《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》366話

サラはカリンたちを起こしに行くとのことで途中で別れたし、アリアと2人になったから今回の商談について聞いてみるか。

直接対応したサラがわからないっていった直後にアリアに聞くのも良くないだろうと思ったが、今なら大丈夫だろう。

「アリアは商會長とやらが何しにきたかわかるか?」

「…商談とだけでは何についてか確証はもてませんが、ローウィンス様ではなく行商部隊の村人でもなくリキ様に會いにきたことから、この村で作られている武についてか、定期的な護衛契約もしくは『一條の』にかかわることではないかと思います。」

やっぱりアリアはある程度予想ついてんのかよ。

サラのいるときに確認しないで正解だったな。

「この村で作ってる武や防の売買に関することなら、相手は商人みたいだしわからなくもないが、俺のグループに関わることってのがよくわからん。それに護衛として村人たちを雇いたいんだったら、俺じゃなくて冒険者ギルドで村人たちを指名依頼するんじゃねぇのか?あいつらは村民だけど冒険者登録もしてんだろ?」

「…以前、行商部隊がシュンカトー商會の商隊と途中まで一緒になったという報告があったので、そのさいに盜賊に一切襲われなかったのをリキ様の影響によるものと気づいたのだと思います。村人は冒険者登録もしていますが、『一條の』のグループメンバーなので、護衛に雇うとしてもリーダーのリキ様の許可が必要だと思ったのではないでしょうか。もしくはシュンカトー商會がグループに加わるつもりだったり、グループメンバーをグループマークごと借りることで利用したいと思ってリキ様に渉しようとしているのではないかと思います。」

「行商してるやつらが一緒したってことはシュンカトー商會ってのはこの辺の商會じゃないのか?」

「…シュンカトー商會の支店はアラフミナにもあります。他の國にもいくつか支店はありますが、本店はクローノスト王國の王都グローリアにあります。ですが、主な仕れ先のクルムナであった戦爭の支援資を屆けるために商會長自ら足を運んでいたようで、戦爭終結したことで本店へと帰るさいにカンノ村を出発した行商部隊と會い、グローリアまで一緒に行したようです。一緒に行することになったと報告があったのが42日前で、グローリアに到著したのが32日前です。」

なんでそんなに細かく把握してんだよ。

まぁでもその話が本當なら、本店に戻った後にウチのグループのことを調べてからここに來たって思えば、日數的にもその時に得た報のどれかについてって考えるのが妥當か。他にそんな大商會との繋がりなんてねぇし。

ここからクローノストまでの道にいる盜賊は一回潰したし、忍者みたいながいたところにはウチのグループメンバーを襲うなって命令しているから、ウチの行商組と一緒にいたなら実際に襲われなかったんだろう。

普段は襲われるのが當たり前だったなら、そのあからさまな違いを不思議に思うわな。まぁ調べた結果が俺の悪名のおかげとなったか裏で繋がってるからとバレたかは知らんけど。

「ありがとな。ただの推測だったとしても話し合いの前に可能を教えてもらえて助かったわ。」

「…ありがとうございます。」

もう応接室の近くまで來ていたから話を終え、アリアに禮をいいながら頭をわしゃわしゃしたら、なぜか禮を返された。

何に対しての謝だよとアリアに顔を向けたが、アリアはこちらを向かずに応接室の扉を見ていたから、なんとなくいってしまっただけかもな。

応接室にると、ソファーに座っていた男が立ち上がり、優雅に頭を下げた。

商會の長って話だったから貴金屬で飾ったえた豚だろうと思ってたんだが、クソ失禮な偏見だったわ。

実際の商會長だという目の前の男は細で姿勢が良く、スーツがよく似合う。鮮やかな金髪がオールバックにされていることでよく見える顔には人當たりの良さそうな和な笑顔が浮かんでいる。

自然な笑顔を向けながら俺らのことを値踏みするように観察するといった高等技を持ち合わせていることからも接客慣れしていることが窺える。

観察眼を持っていなかったらこの笑顔が作りだってことも値踏みされてるってことにも気づけなかっただろうな。

まぁ敵意はないみたいだから作り笑顔だろうがどうでもいいけど。

「待たせてすまない。気にせず座ってくれ。」

「ありがとうございます。」

座っていいといったのに禮だけいって座らないから、先に俺がドルーゴと向かい合う席に座り、アリアが俺の隣に座ったところでドルーゴが座った。

こいつはアリアが座ったことに何もいわないどころか、アリアが座るまで待ったということは俺が奴隷を仲間と思っていることやアリアが渉擔當だってことを調べてきたのかもな。

アリアは奴隷紋の上部が見える服を著ているから、いくら上からウチの教會マークを重ねているといっても奴隷だとわかるはずだ。それなのに渉の席に座ることに何もいわないだけでなく嫌な顔ひとつしないのは偏見がないのかこの村のことを知っているからだろう。

確認すら取ってこないことから考えるならウチの村のことを知ってると思うべきか。

第一印象は悪くねぇな。

「それで、商談としか聞いていないんだが、何の用だ?領主へ仲介してほしいとかか?」

「いえ、本日は『一條の』のリーダーであるリキさんと縁を結びたいと思い足を運ばせていただきました。こちらはお近づきの印にお持ちいたしました。急な來訪にもかかわらず、お會いしていただけたことへの謝の気持ちとしておけ取りください。」

ドルーゴがテーブルの上に品良く寶石で飾り付けされた箱を置き、開けて中を見せてきた。

はネックレスや指といったアクセサリーだ。そこそこ高そうだな。アリアが著けてるネックレスと同じくらいはしそうだ。たしか1つで金貨が必要な金額だったか?そんなものをいきなり渡してくるってことはこの後の渉でいい返事をよこせってことか?

「いや、気持ちはありがたくいただいておくが、それらをもらうかどうかは商談の後にしてくれ。容によってはどうなるかわからないのにそんな高価なものはもらえないからな。」

俺の返答を聞いた瞬間、ドルーゴの頬がピクリといた。もしかしてこの世界の常識としてはこの後の商談の結果とか関係なしにけ取るべきものだったのか?だとしても商人の常識を冒険者の俺に求められても困る。まぁ、冒険者の常識も知ってるわけではないけどな。

「私としましては出來る限り良い條件を示すつもりではありますが、あくまで商談ですので、お斷りしていただいたとしても敵対する意思などありません。ですので、こちらは気兼ねなくおけ取りいただけたらと思います。もちろん今回の渉に失敗したとしてもこれらはこの席を用意していただいたことへのお禮ですので、返品を求めたりはいたしません。」

どうやら俺の取拒否が容によっては敵対する可能があるからだと勘違いされたっぽい。

ドルーゴの顔は笑顔のままなんだが、焦ってるのかしだけ早口になっていた。

やっぱり普通は挨拶の品としてもらっておくべきものだったのかもな。

「なんか勘違いさせてしまったみたいだな。それならありがたくいただこうと思う。」

箱の蓋を閉め、箱ごとアイテムボックスにしまった。その直後に気づいたが、もしかして箱の中から好きなのを選べとかだったか?とドルーゴに目を向けると表に変化はなかったから、箱ごとで合ってたみたいだ。

というか、俺が客として商人に対応するならなんとでもなるが、商談に來た商人の対応なんてわかんねぇよ。

これはさっさと本題にってもらって、俺じゃなきゃ対応できないことでないなら早めにアリアに対応を任せちまった方が良さそうだな。

「こちらとしても大手の商會と縁を持てたことはありがたいんだが、商談ってことはそれ以外にも話があるってことだろ?早速で悪いけど、そちらの話を聞かせてもらえるか?恥ずかしながら商人の常識とかは知らないから、回りくどいやり取りになると勘違いとか生まれてしまうかも知れないからな。」

ドルーゴが探るように俺を見た後、一瞬だけ考えるように目を瞑り、すぐに微笑みを向けてきた。

「それでは単刀直に本題にらせていただきます。こちらの要としましては『一條の』のグループマークを私の商會が行商に使用する車に印字する許可をいただけないでしょうか。見返りとしましてはこちらの村で作製されている武を定期的に買い取りさせていただきます。金額については商品によって変わりますので応相談となりますが、出來る限り勉強させていただきたく思います。」

…ん?護衛ととして村人を雇わせてくれとかじゃなくてグループマークを使う許可をくれってどういう意味だ?うちのグループにりたい……ってじではなさそうだが、グループマークを馬車とかに印字する意味なんてあるのか?…いや、あるな。そういや盜賊たちにはうちの仲間には攻撃するなっていった気がする。グループを作ったことやそのマークについては教えた記憶はないが、この話はアリアも知ってるし、以心伝心の加護付きアクセサリーを渡してるくらいだから、たぶんアリアがグループマークは伝えているだろう。だから、グループマークがあればあそこの盜賊には襲われなくなる。

つまりこいつは俺らが盜賊と繋がってるってことに気づいたのか?

じゃあこれは遠回しな脅しだったりするのか?

俺が探るようにドルーゴを見ていたら、わずかにドルーゴの頬がひくついた。

「もしよろしければ、行商の支援も行いましょうか。私ももとは行商から始めたですので、商品の仕れ方から商品によって向かう先の決め方などでしたらお教えすることもできます。」

なぜか見返りが増えたし、脅してるじはなさそうだな。

見返りについては俺は興味ない容だが、大手の商會と契約できたり、ノウハウを教えてもらえるってのはきっとありがたいことなんだろう。でも定期的に購してもらう契約をするほど武って作ってるのか?

前に學校區畫の店を見たときはほとんど品がなかったし、売買契約を結ぶほど用意しなきゃならなくなる方が困るんじゃねぇか?それに行商組はもう既に出発しちまってるから教わるも何もないしな。

「で、ではグループマークと一緒に數名の護衛を雇いましょう。1パーティーで1人あたり月金貨5枚でどうでしょうか。容はグローリアからクルムナの首都ワードフへの往復の道中の護衛です。護衛は道中のみで、グローリアとワードフはもちろん、途中で寄る町の中でも自由行です。護衛のパーティーは月毎に代していただいてもかまいません。いかがでしょうか。」

いかがでしょうかっていわれてもな。

護衛の相場とかわからねぇよ。

前に町から町への護衛で1パーティーで銀貨50枚が普通だっていってたか?町から町までは近いといっても丸一日はかかるだろうから、単純計算で30日金貨15枚。今回の話は1人あたり金貨5枚ってことは6人パーティーなら金貨30枚だから2倍か。悪くはないのか?

まぁ俺が考えたところで、意味ないか。決めるのは村人なんだし。

「やりたいやつがいると思うか?」

「…いないと思います。リキ様でなくてもこの村を管理する立場に立ったら余程の愚か者でない限り、今の條件を飲むとは思えません。」

村人のことはアリアに聞いた方が早いと思って確認したんだが、よくわからない答えが返ってきた。

俺としては護衛がやりたい村人がいるかを聞いたんだが、なんで村の管理者の話になってんだ?もしかして俺がそこまで悪い條件ではないのかと思って一応確認したことに対しての皮だったりするのか?アリアがいきなりそんなこといってくるとは思えないし、馬鹿にするような表でもないから俺の勘違いだとは思うが、アリアは基本無表だから真意はわからん。

「不勉強で申し訳ございません。詳しくお伺いしても?」

アリアがいったことなのになぜかドルーゴが確認するように俺に目を向けてきたんだが、俺に聞かれても困る。

そのまま視線をアリアに流したら、アリアが頷いた。

「…わたしが説明をしてもいいでしょうか。」

「よろしくお願いします。」

アリアが念のためにドルーゴに確認を取ったみたいだが、ドルーゴはアリアが代わりに答えることを気にしないのか普通に頷いた。

「…カンノ村のことを知っているのはここに住む者のみなので、ドルーゴ様が知らないのは仕方ないことなのですが、先ほど提示していただいた報酬は申し訳ありませんがカンノ村にとっては利點になりません。」

アリアのハッキリとした否定の言葉に不快になることもなく、ドルーゴは先の言葉を待っているようだ。それを見たアリアが言葉を続けた。

「…まず、村で作る武についてですが、こちらは學校の運営に利用していますので、他所の商會への定期的な販売は基本的に行うつもりはありません。村での販売でも金銭的な利益は十分に得ていますので、金銭以外の部分での利益を失ってまで他と契約する必要がないからです。」

アリアが言葉を區切ってドルーゴの反応を伺っているようだが、ドルーゴは余計な口を挾まずに続きを促した。

「…行商については村の利益のためではなく、やりたいという要があり、イグ車が余っていたから行なっているだけなため、行商で得た収は全て行商を行なっている個人の報酬としています。なので、行商のことについて教えていただいてもそれは行商組の利益であり、村の利益にはなりません。」

「行商を行なっている方々がカンノ村で作した武や薬を扱っていたと聞いたのですが、村の事業ではないのですか?」

ずっと黙って聞いていたドルーゴだったが、さすがに気になったのか確認してきた。

俺も行商が村と関係ないってことに驚いたから、気持ちはわかる。

「…はい。カンノ村で作ったを安く売りはしましたが、行商での商品の値段やどこで売るかなどは全て行商組の方々にお任せしていて、そこで得た利益は全て行商組の収としています。行商を許可したのは別の目的のついでに行える仕事だったからであり、行商そのものにはとくに村で関與していませんし、今後もする予定はありません。」

「別の目的ですか?」

「…はい。同じ志をもつ仲間を探すことです。」

アリアが2つつけているネックレスの1つを軽く持ち上げた。リキ教のシンボルマークのついた方を。

いや、そんな目的は初耳なんだが。

「……。」

ドルーゴも予想外だったようで、返す言葉を見つけられずに笑顔のまま固まったようだ。

「…最後に護衛についてですが、単純に報酬の桁が足りません。カンノ村の中で長期の護衛が出來る方たちは冒険者として依頼をこなせば、無理をせずともそれ以上に稼ぎます。1ヶ月も拘束されて1人金貨5枚では『一條の』のメンバーを雇うには安すぎます。」

アリアにいわれて気づいたが、長期の護衛が出來るやつってなると限られてくるわけか。それが出來るやつってなるとそのくらいは普通に稼ぐわけか。

俺はあんま冒険者が稼げるってイメージを持っていなかったが、それは俺がFランクだからってだけで、ちゃんとランクを上げてる村人たちはやろうと思えばそのくらいは余裕で稼げるんだろう。それならわざわざ1ヶ月も拘束される安い依頼なんかけたくないわな。

「……そう…ですか。失禮いたしました。お互いに利益のあるご提案が出來ず、申し訳ありません。」

「…いえ、村のを知っているのは村人のみで、その中でも全てを把握しているのは村長であるリキ様と領主であるローウィンス様、それと一部の奴隷のみのため、報を得るのは難しいかと思います。なので、こちらからご提案させていただいてもいいでしょうか?」

どうやら村長のリキとやらは全て把握しているらしい。もう驚きもしないがもちろん初耳だ。

當たり前のようにアリアは俺が全部知ってると思っているみたいだが、村についてはほぼ全てアリアたちに任せていて、その報告を久しくされていないのに知るわけねぇだろ。…報告されてないよな?俺が聞き流しただけな可能もあるから確認しないけどさ。今知ったから問題ないしな。

「……ぜひ、聞かせていただきたいです。」

俺がカンノ村の現狀把握をしている間になぜかアリアからドルーゴに商談を持ちかける流れに変わったみたいだ。

「…『一條の』の傘下に加わりませんか?」

「……提攜ではなく傘下ですか?」

ん?冒険者のグループってただの自稱軍団だろ?既に名の売れてる大手の商會がその傘下に加わるメリットがなくないか?実際ドルーゴも困してるっぽいし。

もしかして、アリアはてきとうなことをいって追い返そうとしてるとかか?だとしたらさっき話が流れて終わりそうだったのにわざわざ提案する意味がわからんから違うか。

「…はい。傘下に加わった場合、盜賊や魔に襲われたさいに近場に『一條の』のメンバーがいた場合は無條件で助けに向かいます。もし間に合わず、商品や従業員の命を奪われた際はこちらで報復を承ります。その際に奪われた商品がまだ売られず殘っていた場合は無償でお返しします。また、カンノ村で作製した魔鉄製の武を安価でお売りします。あと、こちらの指を5つ差し上げます。」

「裝備して確認してもよろしいでしょうか?」

「…はい。」

ドルーゴは躊躇することなく中指にはめた。よく見るとウチのグループマークが刻まれてんだな。

さらによく見ると裝備者の魔力っぽいのが指に流れてるみたいだ。

「……代わりの加護付きのアクセサリーですか。それを5つもいただけるのですか?」

「…はい。シュンカトー商會は大手の商會ですので、條件次第ではもうし數を増やすつもりです。その指の効果についてですが、加護とは別で2つあります。1つは裝備者からMPを吸い、魔法陣の効果を維持します。常にMPを吸い続けますが、一度指にMPが満たされた後は自然回復する量よりない量しか吸われないので裝備し続けても問題ありません。もう1つの効果は指が壊れたさいにを空に打ち上げて『一條の』のグループマークを上空に映し出します。室だとその効果は意味をなさないのですが、外であればしばらくの間は空でり続けるので、このを目印に近場の『一條の』のメンバーが駆けつけることになってます。」

加護を確認したあともアリアの話を聞きながら考えるようにして指を眺めていたドルーゴだったが、難しい顔のまま指を外して禮を述べながらアリアへと返した。

「今の話を聞く限りでは魅力的なお話かと思います。それだけしていただく見返りは何をお求めなのでしょうか。」

ドルーゴは今まで話していたアリアではなく、俺に顔を向けて確認をしてきた。

まぁ普通は奴隷が勝手にいろいろするわけないから、ドルーゴの対応が普通なんだろうけどさ。

だとしても俺は何も求めてないからアリアに聞いてくれと、またアリアに視線を送るとドルーゴが一瞬顔を歪めてからアリアへと顔を向けた。ドルーゴとしてはわざわざ奴隷を通して話す意味がわからないんだろう。

実際は奴隷を通してではなく、その奴隷であるアリアの発案だから本人に話させてるんだがな。

アリアもそこで頷いたりするから俺の指示みたいに思われるんだろうけど…まぁいい。

「…こちらが求めるのはマークの変更とお金と一部商品の委託販売の3つです。」

アリアがドルーゴに見せるように指を3本立てたあと、薬指と中指を曲げて人差し指だけを立てたまま話を続けた。

「…まずマークについてですが、傘下に加わった証としてこのリキ様マークを商會で使用しているマークの全てに上から印字してもらいます。」

アリアが教會のシンボルマークを見せながら説明し、続いて中指も立てた。

「…次にお金についてですが、年に金貨120枚を徴収します。1の月にその年の分を全額支払っていただきますが、今回のように途中から加わる場合は月割となります。今は12の月なので、傘下に加わるのであれば金貨10枚いただきますが、切りよく來年からということであれば、1の月の終わりまでに金貨120枚をお支払いいただきます。途中で抜けた場合でも返金はしません。傘下から抜ける申請がない場合は必ず徴収します。手間がかかった場合はその分も請求しますので気をつけてください。」

最後に薬指も加えて3本の指を立てた。

「…最後は委託販売についてですが、これは特定の相手に魔鉄製の武をこちらが決めた金額で販売をしていただきます。全ての支店にいくつかの魔鉄製の武を取り置きしてもらい、売った分を都度補充といった形を取ろうと思っています。」

アリアの話は終わったみたいだが、ドルーゴは考えているようで返事がない。

その様子を確認したアリアが説明を続けた。

「…本來これらは悪點として捉えられることが多いのですが、『一條の』のグループマークを必要とし、月に金貨30枚まで支払うとのことでしたので、護衛はつかなくなりますがそれ以外の條件は満たせているため良いお返事をいただけるかと思います。どうでしょうか?」

たぶん悩んでるのはそこじゃねぇと思うぞ。

自分の力で店を大きくしたのに冒険者グループの傘下にるとか普通に嫌だろ。ただ、すぐに斷らないってことは悩む部分があるのか?

むしろ斷りたいけどどう斷ればいいかで迷ってるとかか?

まぁ、最初に敵対したくなさそうなことをいってたから、その辺で悩んでるのかもな。別に普通に斷ってくれていいんだけどさ。

別に斷ったくらいで敵対はしないってことを伝えようかと思ったら、アリアの雰囲気が変わった。

まさか即決しないことに怒ったのかと驚いたら、以心伝心の加護を使ったようで脳に直接アリアの聲が聞こえた。

「…村人に裏切り者がいたようです。その者たちの手引きで村に侵しようした者をセリナさんが止めているようです。」

…………は?

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