《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》202話 イザベラ嬢-5【カイン視點】

俺は起して頑張り続けた。

だが、どこかで無理をしていたらしい。

気が付けば、秋祭りの事故で闇の瘴気とやらに侵されてしまっていた。

「……イザベラ……嬢……」

俺は混濁する意識の中で必死に抗う。

このままでは最の人を傷付けてしまいそうだ。

しかし、が思うようにかない。

俺の剣は、彼を傷付けるために鍛えたんじゃないのに……。

俺はイザベラ嬢の目の前まで進んでしまう。

もはや一刻の猶予もない。

「――ガアッ!! アアアアァッ!!!」

俺は最後の力を振り絞って、自分の剣で自分の腕を突き刺した。

絶対にイザベラ嬢を傷付けられないように、何度も何度も……。

そして仕上げに、自分のへと突き刺す。

俺が死ねば、なくとも俺の手で彼を傷付けることはない。

「幸せになってくれ……イザベラ嬢……」

俺は最後にそう言い殘して、その場に倒れ伏した。

そして、意識がどんどん遠のいていくのがわかる。

(これでよかったのかもしれないな……。イザベラ嬢のために死ねるのならば本だ……)

薄れゆく意識の中、そんなことを考える。

しかし――

「――ごめんなさい。エドワード殿下、フレッド、カイン、オスカー。そして……アリシアさん……」

イザベラ嬢のそんな言葉が聞こえた。

そうだ……俺が自害して終わりのはずがないではないか。

他にも脅威はある。

俺にできることは……。

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