《僕の姉的存在の馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜》

今日は、帰ってくるのがずいぶんと遅かったな。

、どこでなにをしていたんだろう。

とっても気になる。

メールとかを送ればよかったんだけど、忙しそうにしている楓に迷をかけるわけにはいかないから、敢えてやめておいたのだが……。

逆効果だったのかな?

私は、ジーッと楓の顔を見つめていた。

それに気づいた楓は、私の顔を見て思案げな表をする。

「どうしたの、香奈姉ちゃん? 僕の顔になにかついてる?」

「ううん。なにもついてないよ。ただ、ちょっとね。今日は、帰ってくるのが遅かったなって思って……」

「それは……。々あって……」

楓は、説明しづらいのかそう言って私から視線を逸らす。

楓の態度を見る限り、なにかを隠している。

私に隠し事をするのは、許さないって何度も言ってるはずなのに。

「そうなんだ。々ってなんのことかな? 弟くん」

私は、笑顔でそう訊いていた。

決して怒ってはいない…はずだ。

それなのに、どうして楓はそんな張した面持ちになるんだろう。

ちょっと不思議である。

「あー、いや……。こっちの事というか……。その……」

「ふ~ん。話したくないのなら、敢えては聞かないけど……」

「うん……。ごめん……」

「なんで謝るの? 別に悪いことをしてるわけじゃないのに」

「それは……。なんとなく、かな」

「そっか。なんとなく、か。弟くんが、そうやって謝る時って、何かあった時なんだよね?」

「………」

楓は、そのまま俯いて黙り込んでしまう。

その顔は、図星といった様子だ。

何があったのか気になるところだが、直接聞くのもなんだか気が引ける。

こんな時は、どうしたらいいんだろう。

「でも弟くんなら、自分でなんとかしたんでしょ?」

「うん。とりあえずは…ね」

楓は、微苦笑してそう言う。

それも、なんだか歯切れが悪い。

私は、楓の頬に手を添えて言った。

「それなら、いいんじゃないかな。弟くんは優しいから、油斷すると他のの子にナンパされちゃうかもしれないよ。私としては、そっちの方が心配かな」

「そんなことは……。僕の気持ちは、もう決まっているし──」

「まぁ、それならいいけど……。二や浮気は絶対にダメだからね!」

「それはもう、充分すぎるくらいわかっているよ。僕はこう見えて、そこまでの子の知り合いが多いわけじゃないし」

楓は、きっぱりとそう言ってのける。

そうは言うけど、古賀さんとかバンドメンバーたちとかは、どういった関係になるんだろう。

ちょっと疑問に思ったが、ここは聞かない方がいいのかな。

「わかっているなら、いいんだけど。弟くんは、油斷ならないからなぁ」

「うぅ……。そこは、信じてほしいな……」

「そう言うのなら、ちゃんと説明できるよね? 今日はどこでなにをしていたのかな?」

「それは……。ちょっと説明しづらいかも……」

「もう! そこは、きちんと説明してくれないと──」

「いや……。説明したら、絶対に怒ると思うし……」

「そこは、まぁ……。容次第かな」

私は、そう言って楓に笑みを見せる。

この笑みが、心のからのものではないとわかっているのか、楓は苦い表を浮かべていた。

「それこそ絶対に理不盡な話だよ……」

私は、楓のためを思ってやっているのにな……。

こうなったら、思い切って楓のことをしてみようかな?

楓のとってる態度からして、そんなことをしたい気分ではないんだろうけど……。

やっぱり、どちらにしてもダメだよね。

楓の部屋だからって、強引に攻めたって楓に嫌われてしまうだけだ。

「そんな顔しなくても大丈夫だよ。弟くんなら、他のの子に迫られても、ちゃんとお斷りをするってわかっているから」

「そうだといいんだけど……」

それは、小聲で囁くように言ったものだ。

聞こえなければよかったんだけど……。

なぜだか、それは私にもよく聞こえていた。

だからこそ、つい訊いてしまう。

「なにかあったの?」

「ううん。なんにもないよ。…ちょっとね」

それが、なにかを誤魔化しているものだというのは、私にもわかる。

その『ちょっと』が、とっても気になるんだけど。

「気になるじゃない! 怒らないから、ちゃんと説明してよ」

「う~ん……。大したことじゃないんだけどなぁ」

「私からのセッカンとスキンシップ。どっちがいい?」

「それって、どっちも変わらないような……」

「変わるわよ。弟くんの返答次第によっては、私からのご褒が全然違うんだから──」

「なにもしてないのに『ご褒』っていうのは……。かなり怪しいっていうか……」

「そんなこと言っちゃうんだ? 私は、あなただけの『お姉ちゃん』なのに……」

私は、これ以上にないくらい楓に対して好意を示している…つもりだ。

楓にとっては、まだ足りないのかな?

そうは思ったが、私からは言えない。なぜなら──

「いつも一緒にお風呂にってくれる以上の『ご褒』があるの?」

楓は、照れ臭いのか顔を赤くしてそう言っていた。

たしかに楓とは毎回、一緒にお風呂にっている。

これ以上の『ご褒』って言われたら、答えられないかもしれない。

お風呂場での楓とのスキンシップって言ったら、セックスになりかねないから。

「例えば、セックスとか……。ゴムは著用してるんだから、そのくらいは平気だよね?」

「ゴムはその……。避妊としては、完璧じゃない気も──」

「うん。完璧ではないね。でも弟くんは、気持ち良さそうだし……。大丈夫なのかなって」

「香奈姉ちゃんに迫られたら、その……。々と大丈夫じゃないかも……」

「そっか。なら、気をつけないといけないね」

私は、そう言って笑みを見せる。

やっぱり、必要以上のセックスは気をつけないといけないか。

わかってはいた事だけど……。

でも楓のあそこの魅力は、味わったものにしかわからないんだよね。

楓のあそこの過敏な反応は、もうクセになりそうで──

私ったら、何を考えてるんだろう。

本格的なセックスなんて、まだはやいのに……。

「見たじ、香奈姉ちゃんは大丈夫そうだよね」

「なんでよ?」

「だって、いつも積極的にスキンシップをとってくるから。しくらい激しいのも平気なのかなって──」

「そんなわけないじゃない。私だって、嫌なものは嫌って言えるわよ」

「例えば?」

「そうねぇ。例えば、強引なのはちょっと嫌かも……」

「そっか。それなら、僕が強引に攻めたら、香奈姉ちゃんも嫌がるってことか……」

「いや、それは……。弟くんの場合は、しくらい強引な方がいいかも」

「そうなの?」

なくとも、私は弟くんからのいは絶対に斷らないよ」

私は、微笑混じりにそう言っていた。

他の男の人ならともかく、楓の場合は話が別だ。

楓は、なにか言いたげな表で私を見てくる。

なんだろう。

私ったら、なにか問題発言でもしちゃったかな?

そんな私を安心させるためなのか、楓は言う。

「それなら、一緒にお風呂にろうか? 試しに僕が香奈姉ちゃんを口説いてあげるよ」

「え、いや……。今は、その……。気分がね」

私は、苦笑いをしてそう返していた。

今の時間帯のお風呂はちょっと……。

々と準備が必要というか。

「どうしたの? 僕のいは斷らないんじゃなかったの?」

「そうだけど……」

「だったら──」

楓が何かを言いかけたところで、私は咄嗟に楓の口元に指を添える。

の子にも、々あるんだよ。いきなりは、さすがの私もびっくりしちゃうし」

「ごめん……」

謝る必要はないんだけどな。それよりも──

「そんなことより、今日は何があったのかちゃんと説明してくれるかな?」

「香奈姉ちゃんが気にするようなことは何もないけど……。それでも、聞きたいなら」

「うん! ぜひ聞きたいな」

私は、興味本位でそう言っていた。

一緒のお風呂なんだから、そのくらいはね。

「仕方ないな。まぁ、浮気とか二とか言われたくはないし……。実は──」

楓は、ゆっくりとだけど説明し始めた。

後ろめたいことをしてないのなら、私としては構わないんだけど。

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