大聲援が送られる。それはともかくとして、午前中にランニングを終えてスタンドに陣取る桜の目には青の門から場してきた選手が目に留まっている。
「おや、これはまた面白い人材がいるもんですね~」
「桜ちゃん、そんなことはどうでもいいですから部屋で休ませてくださいよ~」
朝食後に3時間走らされてデロンデロンになっている明日香ちゃん。それはそうだろう。大會二日目以降毎日、名古屋までとは言わないまでも東京から浜松の近辺に相當する距離を走らされたのだから。
「まったく、明日香ちゃんもしくらいは相手を観察する目を養ってもらいたいですわ。いつまでもそんな調子では、いつか痛い目に遭いますよ」
「今日も朝から痛い目に遭っていますよ~」
「それよりもほら、あの青の門から出てきた選手はどう見ても只者ではありませんわ。學君といい勝負になりそうですの」
「はぁ~、そうなんですか。よかったですね。それよりもお部屋に…」
明日香ちゃんが話を続けようとするのを一刀両斷して、桜が自らの主張を被せてくる。
「よく見てください。あれはどう見ても忍者の家系の佇まいですわ。まさか現代にあそこまでコテコテの忍者が生き殘っているとは思いませんでした」
「それよりもお部屋に…」
「シッ、試合が始まりますわ」
というじで明日香ちゃんの意向などまるッと無視した桜は、食いるようにフィールドを見つめている。中央に立つ審判が両者のチェックを終えると、一息おいて…
「試合開始ぃぃ」
號令と共に間合いを計りながらにじり始める両者。優一は両手に中型剣を構えるオーソドックスなスタイルに対して、対戦者の孫忠は背中に忍刀を背負ってはいるもののいまだ抜刀する気配を見せない。
徐々に間合いが近くなってそろそろ剣が屆こうかという剎那、裂帛の気合いを込めて優一が踏み込んでいく。もちろん未だ背中に背負う刀を抜こうとしない孫忠に対する油斷などあるはずがない。何しろ彼は武を手にしない學に二度も敗戦を喫している。言ってみれば無手で対応してくる相手の恐ろしさを一番よく知っているともいえる。
だが…
ボスッ、ボスッ
孫忠が軽く手首をスナップさせたと思った瞬間、目に見えぬ何かが優一のにめり込んで呆気なくそのが地面に沈んでいく。
「勝者、青、鵜飼孫忠」
審判の判定が下ると大いに湧き立つ第5魔法學院の応援席。ホスト校として今大會初の決勝進出だけに、大きな盛り上がりを見せるのも當然かと。
それにしても剣を構えて踏み込んでいく優一が突然倒れたのは不可解にじる。一彼に何があったというのだろう?
「桜ちゃん、安部君が何もしないうちに突然倒れてしまいましたよ~。一何があったんですか?」
「おや、明日香ちゃんの目でも見えなかったということは、あの忍者は相當に鍛錬を積んでいますね。まあタネを明かせば、一見何も手に持ってないように見せかけて、実は鎖分銅を隠し持っていただけですわ」
「なんですか? その何とかフンドシとやらは」
「年頃の子がフンドシなどと口走らないでもらいたいですわ。鎖分銅というのは金屬の塊に鎖を取り付けた武ですの。相手が避け切れない距離から放って命中すると簡単に戦闘力を奪えます」
シタリ顔で説明する桜。ほんの一瞬の攻防だったにも拘らず、その目には今起こった出來事がしっかりと捉えられているよう。それにしても魔法學院に通う生徒のバリエーションは多種多彩だ。逆にこれまでひっそりと世間から隠れて技を伝承してきた武家が、ダンジョンの出現とともに腳を浴びているともいえよう。
「武を持っていないと見せかけて相手の隙を突くなんて、やはり忍者の技は素晴らしいですわ」
「桜ちゃん、なんだかセコイ手を使っているようにじますよ~」
「明日香ちゃんもまだまだ考えが淺いですわ。戦場において生き殘っていく最良の手段を突き詰めたモノが忍です。どんな手を使ってでも相手を倒す… いわばもっともしぶとくて逞しい武といってもいいですわ」
「そんなモノなんですか」
「それに暗の使用はルールに抵しませんから」
「私は暗記は苦手ですよ~」
「その暗記じゃありません。相手の目に付かないように隠し持った武が暗ですわ。それから明日香ちゃんは暗記が苦手っていいますが、試験勉強もほとんどサボっていて特に何も準備しないじゃないですか」
「試験なんか行き當たりばったりでどうにかなるモノですよ~」
「よく今まで無事に生きてこられたものですわ。逆に明日香ちゃんが得意なモノが何か小一時間問い詰めたくなりますの。それからいくら頼りない明日香ちゃんの記憶力でも、なくとも電車の乗り換えくらいは覚えてもらいたいですわ」
「桜ちゃんは謙遜が上手ですね~。長い付き合いだから私の得意なモノなんかよく知っているでしょうに」
「明日香ちゃん、友達として忠告しますわ。一度病院を診してお薬を多めに処方してもらってください」
こんな合に明日香ちゃんが桜から真剣な説教を食らっている間に第1試合の両者が退場して、続いて第2試合の選手がフィールドに場する。
「赤、第1魔法學院、中本學。青、第11魔法學院、長坂真由」
ここまで危なげなく勝ち上がってきた両者の対戦とあって、スタンドの目はどちらが勝つか大いに注目している。それにしてもなんだかこの二人には縁があるような気がするのは気のせいだろうか。フィールドの中央で対峙する二人には何か運命的なモノがあるのだろうか。
「まさか中本君と対戦できるとは思ってもみませんでした」
「僕もだよ。それにしても長坂さんはちょっと見ない間にずいぶん腕を上げたみたいだね」
「ありがとうございます。それよりも聞いておきたいことがあります。中本君にとって子の相手ってやりにくくないですか?」
「確かにやりにくい気はするかな」
「どうかそんな遠慮はしないでください。私は正々堂々正面からぶつかるつもりですから」
「わかったよ。手心は加えないつもりでいくよ」
真由のアッパレな心意気をけ取ったのか、學もどうやら本気でいくと心に決めた模様。両者が開始戦で構えると、第2試合がスタートする。
「試合開始ぃぃ」
剣を構える真由と無手で構える學。雙方とも出方を窺うような慎重な立ち上がりのように映るが、実は真由のほうはそうでもなかった。
(ど、どうしよう… 中本君にまったく隙がない)
構えをとって立っているだけのように映る學。だがジジイの指導によって対人戦の初歩を學んだばかりの真由の目にもそれははっきりと捉えることが出來る。そう、どこにも付けるスキが見當たらない狀況がその目には明らかな様子。
逆に學からしたら、わずか3週間ほどジジイの手解きをけたばかりのヒヨッコに付けるスキを與えたら立つ瀬がなかろう。ここまで5年間真面目に道場に通って培った技は伊達ではない。いかような真由のきにも対応しようとの力を抜いて構えるその姿こそが、彼に大きな圧迫を與えている。
(中本君に先手を取られたらなすがない)
あまりにもスキが見當たらない學の姿に真由は頭の中で戦を組み立てるのを放棄した。格上の學からしたら自分が考え付く程度の戦などとうにお見通しだろうと開き直った格好ともいえる。
(一か八かでこちらから仕掛けるしかない)
真由としては、元より最初から勝てるとは思っていない。自分の現在の力を學に真っ直ぐぶつけようと誓ってこの一戦に臨んでいるという面もあって、最初の一撃に全てを懸けるつもり。剣を握る両手に今一度力を込めると、思いっきり振り被って突進していく。
だが真由の特攻にも似た攻撃は、あっさり學によって躱される。スッとを開いて切っ先を避けると、真由のび切った右手の手首を摑んで下向きに捻る。その瞬間彼のはフワッと地面から浮き上がって背中から芝生に著地していく。學の得意技である小手捻りが鮮やかに決まった瞬間だった。
芝生に打ち付けられた衝撃で一瞬息が詰まってけない真由。學は素早く彼が剣を握る左手を制してからフェイスガードにコツンとコブシを落とす。
「そこまで! 勝者、赤、中本學」
勝ち名乗りをけた學は、心配そうな表で真由に右手を差し出す。學の手を取った真由のをゆっくりと引き起こすと、やや申し訳なさそうに聲を掛ける。
「大丈夫だった? それなりに加減をしたんだけど、どこか痛む箇所はない?」
「ええ、もう大丈夫よ。それにしても中本君の強さは本ね。夏休みに出會った時から比べて私自相當強くなった手応えはあったんだけど、いざあなたの正面に立ってみると何もできない自分に気が付いたわ」
「まあ、僕もあのあと々あったから…」
學が遠くを見るような眼になっている。どうやらジジイに無理やり連れていかれたダンジョン最下層の悪夢を思い出しているよう。誰でもあんな目に遭えば、間違いなくこういう目をしてしまうだろう。
「ともかく決勝戦は頑張ってね。応援しているから」
「どうもありがとう。一杯頑張るよ」
こうして學は1年生格闘部門の決勝戦に進出するのであった。
◇◇◇◇◇
2年生の格闘部門で優勝の最右翼と目されたマギーは、1、2回戦こそわずか數秒で相手を片付ける楽勝劇であったが、3回戦では思わぬ難敵にぶち當たっていた。彼の前に現れたのはブルーホライズンの一員である渚。
マギーは現在レベル230に対して、渚は130程度。通常レベル差が100もあると相手にもならないのだが、渚は次々に繰り出されるマギーの蹴りやパンチを見事に捌いて時にはカウンターで手にする槍を突き込んでいく。これにはマギーもやや驚きを隠せない表で槍の程圏外へ逃げざるを得ない。
「中々やるわね。第1はサトシたちだけかと思っていたけど、ここまで歯応えのある相手が出てくるとは思わなかったわ」
「師匠の指導がいいので」
短く答える渚が今度は積極的に前に出ていく。想像よりも鋭い突きにマギーも真剣な表で対処を迫られている。息をもつかせぬこの攻防にスタンドは大盛り上がり。
「さすがはブルーホライズンの一員だな」
「今までの試合は秒殺だった第4の留學生が苦戦しているぞ」
「特待生が個人戦に出てこないからチャンスだと思っていたけど、第1の選手層は一どうなっているんだ?」
「そんなことよりもひょっとして番狂わせが起こるんじゃないか」
などという聲がスタンドのあちらこちらで飛びっている。マギーを相手にしてここまで互角に戦える渚の技量を全員が認めざるを得ない狀況。レベル上はマギーに対してかなり劣勢な渚がここまで善戦しているのは、ひとえにこの大會に備えて特訓をしていたからに他ならない。もちろん彼の相手を務めたのは、時にカレンであり、時に明日香ちゃんであった。だがそれだけではない。対マギー戦を見越してなんと桜までもが渚のスパーリングパートナーを務めており、対抗戦に際してこれ以上はない程の萬全の備えを重ねた結果でもある。
「しぶといわね。私の攻撃を一般の生徒がここまで捌くなんて考えもしなかったわ」
「息をもつかせない連続攻撃だけど、桜ちゃんに比べたら數段見劣りますよ」
渚の返しにムッとした表を浮かべるマギー。だが桜の力を知っているからこそ、これは尋常な相手ではないとさらに気を引き締める。と同時にマギーの頭の中で、どうしてここまで渚が自分の技を撥ね返すのか、その理由がストンと腑に落ちる心地になっている。
こうして時間にして5分以上渚とマギーの攻防は続いていくが、時間の経過に伴って徐々にレベルの差を庇いきれずに渚は劣勢に追い込まれていく。そして最後は渚の渾の突きを躱したマギーが腹部にミドルキックを炸裂させて勝負を決した。
悔しそうな気持とやり切ったが半々といった表で控室に戻ってきた渚を真が迎える。
「真さん、すいません。負けちゃいました」
「いいのよ。これでマギーさんも渚の槍の技が侮れないと思い知ったでしょう。この悔しさはチーム戦で晴らしましょう」
実は渚も真もマギーを相手にして個人戦で勝てるとは踏んでいなかった。要はチーム戦に生かすために渚の槍を強く意識させようという目論見が最初からあって、その目的はこの対戦で十分果たしたといえる。
以上が昨日行われた3回戦の模様で、本日の準決勝では真対晴という學試合の再戦とマギー対頼朝というこれまた面白い試合が組まれることと相る。
最初の試合は晴が圧倒して終わって、迎えるはマギーと頼朝の対戦。開始戦には巨漢の頼朝と比べると子供のように映るマギーの姿。
「試合開始ぃぃ」
合図とともに雙方が仕掛けていく。頼朝の上段からの振り下ろしに対して、マギーは剣の軌道を見極めつつを開いてカウンターのパンチを見舞う。鈍い音を立てて頼朝のに食い込んでいくマギーのコブシ。
(これで決まったわね… いや、違う! まだ目が生きている)
マギーの表に一瞬の笑みが浮かびかける。だがその直後、彼の首元を狙った頼朝の橫薙ぎが一閃。とんでもない勢いで薙ぎ払われる剣をを屈めて避けると、マギーはやや後退して距離をとる。
(おかしいわね、決まったと思ったら淺かったのかしら?)
頭の中にこんな疑問が浮かんでくるのも必定。だが対する頼朝はといえば…
「ガハハハハ、いいパンチだったが、ボスの一撃に比べると可いもんだな」
「私のパンチをもろに食らって、なんでそんなに余裕があるのよ?」
「だから言っただろう。ボスのパンチを毎日食らっていれば、この程度は大したダメージにもならないんだよ」
「あなたの言うボスって、もしかしたらサクラのことかしら?」
「その通りだ」
「まったく、揃いも揃ってどういう化けを創り出しているのよ」
さすがのマギーも呆れを通り越しているよう。昨日渚の技量に驚かされたばかりのところにもってきて、今日は自分のパンチをまともにけて平然としている頼朝の登場とあらば、さすがのマギーもこんな反応を見せるしかないだろう。自分のパンチをまともにけて平然としている人間がいるとは、さすがに彼の考えの中にはなかった。しかもそれだけではなくて當たり前のような表で反撃を加えてくるなど計算外も甚だしい。
逆に頼朝としては格上のマギーからタコ毆りにされるのは承知の上。彼の攻撃を耐え抜いて一発逆転の一撃を叩き込もうと虎視眈々と狙っている。一見無茶な戦い方にも映るが、日々桜のパンチをそのでけている頼朝だからこそ取りうる戦法とでもいうべきだろう。
々のダメージは覚悟の上でマギーに対してある意味蠻勇を発揮して打ち合いに持ち込んでいるように映る頼朝ではあるが、より細かく見ていくと実はそうでもない。そもそも毎日桜のパンチをまともに食らっていたら、常に三途の川の向こう岸にご招待されてしまう。となると頼朝たちには必然的に生の生存本能が働いて、致死の威力をめたパンチをけても何とか生き殘っていこうという方向に進化していくのは當然。その結果としてインパクトの瞬間の衝撃を微妙なの角度で逃がしたり、後方への小さなステップで威力を弱めたりする技をに付いていく流れになってくる。また技だけではなくて、ダメージに耐える瞬間の息の止め方やパンチが當たるタイミングで筋を化させるスキルなども會得している。ここまでやっても當たり処の悪い桜のパンチで三日に一回は臨死験を経験するのだから、近にカレンがいてくれて本當に良かった。
さてやや話は逸れるが、頼朝は間違っても近藤勇人のように大軍の先頭に立って指揮していくキャラクターではない。そもそも頭の中が々足りないというか、いわば生粋の脳筋。だがなんといってもその天の面倒見の良さゆえに、後輩を責任もって育てていく軍曹役としてはこれ以上ない程の適がじられる。おそらく桜もその辺を見越して頼朝が長していくように常に彼に厳しい訓練を課しているのではないだろうか。そのおかげで頼朝は自らの経験を後輩たちにフィードバックしていく好循環が學院に生まれつつある。すでにその結果は今大會の1年生たちの績に如実に反映されているといってよいだろう。
話を試合に戻すと、このような経緯でマギーと頼朝の対戦は泥仕合の様相を呈していく。を切らせて骨を斷つといわんばかりに自らの犠牲を厭わずに立ち向かってくる頼朝にマギーは散々手を焼かされる羽目に… だがいくら頼朝が頑丈といえども、自ずと耐久力にも限界がある。そして都合100発近いパンチをマギーが撃ち込んで、ようやく頼朝が芝生に膝をつく。勝敗の結果だけを見れば漢頼朝、満創痍の敗戦といえる。だが誰もが彼の健闘を稱えて割れんばかりの拍手と歓聲を浴びせる。
だが當の頼朝はフィールドにバッタリ倒れ込むとまったくかない。おそらく試合終盤あたりからとうに意識が薄れており、気合いだけでマギーの猛攻に耐えていたと思われる。そしてついに限界を超えて意識が吹っ飛んだのであろう。
慌てて本部からストレッチャーが運び込まれてくるが、それよりも先にき出したのは救護所に待機していたカレン。急ぎ足で駆け寄ると頼朝に治癒のを放つ。待つことしばし、白目を剝いていた頼朝の目がを取り戻してくる。
「カ、カレンさん、ありがとうございます」
「大丈夫ですか?。どこか痛みますか?」
「いえ、すっかり治っているようです」
「それは良かったです。頼朝君、頑張りましたね」
「は、はい… ですが自分はまだまだです。もっと高い次元までボスに鍛えてもらう必要をじました」
頼朝は悔しさを滲ませながら答えるものの、カレンからお褒めのお言葉をいただいてどこか嬉しそう。試合に負けたとはいえ、むしろカレンの語り掛けは最大のご褒だったかもしれない。頼朝が無事に起き上がった様子を確認すると…
「なんだか私が負けたみたいな気分ね」
そう言い殘してマギーはフィールドを去っていく。昨日の渚との対戦といい、つい今しがた終わったばかりの頼朝との対戦といい、かつてこれ程苦労した戦いはなかったといわんばかりの表を浮かべている。それは取りも直さずブルーホライズンや頼朝たちがこの1年間、歯を食い縛って努力してきた軌跡でもあるかのよう。
こうして2年生の格闘部門準決勝が終了して、翌日の決勝戦はマギー対晴と決定する。アメリカ合衆國の威信を背負っているマギーに対するのは、頼朝と雙璧をす脳筋にして防スキルでは彼すらも凌駕する晴。さらに盾を用いた防からの攻撃への移行はこのところさらに磨きがかかっており、誰の目にも注目の一戦といえよう。
◇◇◇◇◇
そして翌日、大會5日目にして個人戦の決勝戦が開始される。まずは1年生の決勝戦。
「赤、第1魔法學院、中本學。青、第5魔法學院、鵜飼孫忠」
フィールドに登場した両者の姿を目の當たりにした応援席は、これまでにない程の大盛り上がりを見せる。ことに孫忠はホスト校の第5魔法學院所屬とあって、ひときわ大きな応援の聲が上がっている。だがそんなスタンドの様子とは異なって、フィールド上は張り詰めた張が漂う。さすがは決勝戦に相応しい雰囲気といえよう。だがその凜とした空気を破るようにして孫忠が學に向かって口を開く。
「貴殿の武はさぞかし名のある道場の技とお見けする。何処の武門であろうか?」
「古武本橋流、闘武館門下生の中本學です」
「ああ、なるほど。我が祖父から聞いていた通りだ」
「ウチの道場をご存じでなんですか?」
「直接見たことはないが、我が祖父とそちらの師範殿が若いころ散々やり合ったと聞く。祖父がコテンパンに打ち負かされたらしいが」
「ああ、あの師範ならばその結果はなんだかわかる気がします」
學がどこか遠い目をしている。どうも最近ジジイの話題が出るたびにこのような目になるのは、どうやらまだあの最下層に連れていかれた日のトラウマを克服しきれていないせいなのだろう。
「まさかこのような場で闘武館の関係者と立ち合うとは思っていなかった。出來れば一介の門下生よりも直系の孫とかであったならば祖父の仇も討てただろうに」
「いや、師範のお孫さんなんか連れてきたら大変なことになりますよ。々な意味で」
學の脳裏には當然ながら桜の顔が浮かんでいる。確かに學の忠告通り大変なことになるだろうが、孫忠にはその意味は通じていないよう。まあ世の中には知らないほうが心の平和を保てることがいっぱいあるもの。
「闘武館と訊いて試合前に喋りが長くなってしまったようだ。まだ名乗っていなかったが、改めて名乗りを上げよう。甲賀忍惣領家嫡男、鵜飼孫忠。いざ勝負」
「こちらこそよろしくお願いします」
堂々と自らの武門を名乗った孫忠に対して、ペコリとお辭儀をする學。甲賀忍者の末裔と古武道場の長い因縁の果ての対決が、今ここに始まろうとするのだった。
徐々に佳境に差し掛かる魔法學院対抗戦。學の決勝戦の向はいかに。そして晴とマギーの試合も目が離せなくなりそうな予…… この続きは出來上がり次第投稿いたします。どうぞお楽しみに!
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