《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》200話 イザベラ嬢-3【カイン視點】

「ぐっ……」

「ははは! ざまあみろ!!」

大人げない奴だ……。

俺みたいな子供に手を上げるとは。

まぁ、大金を持った貴族の娘を狙った時點で同類かもしれないが。

しかし、ここで諦めるわけにはいかない。

どうにか逃げる算段をつけなくては……。

「待ちなさい。子供を毆るとは何事ですか」

そこに現れたのが、財布の持ち主――イザベラ嬢だった。

は、チンピラとその仲間達を魔法であっさりと無力化してみせた。

(強い……!)

俺は魔法使いの知り合いがいない。

だが、それでも見れば分かる。

の魔法は凄まじいものだった。

「――あなたのやったことは許される事ではないと思うの」

「へっ。言って聞かせられないなら、衛兵に突き出そうってか?」

斷罪の時間がやって來た。

にかかれば、俺なんて蟻のようなものだろう。

逃亡も戦闘も無意味だ。

せめてもの抵抗といえば、悪態をつくことくらいか。

だが――イザベラ嬢は予想外の言葉を返してきた。

「あなたはスリをしないで、真っ當に生きてほしいの」

「はっ、そんなの無理だよ。真っ當に生きるだけじゃ、腹は膨れねえ」

俺はそう反論する。

だが、イザベラ嬢にとっては想定の答えだったようだ。

「私があなたに生き方を教えてあげるわ。當面生きていけるだけのお金。それに、魔法の使い方だってね」

「なっ!? そ、それは……」

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