《化けになろうオンライン~暴食吸姫の食レポ日記~》僕らの世界のやばいやつ

「……で? お前は異世界から來た人間だと?」

「要約するとそうですね」

指揮の人が何とか持ち直してぶつけてきた質問に答える。

噓ではないけど、かなり省いた説明だ。

だってさ、この世界が危険だったら滅ぼします、とか言ったら魔王ルートじゃない。

もしくはジェノサイドルート、別名Gルートになりかねない。

そうなったら……あれ、早くおうちに帰ってもいいってことになる?

………………いやいや、ダメよ私。

そんな私利私で世界を滅ぼして罪もない人達を殺するなんて。

決して祥子さんのお仕置きが怖いとかそういうのじゃないから!

この世界だって上手くすれば共存、あるいは不可侵という事にできるかもしれないから!

まぁ、元兇はナイ神父をぶちのめしに行ってるからいいとして……たぶんあの神さまは説得すれば聞いてくれるはず。

というよりもたぶんナイ神父と共存することになるって聞いたら即答で不可侵選ぶでしょうね。

誰でもそうする、私でもそうする、さもなくばナイ神父を再生できないようにする。

的には兄妹力を合わせて挑む。

前衛、縁ちゃん、他観客で。

そしてナイ神父がボロ雑巾になったら分割して封印するか、最悪の場合食べる。

これで萬事解決よ!

「しかし、鬼のがどうのとか言っていたな。本當に人間なのか? なくともあの力は我々をはるかに凌駕している」

「あー、何から説明するべきか……私の祖先に鬼がいるのよ。それでその末裔の私はすんごいパワー持ってるの。ただ種族としては人間扱いされているから」

今、地球の戸籍は種族の記が必要になっている。

祥子さん主導でその辺の整備を進め、とんでもなく強い種族の人が問題を起こしたら罰則が重くなる方向で進めた。

例えばゲリさんが人間を攻撃したら全世界を敵に回すレベルの罰が下される。

プロ格闘技選手が素人さん毆るのと同じ要領で作られた法律。

もちろんゴブリンやスケルトンみたいな弱い種族の人がゲリさんを集団で攻撃したらそれはそれで別の罰が下されるけどね。

こっちは外環致に近い。

つまり「わざわざ敵を作るんじゃねえよハゲ!」という容である。

そして私は様々な方面からの疑問符をぶつけられながらも人間という事で落ち著いた。

ちなみに人間とかゴブリンとかの弱小種族がドラゴンとかキメラみたいな強い種族をぶん毆ることは大した問題にはならない。

せいぜいが口頭注意で終わる。

まぁ、この法律って「統合後に変化が発生し、人間から逸した存在へと変貌した者を人間以外として區分する」って容だからね。

統合前から逸していた私はノーカン! そう、ノーカンなのだ!

……まぁ、祥子さんの悪だくみなんだけど、それはれないでおく。

うん、伊皿木兄妹はその例外で上手く使われているのだ。

「そちらの世界では人間が、その、なんだ……」

「私みたいに強いのかというなら例外を除いていいえと答えるわ」

「そうか……ならば化け共はどうなのだ」

「んー、ピンキリ。弱いのは本當に弱いし、強いのは子供でも強い」

「………………」

あ、またくるみ割り人形になっちゃった。

んー聞きたいことはわかるから答えておきますか。

「えっとね、私達の世界はある日突然人類が化けに変貌したの。昨日までの隣人が、友人が、人が、家族が、あっという間に化けになった。もちろんならなかった人もいた。けど親しい間柄である、そして大半の人が変貌して自分だって姿形が変わっている。だったら必要以上に恐れることもないってことで落ち著いたの。だから共存している」

もちろん問題はかなり多かった。

離婚とか絶縁は後を絶たなかったのだが……辰兄さんと私の報が世界中で公開された。

こんな兄妹を抱えているのに仲良くしている奴らもいるんだぞ、お前らしは見習えと。

酷い使い方をされたと思うし、辰兄さんと並べられたことはいまだに許してないぞアメリカ大統領。

そしてそれで納得した民衆も許してないからな!

「ともあれ、至って平和な私達の世界は外に抱える問題を解決するべく私みたいなのをちょくちょく異世界に放り込んで調査させているのよ」

「調査……」

「えぇ、例えばこの世界が破滅を迎えた時。余波で私達の世界が壊れないかとかね」

「滅ぶのか!?」

「知らない。だから調査に來たの」

そして正しくはいざとなったら滅ぶ前に食ってしまえと言われていたりするのである。

まぁ、そんな事は言わないけどね。

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