《僕の姉的存在の馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜》
やっぱり私としては、楓の裝姿は結構似合っていると思うんだけどな。
楓は、いつの間にかゴスロリ風のステージ裝をいで、私服に著替えていた。
「どうして著替えちゃったりするのかな? 結構似合っていると思うんだけど──」
私は、不満そうな表で言う。
そこまで言われたら、楓も考えを改めるだろうと思っていたんだけど。
むしろ楓は、とても深刻な表を浮かべる。
「いや……。さすがにあの格好でライブハウスを歩くのは……。男としてどうかと──」
「そこは、ほら──。メイクもしてるんだし」
「そういう問題じゃないような……」
今も、楓はメイクを落としてはいない。ウィッグもそのままだ。
私の許可も無しに勝手にステージ裝をぐなんて、許せることではない。
だからリーダー命令で言ったら、どんな反応をするだろうか。
「いいから。ライブハウスにいる時は、ステージ裝でいなさい! これはリーダー命令だよ」
「そんな……。せめてそれだけは……」
「まだライブは終わってないの! だから、私服に著替えるのはまだダメだよ」
「うぅ……。わかったよ……」
楓は、仕方ないといったような表で私服をいで、再び著替えをし始めた。
──まったく。
油斷もなにも、あったもんじゃない。
こんな事なら、家に帰るまでこのままの格好でいようかな。
まぁ、そんなことをしたら、外に出た時に絶対にコスプレかなにかとまわりに勘違いさせてしまうから、しないけど……。
ガールズバンドの大変さは、そこにある。
楓にそんなことをさせてるっていうことを隆一さんあたりに知られたら、大笑されてしまうだろうな。
でも楓の裝姿はとても絵になるから、なんとも言えない。
中的な顔立ちにの子みたいな細なをしているから、よけいに似合っているんだろうな。
「これでいいかな?」
楓は、渋々といったじで著替えを済ませてきた。
そこに映っているのは、普通に見ればあきらかに1人のの子(?)だった。
やっぱり、楓は裝している時の方が格段にいい。
「うん! バッチリだよ!」
私は、楓のにギュッと抱きついていた。
どうやら、それの著こなし方もちゃんと知っているみたいだ。
ちょっとだけ安心したかも。
こうしていると私の気持ちが楽になる。
ちなみに奈緒ちゃんたちは、お手洗いに行ったから、しばらくは戻らないだろう。
「香奈姉ちゃんは、ホントに今のこのバンドが好きなんだね?」
「當たり前じゃない。みんながいて、弟くんもいるからね。嫌いなわけがないよ」
「そっか」
楓は、微笑を浮かべて相槌をうつ。
その顔は、なにか納得がいったような表だ。
私としては、楓やみんなのためにバンドを作ったようなものだから、楓が納得してるのなら、率直に嬉しいかも。
ただ一つ不満があるとしたら、楓があまり裝をしてくれないところだ。
楓の裝姿は絶対に似合うと思うんだけどなぁ。
なにが気にらないんだろう。
「ところでさ。あれから沙ちゃんとはどうなの? 上手くいってるの?」
「い、いきなりなんの話なの?」
楓のその態度は、あきらかに揺している。
絶対になにかあったな。これは──
私は、いかにもなじの訝しげな表を浮かべ、楓の顔を見ていた。
「んー。ちょっとね。気になったっていうか……。なんとなく、沙ちゃんの弟くんを見る目がちょっと気になるじかなって──」
「な、なにもないよ。デートの時も普通だったし……」
「『普通』…ねぇ。沙ちゃんのことだから、絶対に何かしたと思うんだけどな……」
あんな風に見えて、沙ちゃんは悪戯好きな格をしている。
だからこそ、楓にエッチな悪戯でもしたんじゃないかとさえ思えてしまう。
最近の楓の態度からしても、それはわかるほどだ。
「ホントに何もなかったよ。何かあったら、真っ先に香奈姉ちゃんに報告していると思うし……」
「そうかなぁ。なんだか怪しいな~」
私は、間近で楓の顔を見る。
じーっと彼を疑わしげに睨むように見つめていた。
こうすれば、楓も白狀してくれるかと思ったんだけど。
どうやら、そんなに甘くはないみたいだ。
「そんな顔をしたって、なにも出ないよ」
楓は、そう言って私から視線を逸らす。
そっか。
やっぱり言ってくれないのか。
だったら、仕方ない。
言ってくれないのなら、別の手段をとるしかない。
「そっかぁ。そんな態度とっちゃうんだ~。なるほどねぇ」
「どうしたの? もしかして香奈姉ちゃん、怒ってるの?」
「怒ってはいないよ~。ただちょっとね。弟くんには、セッカンが必要かなって──」
「それって──」
楓が言いかけたところで、私はそれを遮った。
キスという形で──
こんなのは、普通に見たらの子同士のものに映るかもしれない。
「っ……!」
楓はというと、あまりのことに驚いて目を開いたまま直している。
ちょっとだけ目を開けて確認したから、間違いない。
ちなみに、これがバレると々と大変なので、みんなが戻ってくるまでには、やめようとは思う。
しかし、楓の無防備さときたら……。こっちがツッコミたくなるほどで……。でも、本人にはなんともいえない。
「どう? 私の気持ちは本なんだから──。中途半端な覚悟でスキンシップを図ったりしないよ」
「いきなり──。僕にも心の準備っていうものが……」
楓は、またなにかを言いかけてやめる。
そんな余裕を與えたら、楓は積極的にはならないじゃない。
楓には、そのくらいがちょうどいいのだ。
「やる時は積極的なくせに?」
「それは……。香奈姉ちゃんが、僕のことを逃さないつもりでやってくるから──」
「そうだね。逃げ場を作ってあげると、私のことを避けてしまいそうで嫌だからね。だから、ここぞという場所にしてるよ」
「やっぱりね」
私の言葉に納得したのか、楓はなにかを諦めた様子でそう言っていた。
私は、楓のをギュッと抱きしめる。
「でも、こんなところでするつもりはないから、その辺りは安心していいよ」
「うん。それは、わかってる」
やっぱり、張はしてるんだな。
無理矢理にとはいえ、裝させてるから、ちょっとだけ心配してたんだよね。
ここは安心させてあげないと。
私は、楓の背中を優しくでてあげていた。
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