《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》206話 イザベラ殿-4【オスカー視點】

それでも、私なら勝てるはずだと信じて努力を続けてきました。

ですが、どこかで焦りが蓄積していたのでしょう。

不意の事故により、私の心は闇の瘴気によって蝕まれてしまいます。

「無様ですね。萬が一にも逃げられないようにしてあげましょう。……【氷結鎖縛】」

アリシア殿の主導にて行われた、イザベラ殿への斷罪。

私もそれに加擔してしまいました。

イザベラ殿の役に立つために磨いてきた氷魔法により、彼を拘束してしまったのです。

自分で自分の意思を制できません。

しかしそれでも何とか抵抗を試みます。

「――【アイス・プリズン】。ふ、ふふふ……。アリシア殿、あなたの思い通りにはさせません。道連れにして差し上げましょう」

私は首謀者のアリシア殿を道連れにするべく、彼と私を包むように氷魔法を展開しました。

これで私の役目は果たしました。

首謀者のアリシア殿さえ無力化すれば、イザベラ殿は無事で済むでしょう。

薄れゆく意識の中、そんなことを考えました。

しかし――

「――ごめんなさい。エドワード殿下、フレッド、カイン、オスカー。そして……アリシアさん……」

イザベラ殿のそんな言葉が聞こえた気がしました。

とはいえ、完全無欠ではありません。

こんな死にかけの私でも、まだできることが殘っているはず――

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